翌朝、私は結和ケア向けの運用メモを開いた。 三件目で止まったこと。 その次の修正。 現場側の連絡先は一本化したまま、地域連携室内で主担当と代替担当を決める。さらに『今日共有、明日確認』以上の共有には、受け取り確認を返す。 方針は決まっている。 けれど、いざ文章にしようとすると、また手が止まった。 受け取り確認。 たったそれだけのはずなのに、書き方を考え始めると意外と難しい。『ご共有いただきありがとうございます。内容を確認いたしました。必要に応じて担当者より改めてご連絡いたします』 丁寧だ。 でも長い。 現場で毎回これを返すのは、地域連携室側の負担になる。 私は消した。『確認しました。後ほど対応します』 短い。 けれど、後ほど対応します、だと全部に対応が必要に見える。 それも違う。 私はまた消した。 画面の前でしばらく固まっていると、隣から朱音が覗き込んできた。「琴葉、また一文と戦ってる」「受け取り確認の文面を考えてる」「受け取りました、でいいんじゃないの?」「それだと短すぎない?」「受け取り確認なんでしょ。受け取ったことが伝われば勝ちじゃん」「勝ち」「うん。ラブレターの返事じゃないんだから」「ラブレターではない」「じゃあ情緒を盛らない」 私は思わず笑ってしまった。 情緒を盛らない。 確かに、その通りだ。 受け取り確認に必要なのは、丁寧な感謝文ではない。共有が宙に浮いていないと、現場の人が分かることだ。 私は新しい案を打った。『受け取りました』 短い。 少しそっけない。 けれど、動きは分かる。 私はその下に、補足として一行だけ入れた。『必要時のみ、地域連携室から追
Last Updated : 2026-10-01 Read more