宝箱にふれると、これみよがしの鍵穴の上に四角いパネルが出現した。 正方形のそれは4x4の16マスに仕切られており、1箇所が空いている。 残りの15マスには、それぞれ風景写真の切れ端のようなものが写ったパネルがはめ込まれていた。 なるほど、15パズルとか、スライドパズルとかってやつだ。 背後から徐々に近づく重低音の足音を聞きながら、カチャカチャとパネルを動かす。えっと、こういうのはいっぺんに全部やろうとしないで、一段ずつ処理するのがセオリーだよな。青い部分は空だろう。それが写ってるのを最上段に集めて――「ぐっはぁ!?」 横からの強烈な衝撃に、わたしはふっ飛ばされていた。 くっ、どうやら劉備の長い腕に殴られたらしい。 パズルに夢中になって、そちらへの集中が切れてたぜ。 えっと、離れたところで待機して、十分に引き付けたらダッシュ。 再び宝箱の前に戻って、一段目は完成したから二段目をカチャカチャ……「ぐっはぁ!?」 またふっ飛ばされた。 ぐぎぎぎ……と歯ぎしりしながら端っこで待機。 くそう、マルチタスクって苦手なんだよなあ。 何かに集中すると、他がおろそかになってしまうのだ。 よし、また宝箱の前に戻って、三段目……あれ? ぜんぜん揃わない? どうやるんだこれ? え、もしかして無理ゲーじゃない? 詰んでる?「ぐっはぁ!?」 広場の隅に移動して待機する。 所定の位置から石像が来るまで30秒として、もう1分を過ぎたのか。 あれ? 戻る時間は考えなくていいのか? つか、鬼嶋に負けている。悔しい。 あ、にやにや笑ってやがる。ぐぎぎぎぎぎ……「ぬがぁぁぁああああああ!!!!」 わたしはキレた。 奇声とともに両の拳で天を突き上げる。 だいたいあれだ、こそこそパズルを解くなんてわたしの流儀じゃない。 あんな石像はぶっ飛ばして、それからゆっくりパズルを解こう。 集中さえできればあっという間に解けるはずだ。 呼吸を整え、腰を落として臍の下に力を溜める。 徐々に迫る石像を見やる。 身長はゆうに倍以上。 こんな石の塊、以前までのわたしなら手甲があってもぶん殴ろうだなんて夢にも思わなかっただろう。 だが、今のわたしにはアレがある。 右拳を固める。 肘から先を、一本の鉄棒と思い込む。 これはわたしの腕じゃない。 これはわた
Terakhir Diperbarui : 2026-07-13 Baca selengkapnya