Todos os capítulos de 「仮面の裏側:私のものになれ」: Capítulo 211 - Capítulo 220

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#210. 私の手で春を迎えさせてほしい

キム・ミンチョルが所有し、運営する大韓総合病院。移動ベッドに横たわり到着したヒョンシンは、微かに漂う意識の糸をかろうじて掴みとっていた。「ヒョンシン。この状況で書類の作成まで……。」最後まで意識を手放さないヒョンシンを取り囲むように、マ・ドンヒョン室長が続いて足を踏み入れ、ムヒュルとシオンも病院に到着した。「シン! しっかりしろ! 頑張れ!」 「ヒョンシン! 無茶しないでよ! どうしてこんなことするの、一体!」シオンが涙を浮かべてヒョンシンの冷たい手をしっかりと握りしめ、ムヒュルもヒョンシンの状態を確認しながら叫んだ。「早く……。」ムヒュルはヒョンシンの眼差しから聞き慣れない違和感と冷徹な決意を感じ取ったのか、不安を覚えてシオンの手を強く握りしめ、静かにうなずいた。ゲョンはLFの搬送車が無事に到着することだけを願いながら、喉の渇きを覚えていた。まさにその時、キム・ミンチョルがガンムと共にロビーに現れた。夜中に突然連れ出されたキム・ミンチョルは、不快感を隠さず病院が揺れるほどの声を張り上げて怒鳴り散らしていたが、移動ベッドの上で死にかけているチェ・ジュヒョンを発見するやいなや、顔色を変えて大声で叫んだ。「……おや? ネズミのように逃げ回っていたチェ・ジュヒョンを……ついに捕まえたというわけか!」その瞬間、ゲョンはガンムと短い視線を交わした。冷静に状況を判断したゲョンが冷徹な足取りでキム・ミンチョルの前に立ちはだかった。「医療スタッフを全員下げてください。お話ししたいことがあります。」 「くだらないことなら許さないぞ! お前たち一体何様のつもりで私を呼びつけたりするんだ?」キム・ミンチョルは行き交う看護師や患者たちの視線を気にしたのか、動揺を怒鳴り声で隠そうとした。「やめろ! おやじはその口を閉じろ、今からまっすぐにヒョンシンの話を聞いた方がいい!」その時、ガンムがキム・ミンチョルのすぐ目の前まで一歩歩み寄り、冷ややかな声で一喝した。「お前狂ったのか? この父親を裏切って逃げ回っていた挙句に現れて!」 「キム・ミンチョル院長、ハンビダンやコードゼロ、あるいは誰かを監禁して焼き殺そうとしたその経緯をここで話し合っている暇はありません。」見かねたゲョンが鋭く切り込むと、キム・ミンチョルは凄まじい眼光で血走りながら、歯を食いしばるよう
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#211. 私の女に光を見つけさせてくれ

冷ややかな闇が、大型手術センターの電光掲示板の上に重くのしかかっていた。カレンダーを跨いだ時間は3月1日未明。季節はついに春の足音を聞いたというが、大韓総合病院の手術室前の廊下の空気は、相変わらず残酷な真冬のただ中に取り残されていた。国内最高水準の規模を誇るこの大型病院には数十もの手術室が存在したが、今夜明かりが灯っているのは徹底的に統制された区域だった。キム・ミンチョル院長がこれまであらゆる不法手術を敢行してきた秘密区域で執り行われているのだ。外部の目を避けるためにセキュリティー要員たちが鉄壁のように入口を塞いだその場所では、今、複数の手術室の灯りが同時に赤々と燃え盛っていた。一方の手術室では、チェ・ジュヒョンの体から臓器を摘出する作業と共に、余命わずかな日々を耐えていたLFに肝臓を、幼いイ・シンに腎臓を移植することに加え、心臓や眼角、皮膚などの臓器提供を待っていた一般人たちの手術も大規模に並行して行われていた。そしてその向かい側の手術室では、ヒョンシンの骨折手術も進められていた。手術が始まって早くも過酷な3時間が経過していた。巨大な絶望と刹那の希望が、刃のような緊張感の中で危うく見守る人々の表情には影ばかりが色濃く漂っていた。「どうか……ヒョンシンを助けてください……どうか……。」シオンは椅子に力なく腰掛けたまま両手を組み、涙を流しながら祈りを捧げた。彼女の震える肩をムヒュルが黙って包み込んだ。ムヒュルの顔もまた真っ白に青ざめていたが、彼は唇を噛みしめながら視線を手術室に向けた。はるか遠くの奥まった窓際には、やつれきったヘルマンの傍らでヒョジンも音もなく涙を流していた。秘密手術室の扉の向こうでLFの生死がかかった移植手術を見つめるヘルマンの目にも、様々な感情が去来していた。一方、立ち入り禁止線の外の暗い廊下の端では、カンムとハン・ギュリョンが病院関係者や買収したハンビダンの関係者に会い、低い声で言葉を交わしていた。「チェ・ジュヒョンが管理していた不法帳簿と隠匿された資金が保管された海外口座、彼女が買収した警察、検察、高官および社会著名人のワイロリストはついに確保しました。」マ室長の言葉にハン・ギュリョンが固い表情でうなずいた。そしてキム秘書もまたカンムに書類を差し出し、状況を報告した。「チェ・ジュヒョンの脳死判定書類および臓器提
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#212. 生の意志を握りしめさせてくれ

手術はすでに過酷な10時間の門戸を通り過ぎようとしていた。カレンダーのページがめくられ、3月1日の春の陽光が現実の世界に高く昇っていたはずの時間だが、大韓総合病院の地下の秘密手術区域の廊下は、依然として昼と夜の境界すら曖昧な時間の中に閉じ込められていた。壁面に沿って流れる冷たい蛍光灯の光の下、抑え込まれた静寂だけが鈍く漂っていた。手術時間が長引くにつれて、廊下を満たしていた人々も次々とその場を離れざるを得なかった。そして一つひとつ手術が終わった他の家族たちも皆姿を消していた。現場の緊急収拾に乗り出したカンムとハン・ギュリョンをはじめ、一睡もせずに夜を明かしてむせび泣いていたムヒュルとシオンも、疲れ果てた体を率いて束の間の空腹を満たすために席を外した状態だった。今この冷ややかな空間を守っているのは、ヘルマンとゲョン、そして遠くの隅でようやく涙を拭い、不安げに携帯電話の画面ばかりを見つめているチュ・ヒョジンだけだった。途方もない10時間の静寂に耐えかねたヘルマンが、やつれきった顔でゲョンへとゆっくり歩み寄った。「LFにチェ・ジュヒョンの肝臓を移植させるとは……。本当にエスは毎回予想を斜め上を行く方法で人を驚かせるものですね。」淡々と放たれた一言だったが、ヘルマンの疲れた眼差しの端には小さくも希望の温もりが宿っていた。自分を投げ出して他者を救い出したヒョンシンならではの、あまりにも過酷で崇高なやり方だと捉え、ゲョンもまた崖っぷちに追い詰められてすり減っていく心をほんの少しずつ落ち着かせた。「あの女は元々そうだ。他人の人生をめちゃくちゃに揺さぶるからな。」ゲョンの口元に乾いた自嘲が浮かんだ。ヘルマンは両手で顔を覆い、乱暴に顔を拭った。「必ずLFも生き延び、エスも無事に目を覚ますでしょう。」深い溜息の底に滲むヘルマンの声には、切実な願いと揺るぎない確信が同時に込められていた。しかし、10時間の死闘が続く間、向かい側の手術室で行われていた一般の臓器提供手術の灯りは一つふたつと消えていったが、ひいてはLFとヒョンシンが横たわっている手術室の電光掲示板の赤い光だけは消える気配を見せなかった。壁面に燃え盛る血のようなその光を見つめるたびに、ゲョンの瞳は冷たく揺れていた。「ヒョンシンが目を覚まさなければ、世の中に正義なんて存在しないということだ。神様が
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#213. 神よ、心臓が痛みます。

無菌病棟へと移されたヒョンシンの姿は、まるで世界のあらゆるしがらみをかなぐり捨てた沈黙の彫像のようだった。青ざめた肌の上に残像のように残る擦り傷の数々、骨折手術と共に脚を銃弾がかすめて通った跡を隙間なく埋めた消毒薬の匂いが濃く漂っていた。しかし、自分が背負っていた過酷な使命をようやくやり遂げたという安堵感ゆえか、それともこの悲劇的な人生から解脱したからなのだろうか。二度とこの過酷な世界に戻ることはない人のように、ヒョンシンはさざ波一つない平穏な表情で深い眠りに落ちていた。医療スタッフたちの懇切な引き止めを振り切り、ゲョンは無菌室の規定に従い滅菌ガウンとマスク、手袋まで完璧に身にまとったまま、ヒョンシンの傍らを守り続けていた。カ・ゲョンにとって最初からヒョンシンは、何者をもってしても手に負えない存在だった。生まれて一度も経験したことのない種類の人間。心臓が凍りつくほど冷たく美しい顔の裏に、もしかしたらこれほどまでの強烈な使命感と正義感を抱いて生きてきたというのか。「俺たちの間には……まだ残された約束があるだろ。」だが、このまま永遠に目を閉じてしまうには、ゲョンの胸に込み上げる切なさと絶望があまりにも大きすぎた。「神よ……。LFの手術が無事に終わったぞ。少なくとも感謝の言葉くらいは直接聞かせてくれよ。」「イ・シンという子どもの腎臓移植手術も無事に終わったそうだ。」心臓が引き裂かれそうな痛みに、ゲョンはまともに呼吸することすら苦しかった。「他の臓器移植も皮膚移植もすべて成功した。だからどうか目を覚まして、やり遂げた誇らしさでも感じてみろ。チェ・ジュヒョンのあの罪の代償、盛大に払わせてやったんだからな。」世界を救い、他の人々に命を取り戻させてくれたヒョンシンの奇跡の前に誰もが安堵していたが、ゲョンはそうではなかった。ヒョンシンが目を覚まさない限り、彼の世界は相変わらず崖っぷちの地獄のままだった。微かに震えるヒョンシンのまぶたの上で、微細な痙攣が走り始めた。= = =ヒョンシンはただひたすら眠りたかった。このまま永遠に目を覚まさないとしても構わないと思えるほど、深く遠い安息に浸りたかった。体内に投与された強力な鎮痛剤のせいなのか、あるいは人生のすべてを押し潰してきた緊張の糸が一瞬にして切れてしまったせいなのか。すべての使命が終わった後に押
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#214. 私の祈りが天に届き

ようやく夕暮れ時となった。ゲョンは胸いっぱいに広がる安堵感を覚えていた。残酷なほど長かった時間がついに流れ去り、世界はかつてないほど燦爛たる温もりに包まれていた。ヒョンシンが目を覚まし、自分に向けて視線を合わせてくれたのだから、彼にはこれ以上望むものなどなかった。長きにわたり肩を押し潰していた重い使命もかなぐり捨て、ゲョンはついに心置きなく明るい笑みを浮かべることができた。ヒョンシンが無事さえであれば、これから自分に起きるいかなることもどうでもよかった。集中治療室から出たヒョンシンがVIP病室に移された後、皆との面会も続いた。ヘルマンを除き、ハン・ギュリョン、キム・カンム、そしてチュ・ヒョジンまで病室を訪れ、彼女の意識回復を心から祝福して去っていった。一日中傍らを守り、落ち着かない様子だったムヒュルとシオンも明るく笑いながら挨拶を交わした後にようやく家路についた。消毒のために近づいてきた看護師が手術部位を消毒しながら尋ねた。「なぜ鎮痛剤を要求されないんですか? 消毒のときは相当痛むはずなのに、悲鳴も上げられないんですね。」 「あ……それじゃあお願いします。そうだ、肝臓移植の患者さんはまだですか?」ヒョンシンは目を覚ましてから、やはりLFの安否が一番気になっていた。しかし、まだ彼が意識を取り戻していないため皆が心配しているという話を聞き、再びうなずいた。そんなヒョンシンを見つめながら、ゲョンは切なそうな溜息と共に彼女の髪をそっと撫で下ろした。相変わらず白く美しい顔、きらめく金髪の上に赤くまだら模様に残る傷を見るたびに、ゲョンの胸は冷たく沈み込んだ。「シン、なぜ痛いと言わないんだ?」 「……よくなるわけじゃないですから。」 「それでも、痛いときは痛いと言ってもいいんだぞ。」どこか無愛想で乾いた反応を見せるヒョンシンを見て、ゲョンの胸の片隅にぽっかりと穴が空いたような違和感がわき上がった。「俺は君のそんな言葉すら全部聞いてあげたいんだ。君が痛いときに少しでも楽になれるよう手伝ってあげたいから。」その言葉にヒョンシンは静かにうなだれた。ゲョンは分かっていた。過酷な使命が終わったからといって、この女がどうして心穏やかに笑えるだろうか。案の定、ヒョンシンはすすり泣きをこらえようと下唇をぎゅっと噛み締めていた。「実は……すごく痛いです
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#215. 悪人を自分の手で断罪しようと思う

ヒョンシンは、それでも世界に神が存在すると信じたかった。LFは自分に対して異常なほど執拗に入り込んでくる人物だったが、同時に法網をあざ笑う悪人たちを残酷に懲らしめてきた断罪者でもあった。そして、遅ればせながら知ることになった。まだ性別すら曖昧だった幼い頃から、血にまみれた険しい世界で、彼が自分なりの方法でヒョンシンの盾になってくれていたという事実をだ。彼を生かしてくれた天に心から感謝した。また、彼を救うことにした自分の選択が間違っていなかったことをようやく確信した。今すぐ訪ねてLFの無事を自分の目で確かめたかったが、ゲョンは面会が難しいだろうとヒョンシンを優しくなだめた。「ゲョン様、本当に世の中、長く生きるものですね。」生きているうちに、LFの無事を願い、彼に会いたいと思う日が来るなんて。「ああ。生きていると、こんな良い日にも巡り合うものさ。」すべてのことは時間が過ぎ去った後に初めて真実が姿を現すという事実を、ヒョンシンはこれほど高価な代償を支払ってようやく悟っていたのだ。そして自分の人生も今後は決して悪くはなさそうだというかすかな予感が、ゲョンの優しい笑顔を通して胸の奥深くへと伝わってきた。= = =カ・ゲョンが整えた厳重な警護の中で入院生活を続けてから、早くも一週間が過ぎていた。ヴィクトリア側の本気次第では、いつでもこの病院を襲撃しかねない危うい状況だった。しかし、逆説的にもここは大韓民国で最も安全な城塞となっていた。カ・ゲョンの警護勢力とLFのナンバーたち、ギュリョンが動員した専属警護チームとマ室長が取り組んだハンビ단의要員たちまで、まさに鉄壁の防御線が構築されていたためだった。その間、チェ・ジュヒョンの葬儀も執り行われた。身寄りもなく、見守ってくれる家族もない、極めて寂しく静かな最期だった。ヴィクトリアが乱入したJJグループ創立記念会の事件はテロとして指定され調査が進められており、児童失踪事件は被疑者であるチェ・ジュヒョンの死亡により「公訴権なし」として処理された。外部の数多くの渦の中でも、ヒョンシンとゲョンが滞在するVIP病室だけは嘘のように平穏だった。「果物をもう少し食べろよ、シン。」 「ゲョン様、もういいです。特に今日はなぜか余計に消化が悪くて。何もしていないのに、もう夕方になってしまいましたね。」ゲョンはヒョ
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#216. 私は悪党の保護者です。

ヒョンシンは、悪びれる様子もなく現れたキム・ミンチョルを見るだけで歯ぎしりが出る思いだったが、何とか平静を保とうと努めた。カ・ゲョンはすぐにマ室長を呼び、準備してきた数々の証拠をテーブルの上に冷ややかに並べた。「まったく、気が早い奴らだな!」 「私に忍耐力があまりないもので、かなり増えたほうみたいです。一週間も時間を与えたのに答えを出せなかったとは、残念ですね。」ゲョンは話し合いに先立ち、チェ・ジュヒョンとキム・ミンチョルの罪を立証する書類と証拠を見せ、決定的な録音ファイルまで聞かせた。「こんな……! 不法な証拠なんて効力はない! 法はそこまで甘くないぞ!」 「院長! どうしてカンムに手を汚させようとなさったのですか? 違法だろうとなんだろうと、SNSや放送局にバラして恥をかかせることはできるってご存知ですよね?」怒りを抑えきれなくなったハン・ギュリョンが怒鳴りつけると、キム・ミンチョルはすぐに尻尾を巻き始めた。「ハン社長! わかったから、話そうじゃないか。」「俺は今日、親父の味方じゃない。」 「この親不孝者が! すべてお前のせいだ!」カンムの乾いた言葉に、キム・ミンチョルは八つ当たりするように再びヒョンシンを睨みつけた。ヒョンシンはハンビ단に対してすっかり愛想が尽きていたうえ、こんなふうに骨の髄まで腐りきった組織にこれ以上自分の命を賭けたくなかったため、気持ちを立て直してきっぱりと口を開いた。「院長、私は正義を立てて自分の大切な人たちを守るためにこれまで要員でいたのであって、誰かの欲を満ために命を張ったわけではありません。」「そうか? また要員が一人引退する瞬間だな。」キム・ミンチョルはとりあえず惜しそうな表情を作ると、理解したという意味でうなずいた。「エス。もう出ていっていい。これからはチェ・ジュヒョンが残した裏金の話もあるし、ハンビ단의機密について話さなければならないから、席を外してもらうぞ。」ヒョンシンは突然気まずくなって体を縮こまらせた。そのとき、傍らにいたギュリョンとカンムがソファから背中を離し、一言ずつ浴びせた。「院長、一番大事なこと! うちのバイトくんを殺そうとなさったではありませんか?」 「そうです、親父。この事態に至った原因なんですから、コードネーム・エスに謝罪からするべきでしょ。」キム・ミンチョルは一体
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#217. 私ももう笑いたいのです

焦りを覚えたキム・ミンチョルは、突然何冊もの帳簿を取り出して説明を始めた。「さあ、俺が望むのは世の中が正しく正されることだ。」キム・ミンチョルがハンビダンのコードタワーとしての役割を果たしたという証拠物には、悪事ばかりが記されているわけではなかった。過去にハンビダンで成し遂げた実績や大がかりな事件、そしてそれなりに正しく築き上げられた正義の結果物も並べられていた。「俺は自分の父親からこれを受け継いだとき、要員たちのあの血の滲むような努力に感謝した。」最近の帳簿を見ると、ヒョンシンが成し遂げた任務も記載されていた。ゲョンを初めて医療不正の現場で出会ったこと、ソウルで証拠を確保した警察の不正、ハン・ギュリョンの会社への侵入事件まで。すべて実際に起きた事実だった。そのとき、帳簿を一緒に覗き込んでいたハン・ギュリョンが目を丸くし、ゲョン、カンムと視線を合わせた。「うちの会社の創立記念日の侵入事件は、結局黒幕がペク会長だったわけ? じゃあ、LFはなんなのよ。助けに来てくれたってこと? 私を守るように依頼したじゃない!」 「バイトくんを香港に連れて行ったのも、結局LFが助けようとしたってわけか。」帳簿には、ヒョンシンが国の機密を流出させようとした裏切り者の要員だという濡れ衣を着せられたうえ、さらにH建設の技術を持ち出そうとした産業スパイのリストにも名前が載っていた。キム・ミンチョルは指でヒョンシン除去の依頼項目を指し示しながら、周囲を見回した。「エス, 俺はただチェ・ジュヒョンを信じ続けていただけなんだ。お前が、まさかLFをそそのかしてヴィクトリアを崩壊させ、カ・ゲョンまで巻き込んでハンビダンを世間に暴き出し瓦解させようとする人物だとは思わなかった。お前を殺そうとしたことは謝る。」ヒョンシンはあきれて言葉Fが出なかった。続いて広げられた資料はハンビダンの会計帳簿だった。負傷した要員を無料で治療したり、生活費を継続的に支給するなど、むしろキム・ミンチョルの財産の一部がハンビダンへ寄付されていた情勢も確認された。「俺はハンビダンのタワーだ。ハンビダンの機能に感謝を感じる人間のひとりさ。もちろん、明日は検察に出頭する。これまで犯した罪があるなら、それは受ける。だが、チェ・ジュヒョンが犯した罪まで濡れ衣を着せられるのはごめんだ。俺はこの国の腐った部分をずっと
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#218. これからは甘い道だけを歩く予定です

やっぱりこれも長生きしてみるものだった。流れる涙をLFが拭いてくれた。笑わなければならないのに、なぜか涙ばかりが出た。カ・ゲョンがLFを信じて二方だけの時間を過ごせと「プレゼント」という表現まで使うなんて。「……LF先輩、ご機嫌ななめのようですね」 「ああ。機嫌がいいわけないだろ? レディを泣かせるのは趣味じゃないからな」こんなにも美しく笑いながら言う言葉だなんて。「こっちに来い」LFは笑みを引っ込め、淡々とした表情でヒョンシンを見つめた。ヒョンシンがベッドに腰掛けて彼との距離を縮めた。彼が手を伸ばし、ヒョンシンの頭をゆっくりと撫でてくれた。まるで複雑な心をすべて分かっているかのような優しい手つきだった。「それでも、先輩を助けたかったのに……自分の手でやり遂げました」LFの濃い紫色の瞳に温かい笑みが広がった。相変わらず美しく、神秘的に人を惑わす瞳だった。「なぜ毎回助けるんだ?」ヒョンシンは泣かないようにと涙ぐみながらも唇を尖らせた。「先輩、私のせいで銃まで撃たれて私を助けてくれたじゃないですか。私も……その日は本当に生きるのが嫌だったのに」 「その日はお前が望んだんだ。韓国に来たいと言っただろ」間違いではなかった。キーマンを探そうとしたのはまさにヒョンシンの意志だった。ヒョンシンは胸が熱くなって喉がツンと痛んだが、深く息を吸い込んで感情を鎮めた。「はい。あの地獄は私が選びました」 「それに、悪人の肝臓がなんで俺の体についてるんだ?」 「悪人に罰を与えようと」そのとき、LFの耳に心地よい笑い声がヒョンシンの耳をかすめた。「気に入らないな。今度からしっかり体を酷使しないとな」ヒョンシンは言い返す代わりに、ふふっと笑ってしまった。この状況でもLFは相変わらずでのんびりと他人事のように話していた。「俺の病気、いつ気づいた?」そろそろ深刻な話をしなければならないのだろうか。ゲョンが置いていったジュースを一口飲んだヒョンシンは、ゆっくりと言葉を切り出した。「盆唐でバンジージャンプをしたとき、何か変でした。その後もずっと時間がないという話をしたり……1年後にこの世にいない人のように振る舞っていたじゃないですか。後でヘルマン先輩と話しているのをちらっと聞いたんです」 「無駄に鋭いな」LFは本当に面倒くさそうに、あまりにも美し
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#219. 幸せも無理やり味わうことができるのです

ヒョンシンを先に送り出した後、チュ・ヒョジンはLFとのティータイムを続けた。ヘルマンも今夜はチュ・ヒョジンに任せ、ナンバーたちを連れて仕事を片付けに出かけていたため、二人だけの時間はとても甘美なものだった。「あら、あなたひどくない? 神様って本当に不公平よね」ヒョンジンは紅茶とマカロン、タルト、フルーツ、みたらし団子、サンドイッチまで、トレイがしなるほどのおやつを並べていた。「病人がこんなにセクシーでいいの? 顔を見るだけで今にも私を抱き上げてホテルへ直行しそうなほどエネルギーに満ち溢れているのに。さあ、早く食べてぱっと起き上がってよ」 「繰り返しになるが、このデザートを全部食べたら、ない病気までできそうだな」LFが日差しのように明るく笑いながら見つめた。「あら、あなた怒ったの? ああ、お酒がないからか!」 「やっと俺のことが少し分かってきたな」ヒョンシンはイチゴをフォークで刺してLFに差し出しながら満面の笑みを浮かべた。「あなた、結構危険な男だったのね。本当に驚いたわ」LFは無造作にイチゴを受け取って食べると、フォークを下ろした。「俺もヘルマンも、金儲けのために投資したんだ」 「だから君は魅力的なんだ」LFが腕を組んだままじっと見つめた。「これからは、君の公演で『ブラボー』をもっと長く叫べるようになったわけだな」 「今年も、来年も、再来年も私の公演を見に来てよ。あぁ、我慢できない。私とキスして」ヒョンシンがそっと病室のベッドの上に這い上がってきた。「おや、趣味が変わっちまいそうだな」 「あなたに秋と冬ができたなんて嬉しいわ。来年の春も、その次の春も私たちのベッドでもっと熱く過ごしましょう」 「君、すっぴんもなかなかだな。もちろん服まで脱げばもっと綺麗だろうが」ヒョジンは微笑みながらLFの襟を引っ張り、熱く唇を重ねた。= = =その日の夕方、開浦洞(ケポドン)にあるムヒョンの家。「家が小さくても綺麗に可愛くまとめてるね、シオン」今日退院したヨレンとリソンを家に招いたシオンが、フルーツを綺麗に剥きながら迎えた。「俺が倒れてる間、リソンの面倒を見てくれてありがとう。一緒に食べようと思ってさ」 「ヨレン先輩、意識が戻ってからも見事に僕たち全員を騙すなんてひどすぎますよ」2組のカップルは食卓を囲み、これまで胸に秘めて
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