「ただし、どう言い繕うかは自分で考えて。できないなら、あなたがしてきたことは全部、法に裁いてもらうわ」「紗和、待ちなさい!紗和!」取り乱した莉乃の叫び声も、扉が閉まるとすぐに遠ざかっていった。莉乃は本気で焦っていた。自分が用意したアロマに、どれほど強く反応するかをよく知っていたからだ。以前、怜央と一緒にいたときに使ったものと同じだった。そのときも、自分で耐えられなくなるほど強く作用した。すでに薬は莉乃の体に回り始めていた。全身を無数の虫が這い回るようで、力が抜け、耐え難い痒みと熱に襲われる。苦しくてたまらない。ここから逃げ出したくても動けず、助けを呼ぶ力さえ残っていなかった。自分で用意した薬に、自分が蝕まれていた。そのとき、グランシエル・クラブの廊下から、騒がしい足音が聞こえてきた。絵里香が、酒を飲んだ遊び人の御曹司を6、7人も連れてきたのだ。いずれも界隈では悪名高く、女遊びを繰り返す節操のない男たちだった。期待を膨らませた男たちは、絵里香にしきりに尋ねた。「さっき入っていったすげえ美人が、俺たちと遊びたいって話だったよな。どこにいる?」絵里香は口元を隠し、くすくす笑った。莉乃から指定されていた部屋を指さし、カードキーで扉を開けると、男たちを中へ押し入れた。「ベッドで待っているわ。みんな、思う存分楽しんでね!」そう言って勢いよく扉を閉めた。廊下に残った絵里香は、得意げな笑みを抑えきれなかった。紗和を踏みにじり、泥の中へ突き落とせるなら、これほど愉快なことはない。以前、怜央から「お前なんか紗和の足元にも及ばない」と吐き捨てるように言われたことを、絵里香は今も忘れていなかった。その屈辱と恨みは、何年もの間、胸の奥で燻り続けていた。なぜ紗和だけが名家に嫁ぎ、自分はあれほど策を巡らせても、まともな家の後継者と付き合うことすらできないのか。莉乃の計画を聞いた瞬間、絵里香は自ら進んで手を貸した。男たちも、莉乃に頼まれて集めた者だった。浮かれた男たちが部屋へ入ると、ベッドに横たわる女が目に入った。婚約パーティー用のホルターネックドレスを、まだ身につけている。横たわっているのが今夜の主役だと気づき、全員の表情が変わった。「どういうことだ?」男たちは莉乃を取り囲み、縛られた両手
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