ほどなくして、莉奈が病院に運び込まれた。小さな顔を真っ赤にして、苦しそうに咳き込み続けている。全身に赤い発疹が広がっていて、見るからに痛々しかった。駿はすぐに莉奈の治療に取りかかった。だが診察を進めるうちに、駿は眉間に深いしわを寄せた。どこか腑に落ちないものを感じたのだ。症状からすると、アレルギー反応のようだった。それなのに、最近口にしたものや、接触したものを調べても、原因となるアレルゲンは特定できなかった。誰かが意図的にアレルゲンに触れさせているのではないか。おそらくは、花梨が。しかし、検査結果をくまなく調べても、決定的な証拠は何ひとつ出てこなかった。あくまで推測にすぎない。ただ、これまで莉奈が体調を崩したり、何らかの異変が起きたりしたのは、怜司が花梨を冷たくあしらった直後だった。一度なら偶然かもしれない。だが毎回となれば、故意ではないかと疑わざるを得なかった。とはいえ、確たる証拠もないまま、病み上がりの怜司に報告するわけにはいかなかった。それからの10日間、遥は甲斐甲斐しく怜司の看病をした。朝は温かいお粥を用意し、ひと匙ずつ口に運んでやる。昼間は時間どおりに傷の手当てをしながら、退屈しないよう話し相手になる。夜もベッドのそばに付き添い、怜司がわずかでも寝返りを打とうとすれば、すぐに起きて様子を確かめた。遥の献身的な看病のおかげで、怜司の身体は日に日に回復し、命の危機も脱した。窓から差し込む陽射しが、病室をやわらかく照らしている。だいぶ顔色のよくなった怜司を見ながら、遥はそろそろ本当の気持ちを打ち明ける頃合いだと思った。自分にも、無駄にできる時間はない。彼とここで馴れ合っている暇はないのだ。「怜司。この10日間看病してたのは、あなたを許したからでも、もう一度あなたを好きになったからでもないわ」そこでいったん言葉を切り、遥は続けた。「ただ、死なせたくなかっただけ。あなたがこんな目に遭ったのは、私にも原因があるから。でも、もう命の危険はないでしょう。だから、これでお別れよ」頭を殴られたような衝撃に、怜司は言葉を失った。顔に浮かんでいた笑みが消え、血の気が引いた。信じられないという表情に変わる。「遥……冗談だろ。この10日間、ずっとそばにいてくれたのも、全部嘘だったとでも言うのか」か
Read more