「大学の時に離れ離れになったらしいんだけど、その親友は大学の授業のことや人間関係が原因で、薬を大量に服薬するようになったらしい。 それを繰り返すようになって、その子は亡くなったそうだ」寺巻は「そっか。そうなのか」とだけ呟く。「俺は、そういう人を減らすためにこの仕事をしている。 舞美絵のように親友を失くす人が一人でも減るようにするのが、俺たちの仕事だ。……だから俺は、この仕事を続ける」「……俺もお前も、目指すべきは同じってことだな」「そうだな」そんなことを思いながらも、寺巻は「でも奥さんのこと、悲しませたらダメだぞ」と俺に言うので「わかってるよ、そんなこと」と言い返す。「やっぱり今度、お前の家遊びに行っていい?」「はあ? 絶対にイヤだね」「ケチくさいなー、四之宮は」「お前が来るとあれこれ聞くだろ、色々と」「そんなことはしないよー」本当かよ……。信じられないな。「四之宮の奥さんにも、会いたいし?」「いや、会わせたくない」「もう、なんでそんなこと言うかなー。俺たち相棒じゃん」そんなことを言う寺巻に、俺は「プライベートまで相棒になったつもりはないけどな」と言い返す。「そんな固いこと言うなって。料理上手な奥さんにも聞いてみてよ」「はあ? お前図々しいな」「だって、俺も奥さんの手料理、食べたみたいなーと思ってさ」寺巻のヤツ、何かと口実付けようとしてるな……。「……まあ、聞いといてやるよ」「お、さすが四之宮」全員舞美絵のことを紹介したくないけど、舞美絵なら優しいし、多分OKすると思う。「俺、今日はこのまま直帰するから、そこで降ろしてくれ」「家まで送るけど?」「いい。 少し歩きたい気分なんだ」寺巻は「わかった」と近くに車を止めて、俺を降ろした。「じゃあ、お疲れ」 「はいはーい。お疲れー」再び車を走らせた寺巻の車を見送ると、俺は歩き出した。歩きながら辺りを見回していると、オシャレなケーキ屋が目に入る。「ケーキか……。ケーキでも、買って帰るか」数日家を開けてしまったし、舞美絵に喜んでもらいたい。「いらっしゃいませー」ケーキ屋に入り、いくつかショーケースの中のケーキを眺める。「すみません、これとこれと、これをください」「かしこまりました」ケーキをいくつか選び、俺は会計をしてケーキ屋を後にした。✱ ✱ ✱【今
Last Updated : 2026-07-16 Read more