All Chapters of 自己顕示欲が強い妹にプロデュースされる事になりました: Chapter 11 - Chapter 20

82 Chapters

11話 歪な協力関係

 柚希は薄く微笑んでいる。  もう引き返せない? どういうことだ?  他にも何か企んでいるのだろうか?「引き返せないって、どういうことだ?」 俺の質問に柚希は微笑を崩さず「めぐが協力してくれる事になったでしょ? だから少しお願いしたんだ~」 と言って、スマホを操作しだした。  一体めぐに何をさせる気なんだ?「お兄ちゃん、これ見て」 そう言って差し出したのは先ほど操作していたスマホだった。  画面を見てみると「ん? これは……咲崎高校の共用掲示板か?」 「その通り」 スマホの画面に映し出されていたのは、咲崎高校の共用掲示板だった。  この掲示板は咲崎高校の生徒なら誰でも利用でき、1年~3年それぞれの掲示板の他に、全学年共通の掲示板がある。  今はSNSでやり取りする生徒が殆どだろう。  これを俺に見せてどうするつもりなのかと考えていると「ここに新1年生専用掲示板ってあるでしょ?」 「ああ」 よく見たら掲示板の一番上に新一年生専用の掲示板があった。   「この掲示板は4月から咲崎高校に通う生徒が入学するまでの間情報交換したりするのに活用されてるんだけど……これ見て」 促され見てみると 発言者:メグメグ   投稿 :今日は友達のお兄さんが咲崎高校の先輩なので色々話を聞いて来ました。      部活や学校行事とか色々聞いたけど、私が気になるのはやっぱり先輩かな~。      凄くカッコイイ(≧▽≦) それにお喋りも楽しいの♪ 発言者:ユイユイ  投稿 :そんなにカッコイイの~? 発言者:メグメグ  投稿 :うん! すっごくカッコイイ!        発言者:ミキティ  投稿 :なんて名前の人なの~?      チョー気になる        発言者:カナデ  投稿 :ここで個人名聞くのは違反じゃなかったっけ?      でも私もきになるな~。      学校始まったら教えてね~        発言者:ユイユイ  投稿 :私も知りた~い! 発言者:メグメグ  投稿 :うん! 学校始まったら教えるね!      きっと皆驚くよ~  というやり取りが掲示板内でされていた。「なんだよ……これ……」 「めぐに頼んで掲示板に書き込
last updateLast Updated : 2026-08-06
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12話 新学期

 俺が校門の前で春休みの出来事を思い出していると、後ろから「な~に黄昏てんの? お兄ちゃん」「いや、春休み色々やってきたけどちょっと不安になってな」 リア充になって柚希を自己顕示欲から救うと決めたが、そもそもリア充になれるのか不安だ。 二年生デビューとか斬新すぎるだろ。「大丈夫だって! 私がプロデュースしてるんだから!」「凄い自信だな」「まぁね~」 なんて話していると「おはようございます!」 と小走りで近くにまで来て挨拶をする女子! これは今までには無かったな。「おはよう、めぐ」「おはよ~」 挨拶を返し、柚希とめぐのやり取りを見る。 どちらが制服似合っているか等で盛り上がっている。 こうしていると本当に親友同士なんだなぁと思える光景だ。 だが、俺が一歩間違えば柚希はめぐを奈落の底に落とすだろう。 自分の自己顕示欲を満たす為なら親友すら利用する、自己顕示欲の塊。 俺に失敗は許されない。「じゃあ俺は教室行くから」「頑張ってねお兄ちゃん」「はい、頑張ってください」 決意を新たに二年生のクラス割を見に行く。 クラス割が張られた掲示板の前は人で溢れ返っていた。 しばらく張り紙を見て自分の名前を見つける。 2年3組になったようだ。 ザッと同じクラスの生徒を見ると、去年も同じクラスだった奴がちらほら居る。 柚希曰く、去年同じクラスだった奴を上手く扱えればイケると言っていた。 だが、掲示板に書かれている名前を見て俺は既に挫けそうだった。 何故ならそいつらの殆どがリア充グループの中でもトップカーストに位置する存在だったからだ。 そんな奴等をどう扱えっていうんだ……。 いつまでも掲示板の前に居る訳に行かないので2年3組の教室近くまでやってきた。 ここに来るまでなんか注目を浴びていた。「え? 誰
last updateLast Updated : 2026-08-07
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13話 グループ

 担任はこの後、始業式があるから体育館に移動する事と、始業式が終わったらHRをやって今日は終わりと言う事と、明日からは通常授業になる事を告げると教室から去っていった。 咲崎高校は前日に新入生の入学式を行うので、新入生も一緒だ。 担任が去った後、ざわざわとそれぞれの友達やグループになって体育館に向かう。 俺は友人が一人も居ない為一人で向かう。 さっきまで俺と話していた及川は他の女子と楽しそうに話している。 そこで気づいた。 及川と一緒にいる女子に見覚えがあったのだ。 名前は確か新島楓。 成績は常にトップで運動も出来る様で、テニス部に所属していて去年はインターハイに出場している。 容姿も亜麻色の髪を肩甲骨辺りまで伸ばしていて、風になびく髪がとても綺麗らしい。 らしいというのは、俺自身が見た事が無いのと、クラスの連中が話しているのを偶然聞いたからだ。 運動部らしい引き締まった体ながら出る所は出ていて、誰にでも分け隔てなく接する天真爛漫な子らしい。 あれ? このスペック何処かで聞いたような? などと考えていると、いつの間にか体育館に着いた。 校長先生の長い話を聞き、再び教室に戻る。 すると、意外な人物から声を掛けられた。 それは、去年も同じクラスだったが全く接点のない、トップカーストに所属している男子だった。 「よう、随分変わったな? 及川から話聞いてびっくりしたよ」 話しかけてきたのは水樹だった。 下の名前は憶えてない。 なんせ接点ゼロだったからな。「あ、ああ。 心機一転頑張ろうと思って」 と、若干リア充パワーに圧されながら答えると、すかさず隣の席の及川が間に入ってきた。「え~、彼女欲しいからイメチェンしたんでしょ~?」 と言う言葉に、水樹は「まぁ、動機はどうあれ、変わろうとするのはいい事だな」「あ、ありがとう」 水樹のフォロー? に
last updateLast Updated : 2026-08-08
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14話 グループ②

 SHRでは明日のLHRで各委員会やらを決めると言う事だけ伝えられた。 そして各々が帰り支度をしたり、集まって喋ったりしている中、俺はどうするべきか悩んでいた。 新島と及川はグループに入りなよと言ってくれたが、やはり不安もある。 今までぼっちだった俺が本当にグループに入れるのか。 入ったとしてどう接すればいいか分からない。 俺がどうするか考えていると、隣から声を掛けられた。「どうしたの佐藤? 行くよ」 といって、半ば強引に俺を引っ張っていく。 窓際に中居や水樹、新島の姿があった。 その集団に近づくにつれて、見た事のない男も混じっていた。 恐らく今日仲良くなったか、中居の部活仲間だろう。 いずれにしても俺はほぼ部外者に近い。 新島や及川はどうサポートしてくれるのだろう? 他人に頼ってる時点でリア充には程遠いなと実感する。「やっほー、佐藤連れてきたよー!」 何かその言い方だと俺が呼び出し食らったみたいに感じるな。「おー、佐藤よろしくな! まさかお前が俺達のグループに入るとは思わなかったよ」 最初に反応したのは水樹だった。 俺もまさかこのグループにこんなに早く入るとは思ってなかったよ。「あー、マジで変わったなお前」 中居が少し威圧感を感じる言い方で言ってくる。 威圧感は俺が勝手に感じてるだけかもだけど。「え? どゆこと? この佐藤? ってのそんなに変わってんの?」 と中居達に聞いている人物がいるが、俺の記憶に居ない。 誰? という意味を込めて水樹に視線を送ると「あぁ、こいつは田口っていって同じサッカー部なんだよ」 と教えてくれた。「1年の時は違うクラスだったから、これからよろしく~佐藤君」「ああ、こちらこそ」 と軽く挨拶を交わすと、再び田口は俺がどう変わったのか中居達に聞き始めた。「佐藤は1年の時あまり人と関わろうとしてなくて、それでいて殆ど喋ら
last updateLast Updated : 2026-08-08
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15話 帰路

 下駄箱で靴を履き替えていると、水瀬南の驚きの声が聞こえた。「ええぇ! そうだったの!?」  みんな凄い驚くなぁ。 まぁ自分でもかなり驚いたけどさ。 中居達は既に外に出ていたので急いで後を追おうとすると、いきなり誰かに肩を組まれた。「いやぁ~、驚きましたな~。ここまで変わるとは」「ちょ、か、顔近いって!」 水瀬が顔を覗き込む様に言う。しかも肩を組んでいる状態なので柔らかくて弾力のある物が押し付けられている。「ああ、ごめんごめん」 そう言って肩組みから解放したが、俺の前を後ろ向きで歩き、またしても顔を覗き込むような形で聞いてきた。「でも~、彼女欲しいだけでここまで変わるかな~? ズバリ、狙っている子がいる! そしてその子はかなりの美少女だからここまでの変身をしたに違いない!」 ビシィッと俺を指差しながら言う。 それを聞いていたのか中居が「それ俺もきになるわ。誰か目当ての奴が居んだろ?」「俺もきになるな」「俺も俺も!」 中居に続き、水樹と田口も同調する。「いや、及川にも言ったけど特にまだ特定の相手は居ないんだって!」 と反論するも「変わるのだって大変だし相手いると思うな~」「恋のパワーって奴だね!」「私もそう思う!」  今度は新島、水瀬、及川に反論される。 及川には朝説明したんだけどなぁ。「いや、マジで居ないって!」 今度は少し強く反論する。「な~んだ、つまんねぇ」 と中居が言うと「まぁ、友也だしな」「久々に恋バナできるとおもったのに~」「まぁしょうがないよ。佐藤君がああ言ってるんだから」 と一斉に会話を打ち切った。 たった一言でここまで人を動かすなんて。さすがグループのリーダーといった所なのだろうか。 俺は今一人で歩いている。 グループで帰るといってもグループ全体
last updateLast Updated : 2026-08-09
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16話 二人きりの下校

 リア充を目指して妹である柚希監修の元、春休みに色々な特訓をし、今日2年生デビューしていきなりトップカーストに入る事になった。 ここまで何の障害も無くスムーズにきている事に驚くが、もっと驚く事態が帰宅途中に待っていた。 グループのメンバーは皆電車通学なのだが、まさか同じ駅を利用している奴がいたなんて……。 しかも水瀬南という美少女。 二人っきりになってしまい俺の頭はショート寸前で何を話したらいいか分からない。 俺が動かず固まっていると、水瀬が手を後ろで組んで前かがみになり俺の顔を覗き込んできた。 「どうしたの佐藤? 帰ろ?」 と小首を傾げながら言う。 しかも顔が近い!  そんな可愛いポーズでこんなに顔近づけられたら惚れちゃうから! ぼっちは惚れやすいから! 確実に赤くなっているであろう顔をフイと逸らして「ご、ごめん。 ちょっと考え事してて。 帰ろうか」 こんな時どう対処するのが正解なんですかね? 「もしかして、私の貞操の危機!」「いや、違うから!?」 水瀬は冗談で言っているのだろうが、俺は自分でも分かる位の必死さで否定した。「ははは、分かってるって。 そんな必死にならなくてもいいじゃ~ん」 と笑って受け流す。 さすがリア充は違うな。「でも、まさか最寄駅が一緒だったとはね~。 今までニアミスしてたかもね」「そ、そうだね」 あははと笑う水瀬に対してそっけない返事しか出来ない俺。 どんな話題を出していいか分からない。 俺といてもつまらないとか思われてるんじゃないだろうか。 と考えていると「佐藤って去年は今と雰囲気とか全然違うんだよね? 去年はどんな感じだったの」 と水瀬の方から話題を提供してくれた。 そして気づいた。 お互いの事を話題にすればいいんだ。 俺だって水瀬の事はさっき知った陸上部所属以外知らないんだから。「えっと、及川は何て
last updateLast Updated : 2026-08-10
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17話 報告と課題

 夜の11時、俺は今、柚希の部屋に居る。そして何故か正座をしている。 今日の出来事を報告するためにやってきたのだ。 何故こんな時間かというと、両親が起きてるといつ親が来るか分からないからだそうだ。 呼び出した本人はキッチンに飲み物を取りに行っている。 なので、妹とはいえ異性の部屋で一人きり……。 特に深い意味は無いし、緊張もしてないんだからね! とツンデレ風に緊張をほぐしていると、部屋のドアが開き、柚希が入ってきた。 マグカップを持ったままベッドに座る。 マグカップは一つしかなく、俺の分は無いらしい。 若干落ち込んでいると「で、今日は学校でどうだった?」 と、いつもの笑顔で聞いてきた。 何処から話そうか迷ったが、朝柚希と別れてからの事を全て話した。「……という事があった」 俺の話を聞き終わり、柚希が口を開く「やったじゃん! 初日にしては大成功だよ!」 柚希に褒められて若干顔が熱くなる。 「ありがとう、柚希のお蔭だよ」 と素直にお礼をする。 今日の成功はほとんど柚希のおかげだからな。 しかし柚希は「お礼言うのは早いよ。私言ったでしょ? お兄ちゃんを学校一のイケメンリア充にするって。だから今の段階で満足しないで」 さっきまでの笑顔が消え、どこか冷めた表情が姿を現す。 柚希の本心を聞いた時もそうだが、どちらが本当の柚希か分からない。 「あ、ああ分かってる」「なら良し!」 そう言った後柚希は顎に手を添えて何やら考え出した。 そして考えが纏まったのかウンと頷いて右手の人差し指をピンッと立てて「これから一つずつ質問していくからちゃんと答えてね」「わ、わかった」 一体何を質問されるのだろう。 このモードの時の柚希は容赦無いからな。「まず、確認なんだけど筋トレと
last updateLast Updated : 2026-08-11
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18話 あだ名

 次の日、俺は水瀬のあだ名を何にするか考えながら登校していた。  柚希の無茶振りにより、水瀬をあだ名で呼ぶ事が課題として出されたからだ。  考え事をしながらだったのでいつの間にか学校に着いていた。  習慣で一年の時の教室に行きそうになり、慌てて二年の教室に向かう。 教室に入るとそこそこのクラスメイトが登校していた。  ふと自分の席を見ると誰かが座って隣の女子と話していた。  去年までの俺ならチャイムが鳴るまで女子が席からどくのを廊下等で待っていたが、今回はその必要はなさそうだ。  何故なら俺の席に座っていたのが昨日同じグループになった新島だったからだ。  流石に同じグループの男子を蔑ろにはしないだろう。  そう思って自分の席まで行き声を掛ける。「おはよう」 「あ、佐藤君おはよ~」 「おっは~佐藤」 内心ドキドキしながら挨拶したが、二人とも普通に返してくれた。「ごめん、今どくね~」 と言い、席を立ち及川と俺の席の間に立った。「ありがとう」 と言って席に座ると及川が話しかけてきた。「今丁度佐藤の話してたんだよ」 「え? 俺の話?」 まさか俺の悪口とかじゃないよな?「そうそう! 昨日帰り道南と一緒だったでしょ? どうだったのかな~って」 「うんうん」 どうやら悪口ではないようだ。  このネガティブ思考も変えていかないとな。「ねえねえ、どんな話したの~?」 「気になる~」 悪口ではなかったけど、あまり良い話題でもないな。「いや、特に変わった事は話してないよ。俺の去年の事とか水瀬の部活の事位しか話してない」 「でも南のはしゃぎ方凄かったよ?」 「普段よりテンション高かったよね?」 水瀬がテンション上がるような事話した覚えはないんだけどなぁ。「佐藤君と連絡先交換しちゃったー! って昨日の夜凄かったんだから」 「それで私達も交換したよって言ったら一気にテンション下がってたね」 確かに連絡先の交換はしたな。  それで新島や及川に自慢したって事か。  俺なんかの連絡先で喜んで貰えるとは……。「あのさ、俺の連絡先って自慢したくなる物なの?」 と言うと二人はキョトンとして「噂のイケメンの連絡先だから皆知りたがるんじゃないかな~」 「うんうん、聞きたいけど勇気が無いって子もいるだろうしね」 なんだか柚希の言う
last updateLast Updated : 2026-08-12
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19話 ミナ

 午前の授業が終わり昼休みとなった。 学食に向かおうと席を立つと、隣の及川から声を掛けられた。「佐藤は学食なの?」「うん」「お願いがあるんだけどいいかな?」「なに?」「帰りに購買で売ってるいちごミルク買ってきて欲しいな~なんて。だめ?」 そんな上目遣いで頼まれたら女子に耐性がないから断れない。「わかった。でもこれで一つ貸しね」「えぇ~」 文句を言う及川を無視して学食に向かう。 でもこれってパシリなんじゃなかろうか? いや、でも最後に貸しと言っておいたしパシリではないだろう。うん、きっとそうだ。 学食に着くと既に大勢の生徒で溢れ返っていた。 俺はいつものカレーうどんを頼み、もはや定位置となっている入り口傍の隅の席に座って食べる。 この席は出入りする生徒から見られたり等して人気が無く一年中空いているので利用している。 去年の俺は他人に興味が無く、どう見られても良かったので一年間利用していたが、自意識過剰でなければ明らかに去年よりも見られている気がする。 カレーうどんを食べ終わり食器をかたそうと思っていると、不意に女子から声を掛けられた。「あの、佐藤君だよね?」 いいえ、違います。 などと言えないので「そうですけど……あっ!」 声を掛けてきたのは休み時間に水瀬と話していた女子だった。 「えっ? なに?」 驚いて変な声が出てしまった為、若干警戒されたっぽい。「いや、誰かな~って思ったら休み時間に水瀬と話してたよね? それを思い出して」 慌ててフォローする。 でも何でそんな事知ってるの? キモーイとかなったらどうしよう……。「そうそう! ミナとは同じ陸上部でさー」 何とかキモイ事にはならなかった。「あ、私は小川留美っていいます、よろしくー」「佐藤友也です、よろしく」
last updateLast Updated : 2026-08-13
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20話 期待と不安

 俺が必死に逆ナンではない事を説明していると水瀬が「がっちゃん…小川さんに変な事聞かれなかった?」 と、少し慌てた様な感じで聞いてきた。  う~ん、恋バナとかの話はしない方がいいよな。「昨日何話したの? って聞かれただけだよ」 「そ、そっか」 水瀬は俺の答えを聞いて安堵した様に息を吐いた。  だが俺達の会話を聞いていた他の連中が食いついてきた。「なに? 昨日あれから何かあったの?」    と水樹がからかうようなトーンで聞いてくる。「いや何も無いって。さっき話した通り部活の事とか話してただけだから」 という俺の答えに女子達は「ふ~ん」 「へ~」 と意味深な微笑で返事をしていた。  本当に何もないんだけどなぁ。  と、そこで中居が「部活っていえば今日からだよな。めんどくせぇ」 と面倒くさそうに言う。  それに同調するように他のメンツも「うわ~だるい~」 「あまり放課後遊べなくなっちゃうね」 「今年こそ予選突破できるっしょ!」 と部活への不満や意気込み等を言っている。  不満は言ってるけどキチンと部活をやってるから凄いな。  俺なんて万年帰宅部だし。  そんな事を考えていると「佐藤君は部活に入ったりしないの?」 と聞かれた。  運動神経は悪い方ではないが、今まで人間関係が嫌で部活には入らなかった。「ん~、今は脱ヲタというか、自分を変えるので精一杯かな」 と正直に答える。「そっかぁ、頑張ってね! 応援してるから」 「ありがとう」 応援して貰えるのはありがたいな。モチベーションが上がる。  例えそれが社交辞令であっても……。  おっと、いけないいけない。いつものネガティブが出てしまった。  ここは言葉通りに受け取っておこう。 と思考を前向きに変えた所で昼休憩の終わりのチ
last updateLast Updated : 2026-08-14
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