ひときわ眩しく輝く紗和の姿に、以前の彼女を知る者たちは皆、まるで初めて会ったかのように息をのんだ。伊織は心から嬉しく思った。生まれ変わったように晴れやかな表情も、少女のように軽やかに歩く両脚も、彼がずっと見たかった紗和の姿だった。伊織は以前から、怜央に向けていた関心を自分自身へ向けてほしいと願っていた。誰かを愛する前に、まず自分を愛してほしい。まして、自分以上に大切にする相手が怜央のような男であってはならない。これまで怜央に注いできた愛情も努力も献身も、すべて自分自身のために使えたなら、紗和は誰よりも輝ける。どんな分野でも、この世の男たちに引けを取ることはない。もしあのままドイツへ留学していたなら、伊織自身さえ、成績で彼女を上回れたとは思っていなかった。それほど素晴らしい人なのだ。今の姿を見て、伊織は嬉しかった。ここまで変われた理由は、一つしかない。紗和がようやく、自分を愛し始めたのだ。今日も式典の格式に合わせて無難なスーツを選ぶのではなく、自分が最も好きなドレスをまとっている。もう誰かに合わせたり、寄りかかったりする必要はないと思っている証拠だった。ならば、思う存分咲き誇ればいい。伊織が迎えに進み出ると、紗和も彼を見て微笑んだ。挨拶を交わそうとしたその時、怜央が伊織より先に声をかけた。「紗和!」その一声は、名前を呼んだというより、皆の前で「俺の妻だ」と宣言しているように聞こえた。怜央が人前で紗和を妻として扱い、こんなにも親しげに声をかけたことは、これまで一度もなかった。以前の臨時株主総会でもそうだった。上場に向けた提携について、株主たちから妻である紗和本人に説明させるべきだと迫られ、紗和が助け舟を出した時でさえ、怜央は人前で彼女を妻と呼ばなかった。ただ、秘書の蓮だけが敬意を込めて「奥様」と呼んでいただけだった。だが、その「奥様」という立場も滑稽なものだった。あの日、怜央は紗和の目の前で莉乃を抱きしめ、愛されていないほうが愛人なのだとなだめた。そして莉乃が泣き喚くと、正妻であるはずの紗和こそ愛人だという理屈まで認めたのだ。そんな怜央が今、人前でこれほど甘く、親しげに紗和の名を呼んでいる。紗和には、ほとんど記憶がなかった。公の場はもちろん、家の中でさえ、妻に向けるような声音で呼ばれたことなど滅
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