途中、瑛司が電話に出るため席を外した。ほどなくして、晴加も部屋を出ていった。天音が立ち上がって後を追おうとすると、和也に行く手を塞がれた。「何するつもりだよ?人の恋愛にいちいち割って入らないと気が済まないのか?」その言葉に、天音は呆れて笑った。「本当に頭は空っぽなの?私が人の恋愛に割って入った?瑛司と結婚して、同じ戸籍に入ってるのは私よ。そこに書かれてるのは『天音』であって、『晴加』じゃない。横から割って入ってるのは、どう考えても彼女のほうでしょ」和也は鼻で笑った。「瑛司がずっと好きなのは晴加ちゃんだ。あのとき、お前が弱みにつけ込んだんだろ」「私は瑛司に結婚を迫った覚えなんてない。どう考えたって、浮気してるのは瑛司と晴加のほうでしょ」天音はもう和也を相手にせず、振り返って部屋を出た。廊下は長く、角を曲がったところで、晴加の声が聞こえてきた。「瑛司、まだ体が完全に回復してない私のために、このロボットを買ってくれてありがとう」天音はその場でぴたりと足を止めた。息をするのさえ忘れそうになる。あのロボットを買ったのは、瑛司だった。まさか、晴加の不正に手を貸していたなんて。胸の奥から、何かがすっと抜け落ちたような感覚がした。自分は今まで、瑛司のことを何も分かっていなかったのかもしれない。晴加のためなら、彼は自分の信念さえ捨ててしまう。瑛司はそんなことを知らないと思っていた。けれど違った。むしろ、彼自身が仕掛けた側だった。瑛司の声は低かったが、いつもよりずっと柔らかかった。「君の実力は分かってる。俺は君を信じてる。だから心配しなくていい。それを使って、一番を取ってこい」もう聞いていられなかった。天音はその場を離れた。和也は青ざめた彼女の顔を見ると、冷たく笑った。「自分から見に行ったんだろ。で、今度は恥をかいたってわけか」天音は顔を上げ、まっすぐ彼を見つめた。「あなた、晴加のことが好きなんじゃない?好きなら追いかければいいじゃない。毎日のように好きな女が親友といちゃついてるのを見て、平気なの?」和也はその場で固まった。そのとき、瑛司と晴加も戻ってきて、天音の言葉を耳にした。晴加がすぐに弁解した。「天音、変なこと言わないで。和也と私はただの友達だから!勝手なこと言わないでよ」天音は眉を上げ、ふっと笑
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