All Chapters of 自己顕示欲が強い妹にプロデュースされる事になりました: Chapter 51 - Chapter 60

82 Chapters

51話 初めての痛み

  土曜日になり、俺は今ターミナル駅のいつもの集合場所にいる。 楓から許可を貰った日の夜、柚希に話した所、ここで待ち合わせという事になったのだ。 因みに、楓が俺ん家に来るのは両親と柚希が居ない日にという事になった。 それってやっぱりアレなのかなぁ。 おっと危ない危ない。また楓の事を考えてしまっていた。 今はこれからのデートの事を考えなければ。 結局柚希の奴、最後まで名前を教えてくれなかったしなぁ。 大分慣れてきたとはいえ、初対面の女の子は緊張する。 チラッとスマホで時間を確認するが、まだ約束の15分前だ。 いつもの癖で早く来すぎたかな? と思っていると見た事のある女の子が近づいてきて「友也さん、こんにちは」 と挨拶されたので反射的に「こんにちは」 と返すが誰だか思い出せない。 何処かで見た事ある気はするんだけどなぁ。 もしかしてこの子が約束の女の子なのかもしれない。「早いですね、まだ15分前ですよ」「ああ、いつも10分前行動を心がけてるから」「今日は我儘言ってごめんなさい。ビックリしましたよね?」「うん、ビックリした。でも謝る必要はないから大丈夫だよ」「ありがとうございます」 と言ってペコリとお辞儀をする。 こういう場合は自己紹介した方がいいよな。「改めて自己紹介するね。柚希の兄の佐藤友也です。よろしく」「あ、染谷恵美です。よろしくお願いします」 と、再びペコリとお辞儀をする染谷さん。 ん? 染谷恵美? 確かめぐの名前も……。「ええぇぇ! もしかしてめぐ?」「え? 気づいてなかったんですか!」 ガックリと肩を落として落ち込んでしまった。 これは俺が全面的に悪い。 でも、前回会った時より大人びて見えるし、服装も落ち着いた雰囲気だ。 化粧も以前と違っている。
last updateLast Updated : 2026-09-01
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52話 決意

 家に帰り自室に籠もる。 告白を断るっていうのはこんなに辛いんだな。 出来れば二度としたくない。 でも柚希曰く、めぐみたいな子が何人かいるらしい。 柚希の奴、その子達全員とデートしろとか言わないよな? もうあんなのは勘弁して欲しい。 夜の11時、いつもの様に会議が行われる。 俺が今日の事を報告しようとすると「今日はお疲れさま、めぐお兄ちゃんに感謝してたよ」 と言われた。 もう知ってたらしい。 柚希が聞いたのかめぐが言ったのか分からないが、女子のこの手の話の拡散スピードは凄い。「もう二度とこんな事やらないからな」 と、一応釘を刺しておく。「大丈夫、今回だけだから」「ならいいんだけど」 他の子達はどうするのか聞きたかったが怖くて聞けなかった。「まぁこれで女子は落ち着くと思うよ」「そうなのか?」「めぐが告白してダメだったっていうのが広まればそうそう告白しようなんて思わないよ」「だと有り難いな」 まだ不安はあったが、柚希がこう言うならそうなんだろう。「それよりも男子の方が問題なんだよねぇ」「1年の男からも妬まれてるのか……」 同級生だけでも精一杯なのに1年にまでも妬まれてるのか。「1年はそこまでじゃないかな。そもそも新島先輩とほとんど接点無いしね。憧れの人に彼氏が出来てショックって感じかな」「それならよかった。これ以上敵が増えるのは嫌だからな」「問題は2年生なんだよねぇ」 やっぱりそうか。 楓に告白してフラれたあの3人をどうにかしないとな。「どう? きつい?」「正直言えばきついな」 俺の言葉を聞いて何やら考え込む。 俺もこの問題は早く解決しておきたい。 精神的にも身体的にも結構きつい。「犯人は分かってるんだよね?」「ああ」「そうしたら、中居先
last updateLast Updated : 2026-09-02
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53話 努力の有無

 俺は藤原を連れて、いつも楓と話している理科室にやって来た。 藤原を先に入らせ、後から入った俺は入り口の前に陣取る。 逃げられない様にするのと、万が一暴力を振るってきたらすぐ逃げられる様にだ。「お、俺に何か用かよ?」 少し怯えた様子で聞いてくる。「分かってるだろ?」「な、何の事だかわからないなぁ」「これを見ても同じ事言えるか?」 そう言って俺は制服をはだけさせて身体を見せる。 そこにある無数のアザを見て「な、なんだよ! 復讐しようってのか!」 と声を荒げる。「別に復讐しようって訳じゃない。今後俺に関わらないで欲しいだけだよ」 俺がそう言うと「な、何を偉そうに言ってるんだよお前は! 楓ちゃんを俺から奪った癖に!」「は? 俺が楓をお前から奪った?」「そうだよ! 俺と楓ちゃんは付き合ってたんだ! それをお前が横から奪って行った!」 どうやらコイツの頭の中では楓と付き合ってた事になってるらしい。 ほとんどストーカーじゃないか。「それは違う。お前は楓に告白してフラれてるんだよ」「あれは楓ちゃんの照れ隠しなんだよぉ!」「そんな訳ないだろ。ちゃんと現実を見ろ!」 俺も流石にイライラしたので声を荒げる。 その事に少し怯えたのか、藤原は少し後ずさる。「お前は楓にフラれた。その事実をキチンと受け入れろ!」「う、うるさぁい! 楓ちゃんはクラスで浮いていた俺にも優しく声を掛けてくれたんだ! お前みたいなリア充イケメンに何が分かるんだよぉ!」 顔を真っ赤にして叫ぶ。 薄々気づいていたけどこいつもぼっちだったのか。 そこに楓に優しく声を掛けられたと。 ぼっちなら惚れても仕方ないな。元ぼっちの俺のお墨付きだ。 だが、それとこれは違う。「お前の気持ちは痛い程分かるよ。でももうやめようぜ?」「何が分かるってんだよぉ! くそくそくそ! 結局女は顔なのかよ!」
last updateLast Updated : 2026-09-03
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54話 仲間

 理科室を出て教室に向かいながら話す。「水樹、助けてくれてありがとう」 とお礼を言うと、水樹は笑いながら「いいっていいって、気にすんな」 と言ってくれた。 改めて良い友人に恵まれたと実感した。 教室に戻ると既に誰も居なかった。 俺は自分の鞄を持ちながら「今日はごめん、部活完全に遅刻だよな」 そう謝ると「ん? 俺、部活入ってないけど?」 と帰ってきた。「え? 中居と田口と同じサッカー部じゃないの?」「俺がいつそんな事言ったよ?」「俺が初めてグループに行った時、田口の事同じサッカー部って紹介してたから」「んん? ああ、あれは中居と同じっていみだよ」「そうだったのか、てっきり水樹もサッカー部だと思い込んでたよ」「ははは、まぁ俺の言い方も悪かったかな」 そんな話をしながら教室を後にする。 正面玄関で靴を履き替えていると「友也、この後時間あるか?」 と尋ねられた。 俺は特に用事は無かったので「ああ、大丈夫だけど」「したらちょっと茶でも飲んでくか」「わかった」 駅の傍にあるスタバに入り、それぞれ注文を済ませ席に着く 水樹は一口飲んでから「にしても、友也があんな状態だったとは驚いた」「俺も水樹があんなに怖いと思わなかったよ」「あん時はお前の身体見て軽くキレてたからな」「ごめん」「別に友也が謝る事じゃないだろ」 と、先ほどまで理科室で起きた事を話していると「でもな、友也」 水樹が急に真剣な表情になる。 思わず俺は姿勢を正す。「一人で無茶すんな。今回俺がいなかったらどうなってたか分かんないぞ?」「ごめん、どうしても一人で解決したくて……」 確かにあの時、水樹が現れなければ危なかった。「お前の事
last updateLast Updated : 2026-09-03
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55話 作戦会議

 土曜日、俺はターミナル駅構内にあるカフェにいる。 荒井と池田達と合流する前に最後の打ち合わせをする為だ。 しばらく待っていると中居、水樹、田口、及川がやって来た。 って何で及川が! と思っている間に4人は俺の席まで来る。 確認の為に聞いてみる。「えっと、何で及川までいるんだ?」 俺の問いかけに答えたのは中居だった。「わりぃ、今日コイツと約束してんの忘れてた。お前らと会うっつったらめっちゃ怒ってな」「忘れる中居が悪いんでしょ! 私楽しみにしてたんだから!」「分かってるっての。だからこうしてお前も連れてきたんだろ」「ほら! 何も分かってないじゃん!」 恐らくデートの約束でもしていたのだろう。 それを忘れて俺達と会うとなったら、そりゃ怒る。 でも、中居が忘れた原因は俺にあるだろう。「ごめん及川! 俺がどうしてもって頼んだんだ」「なに? 佐藤がこのメンツ集めたの? ってか楓は居ないんだ」「その事なんだけど、楓には内緒にして欲しい」「なにかやましい事でもあるの?」「それは……」 俺が言葉に詰まっていると、水樹が「頼まれたっていうよりも、俺達が勝手にやってるって感じかな」「もっと意味分かんないんですけど!」 更にヒートアップする及川。 これは事情を話すしかないか。「中居、及川には俺の事話してないんだよな?」「そんな軽い話じゃねぇだろ」「それじゃあ、俺から及川に説明するよ」「いいのかよ?」 中居は俺の事や俺と楓の関係を気遣ってくれているのだろう。 だけど、ここで及川に説明しておかないと後々厄介な事になりそうなので「ああ、俺なら大丈夫だから」「そうかよ」 俺の覚悟を決めた表情をみて、中居はそれだけ言ってそっぽを向く。「ねえ、何の話してんの?」「実は……」
last updateLast Updated : 2026-09-04
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56話 暗雲

 俺達が荒井達の元まで行き、水樹が話しかける。「悪い悪い、待たせたか?」「いや、俺達も今着いた所だったから大丈夫」 と荒井が答えるが、若干視線が彷徨っている。 すかさず今度は田口が「どうしたん? そんなにキョロキョロして~」 とツッコむ。 すると今度は池田が「中居は居ないの?」 と疑問を口にする。 この質問は想定内だったので作戦通りに水樹が「あいつ及川とのデートって事すっかり忘れてたらしくてな。及川に連れて行かれたよ」「はは、そうなんだ、残念」「中居も及川には勝てないのかな」 と返事を返すが何処かホッとしている。「その代わり友也呼んどいたから問題ないだろ?」 と水樹が視線をこっちに向けながら言うと「俺等は別に構わないぜ」「ああ、今じゃ有名人だしな」 と答えると田口が「なになに~、佐藤君ってそんなに有名人なん~?」 と池田の肩を抱きながら聞く。「あの新島の彼氏だぜ? 知らない方がおかしいって」「それな! やっぱ佐藤君パないわ~」「ははは」 田口が池田を解放すると水樹が「ここで喋っててもしょうがないし行くか」「よっしゃ! 今日は遊ぶぞー!」「田口うるさい」「ごめんよ~」 水樹の提案にテンション高い田口に俺がツッコむ。 今日は俺が水樹と田口を積極的にツッコむ事でこのグループでの存在感をアピールする。 俺がグループの一員という事を分からせる為らしい。 目的地のゲームセンターまで5人連れ添って歩くが、そこでも作戦は続く。「中居も彼女持ちになるとはな~」「中居君も佐藤君と新島さんみたいにイチャイチャすんのかな~」「中居はしないだろ、及川はしたそうに見えたけどな」「おいおい、俺達ってそんなにイチャついてるか?」「何言ってんだよ友也、毎日手作り弁当食
last updateLast Updated : 2026-09-04
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57話 作戦失敗

 ゲームセンターで合流する予定だったのに中居が居なかったのは楓に遭遇したから移動したって事か。 ナイス中居!「どうする友也、俺達だけでやるか?」「それしかないだろうな、楓に見つかる訳にはいかないし」「オッケー、任せろ」 水樹はそう言って田口達に合流し「よし、次は俺な」「おっ、水樹君もやる気満々だね~」「まぁな」 そう言ってコインを入れて殴る。ズドォン! 豪快な音を立てた後結果が表示される。 田口程ではないがかなり高い数値だ。「あ~あ、やっぱ田口には敵わないか」「いやいや~、水樹君も凄いっしょ~」 水樹は謙遜しているがかなり高い数値だった。 もしかしたら細マッチョなのかな。 等と思っていたら荒井に声を掛けられた。「今度は佐藤君の見てみたいな~」 少しニヤニヤしながら言ってくる。 それに乗っかる様に池田も「最近勢いに乗ってる佐藤君ならいい数字でるんじゃない?」 と訳の分からない言い分で煽られる。 それを聞いていた水樹が「いいね、友也もやってみろよ」 と言ってきた。 それに対し俺は「初めてやるんだぞ、何かアドバイスないか?」「腰を回転させて腕を真っすぐ前に突き出す!」「それだけ!?]「とりあえずそれだけに集中してやってみろ」「わかった」 コインを入れグローブを嵌めると荒井と池田からヤジの様な応援が飛んでくる。「頑張れよ~」「佐藤君のカッコイイとこ見たいな~」 俺はそんなヤジを無視して拳を構える。 腰を回転させて真っすぐ突き出すんだったな。 言われた事を頭の中で繰り返しながらマシンに拳を叩きつける。ズドォンッ! おお! 結構いい音したな。 そして数値が表示されると、なんと水樹とほぼ変わらない数値が出た。
last updateLast Updated : 2026-09-05
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58話 決着

 俺達は楓が居る窓際の一番奥の席まで行き、一旦楓を座らせて俺達も座る。 しかしテーブルは6人掛けで片側3人ずつなので、楓・俺・中居が奥に座り、荒井・池田・水樹が手前に座った。 及川はバラしてしまったのを気にしてか、「私は立ってるから大丈夫」と言い、田口は及川の隣でテーブルを見下ろす様に立っている。 一番最初に口を開いたのは中居だった。「お前ら、どうしてこうなったか分かってるよな?」 睨みを利かせながら言うと、いきなり二人が頭を下げて「ごめんなさい、中居君。つい嫉妬しちゃって」「本当にごめんなさい」 と謝って来たが、それに対し「お前らぶざけんじゃねぇ! 謝る相手が違ぇだろ!」 ダァンッ! とテーブルを叩いて怒鳴りつける。 店員や他のお客さんが何事だ? とこちらを見てきたのを水樹が、「すみません、何でもないので気にしないでください」と言って頭を下げている。 怒鳴られた二人は慌てて俺の方に向き再び頭を下げて謝罪する。「ごめんなさい! 許してください」「本当に悪かったと思ってる」 とテーブルに頭が付くんじゃないかという程頭を下げて謝罪してくる。 俺が頭を上げる様に言おうとした矢先に、今度は楓が「いい加減にして! そんな上っ面の謝罪なんて求めてないの」 バンッ! とテーブルを叩きながら言う。 そして水樹がまた周りに謝る。 楓の言葉に二人は頭を上げて反論する。「ちゃんと反省してるよ」「そうだよ、佐藤なら分かってくれるよな? な?」 いきなり俺を指名してきた。 この中で俺が一番立場が一番弱いと思い頼めば何とかなると思ったのだろうか。 中居と楓が俺を見る。 俺は荒井と池田を見て口を開く「でもさっきゲーセンで俺の事小馬鹿にしてなかったっけ? 煽ったりもしてたよな?」 俺の言葉に二人は一瞬固まり、直ぐに反論が飛んでくる。「違うって! あれはあの場を盛り上げる為にやったんだ
last updateLast Updated : 2026-09-05
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59話 勉強会

 俺への嫌がらせの決着から数週間が経った。 あれ以来俺への嫌がらせは全く無くなった。 無くなったのだが、俺は今ある事に頭を悩ませていた。「佐藤君~、ここ分かんないんだけど~」「あぁくそっ! マジわかんねー」 田口と中居が問題を前にして弱音を吐く。 期末テストまであと一週間に迫っていた。 田口はともかく中居まで赤点ギリギリらしい。 なので勉強の出来る俺・楓・水樹・及川で勉強を教える事になった。 テスト一週間前という事で部活も無くなったので今は学校帰りにファミレスに寄っている。「もう! そうじゃないって。 それにはこの公式を使うの!」「うるせぇな、分かってるっての」「そっか~、流石水樹君だわ~」「関心してないで次の問題やれって」 中居を及川が、田口には水樹がほぼマンツーマンで教えている。 俺と楓の相手は水瀬なのだが……「いや~、ここのドリンクバーは種類が少ないね!」 と言いながらドリンクバーから戻って来る。「ちょっと南、ちゃんと勉強しなさい」 と楓に怒られるが「ごめんごめん、今から本気出すから!」 と言いながら問題集を見つめる。 しかし直ぐに「ハイ、先生! 分かりません!」 無駄に元気良く手を上げて分かりません宣言をする。 これで何回目の質問なんだと辟易しながら「何処が分からないんだ?」「全部です!」 その返事を聞いて俺と楓は同時に溜息を吐く。「取りあえず一問目からじっくりやってくしかないか」「そうだね~」「よろしくお願いします!」 こうして放課後は毎日勉強会を開いた。 後は土日を挟んで月曜日の本番を待つだけとなった。 中居達もそれなりに問題が解ける様になったので土日は各自で勉強する事になった。 最近は土日も中居達と遊ぶ事が増えたので家でゆっくり勉強とい
last updateLast Updated : 2026-09-06
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60話 約束

 散乱している問題集を片付けて目の前にカレーが置かれる。 カレーのスパイシーな香りが食欲を掻き立てる。「どう? おいしそうでしょ!」「まぁ見た目は普通のカレーだからな」「ふっふっふ、食べた後同じような口が利けるかな?」 やたらと自信満々にそう言ってのけるので、俺は遠慮なく頂く事にする。「じゃあ、いただきます」「召し上がれ♪」 スプーンですくい口に運ぶ。「っ!?」 美味い! なんだこの美味さは! 俺は次々にカレーを食べていき、あっという間に完食してしまった!「ふふふ、どうだった?」 と答えが分かり切ってる顔で聞いてくる。「滅茶苦茶美味いよ! 今まで食べたカレーの中で一番と言っていいくらいだ!」 大袈裟でもなんでもなく、素直にそう思った。「だからいったでしょ~? カレーは私の得意料理だって」「いやマジで金取れるレベルだよ」「どう? 参った?」「参りました。 正直侮ってました、ごめんなさい」「素直でよろしい。 じゃ私も食べよっと」 そう言って水瀬も食べ始めた。 俺は既に完食してしまっているので水瀬の食べている所をただ見ている事しかできなかったが「そ、そんなに見られると恥ずかしいんですけど!」「わ、悪い。 俺だけ先に食べちゃったから手持ちぶたさで」 そう言って慌てて水瀬から視線を外す。 すると「しょうがないな~、一口だけだよ~?」 そう言ってカレーの乗ったスプーンを俺の顔の前に持ってくる。「え? な、何これ?」「ほら、あ~ん」「いやいやいや、それはマズくないか?」 水瀬が使っているスプーンでそんな事したら間接キスになっちゃうじゃないか! と考えていると、俺の考えを読んだのか「もしかして間接キスになっちゃうとか思っちゃってるの~?」「わ、悪いかよ」「この位じゃ何とも思わな
last updateLast Updated : 2026-09-06
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