楓はドアの入り口で立ち尽くし、日記と俺を交互に見ている。「ご、ごめん! 見るつもりじゃなかったんだけど、写真が落ちて、それで」 と自分でも苦しいと思う言い訳を言うと、意外な反応が返ってきた。「あ~あ、見つかっちゃったか」「怒らないのか?」「怒ったりはしないけど勝手に日記見るのは感心しないな~」「ホントにごめん!」「あはは、冗談だよ~。友也君なら寧ろ読んで欲しいかな」「じゃあ、日記に書いてある事って……」「全部本当だよ」 それじゃあやっぱり楓が初恋の相手なのか! 去年の俺は何で話しかけてきた女子が楓だと気づかなかったんだ! それよりも楓になんて言えばいいのか……。 俺が黙ってしまったので怒っていると勘違いした楓が謝って来る。「ごめんね、勝手に写真撮ったりして気分悪くしちゃったよね……」 俺は慌てて否定する。「そんな風に思ったりしてないよ、その逆なんだ」「逆って?」 俺は楓の方に向き直り、頭を下げた。「ごめん! 今まで文化祭の時の女子が楓だって気づかなかった!」「ちょ、頭あげて!」 楓は俺の元まで来て肩に手を添えながら「私は全然怒ってないから気にしないで」 と言ってくれた。 だが問題はそこじゃない。「実は……」 楓に一から説明した。 「学校中探したけど結局その時の子は見つからなかったんだ」 俺の話を聞いて楓は困惑している。「自分で言うのもなんだけど、私って結構有名だったと思うからすぐ見つかると思うんだけど」「そこなんだよ。俺に話しかけてきた子は黒髪ロングで眼鏡かけてたんだ」 そこまで言うと、楓は「あっ!」と言ってスマホを操作しだした。 そして「その女の子ってこの子じゃない?」
Last Updated : 2026-09-12 Read more