「そうだ、お前のような人間とは最初から組むべきじゃなかった。買い被っていたよ!」「さっさと損害を賠償して出て行け!ここでこれ以上、我々の時間を無駄にするな!」株主たちは誰も、遥の言葉に耳を貸そうとはしなかった。ちょうどその時、昭が勢いよく部屋へ入ってきた。会社が自分に知らせず緊急会議を開いたと聞いた時点で、株主たちが遥を責め立てるであろうことは、すでに察していたのだ。「皆さん、私が保証します。遥さんは絶対に盗作などしていません。この先の楽譜も、私たちは一緒に作ってきました。彼女にはそれだけの実力がある」だが本当に盗作かどうかなど、株主たちにとってはどうでもいいことだった。それを、昭自身も分かっていた。「社長、あなたは感情的になりすぎている。目の前にある事実は事実だ。こちらが証拠を得るまでは話にならない」最終的に、昭はどうにか遥のために、賠償請求だけは当面見送らせることができた。それでも、契約解除は免れなかった。証拠を見つけるための期限は1週間。それが過ぎれば、やはり賠償を求めるという話になった。もともと心が不安定だった遥は、胸が苦しくなるのを感じた。1週間のうちに証拠を見つけられなければ、盗作の汚名を背負うだけでなく、莫大な賠償金まで支払わなければならない。創作の過程を写真に残す習慣もなかった彼女にとって、証拠を見つけることは至難の業だった。パソコンでの作曲作業にも慣れておらず、紙の楽譜だけでは制作時期を客観的に証明できない。今できる唯一の方法は、自分を陥れた人物を見つけ出すことだけだった。だが、遥がどれだけ手を尽くしても、その人物には接触できなかった。一方、怜司もただ病院で休んでいただけではなかった。この件を知ると、すぐに自分の人脈を使って、彼女を陥れた人物を探し出していたのだ。高宮沙耶(たかみや さや)。調べによれば、彼女は作曲家で、制作の際には必ず電子データを残している。この違いこそが、遥だけが証拠を示せない理由になっていた。だが、本物の実力というものは、決して変わりはしない。怜司は沙耶を見つけ出すと、ひとつの条件を突きつけた。遥と共に、権威ある作曲コンクールへ参加すること。規定の時間内にふたり同時に作曲を行い、それぞれの曲に込めた意味を詳しく説明する、というルール
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