All Chapters of 自己顕示欲が強い妹にプロデュースされる事になりました: Chapter 71 - Chapter 80

82 Chapters

71話 初恋相手

 楓はドアの入り口で立ち尽くし、日記と俺を交互に見ている。「ご、ごめん! 見るつもりじゃなかったんだけど、写真が落ちて、それで」 と自分でも苦しいと思う言い訳を言うと、意外な反応が返ってきた。「あ~あ、見つかっちゃったか」「怒らないのか?」「怒ったりはしないけど勝手に日記見るのは感心しないな~」「ホントにごめん!」「あはは、冗談だよ~。友也君なら寧ろ読んで欲しいかな」「じゃあ、日記に書いてある事って……」「全部本当だよ」 それじゃあやっぱり楓が初恋の相手なのか! 去年の俺は何で話しかけてきた女子が楓だと気づかなかったんだ! それよりも楓になんて言えばいいのか……。 俺が黙ってしまったので怒っていると勘違いした楓が謝って来る。「ごめんね、勝手に写真撮ったりして気分悪くしちゃったよね……」 俺は慌てて否定する。「そんな風に思ったりしてないよ、その逆なんだ」「逆って?」 俺は楓の方に向き直り、頭を下げた。「ごめん! 今まで文化祭の時の女子が楓だって気づかなかった!」「ちょ、頭あげて!」 楓は俺の元まで来て肩に手を添えながら「私は全然怒ってないから気にしないで」 と言ってくれた。 だが問題はそこじゃない。「実は……」 楓に一から説明した。 「学校中探したけど結局その時の子は見つからなかったんだ」 俺の話を聞いて楓は困惑している。「自分で言うのもなんだけど、私って結構有名だったと思うからすぐ見つかると思うんだけど」「そこなんだよ。俺に話しかけてきた子は黒髪ロングで眼鏡かけてたんだ」 そこまで言うと、楓は「あっ!」と言ってスマホを操作しだした。 そして「その女の子ってこの子じゃない?」
last updateLast Updated : 2026-09-12
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72話 キャンプ

 夏休み前に決めた通りに、楓とミナミは交互にアピールしてきた。 二人とも色々とやっていたが、共通している事が二つあった。 一つはデート等外出はせずに家に呼ぶ事。 もう一つは毎回手料理を作ってくれた事だ。 そんな日々も昨日で終わり、明日からはキャンプが始まる。 一泊二日なので明日の夜には楓かミナミ、どちらと付き合うか決めなければならない。 最初はどんなにミナミがアプローチしてきても楓を選ぶと決めていた。 しかし、ミナミと正面から向き合う事で、俺はミナミにも魅かれていった。 俺はどちらを選ぶべきなのか迷っていた。 ターミナル駅に着くと、いつも通り楓が一番に来ていた。「さすがだな。俺も結構早めに家出たんだけどなぁ」「ふふ、早く着けば友也君と二人きりになれると思って早く来ちゃった」 夏に相応しい向日葵の様な笑顔を見せる。 俺もつられて笑顔になり、他のメンバーが来るまで談笑した。 15分程経って段々とメンバーが集まって来た。 そして驚く事に、遅刻常習犯の及川が5分前に到着した。 「お前が遅刻しないなんて珍しいな。このキャンプ、嫌な予感がするな」 と水樹が揶揄うと「変な事言わないでよ! 私だってちゃんと成長してるんだから!」 というやり取りをしている内に、最後だった中居が到着し全員が揃った。 さっきから旅行記念と言って写真を撮りまくっていた田口が集合写真を提案してきたが、流石にターミナル駅内では恥ずかしいという理由で田口以外の全員から拒否された。 電車に揺られる事約2時間、そこからバスで更に20分掛けて目的のキャンプ場に着いた。「うおーー! 大自然だーー!」 と田口が叫ぶ。 それにつられてミナミも「大自然バンザーーイ!」 と叫ぶ。 相変わらずこの二人はテンションが高い。 そんな二人に水樹が「恥ずかしいからやめろ。先にチェックイン済ませるぞ」
last updateLast Updated : 2026-09-12
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73話 午前0時

 俺が機能不全で楓にフラれたんじゃないかと疑われたので反論する。「別に機能不全とかじゃないから! ちゃんと役にたつよ!」 と言うと、今度は「という事は使ったのか?」 と水樹が聞いてくる。 それに合わせ田口が「俺も早く経験してー!」 と叫ぶが無視。 「いや、実際に使った訳じゃなくて、キチンと機能するって言いたかったんだよ」 この俺の言葉に反応したのが中居だった。「おいおい、あんだけイチャイチャしてて何もしなかったのかよ」「いや、そういう雰囲気には何度かなったけど俺がヘタレちゃって……」 と俺の言葉を聞いて「そりゃお前が悪い。フラれてもしょうがねぇな」 と中居は吐き捨てる様に言った。 別れた本当の理由は言えないので何も言い返せず黙り込むと「まぁまぁ、友也だって初めての恋人でどうしたらいいかわからなかったんだろ」 と水樹がフォローしてくれた。 それどころか中居にもちょっかいを出し始めた。「そんな和樹は及川とはどうなんだ?」 話題が俺から中居に移る。 中居は面倒くさそうに「普通だよ普通」 と答えるだけだった。 だが水樹は手を緩める事なく中居をイジる。「普通ってなんだよ、中居も5月から付き合ってるんだしもうやる事はやったのか?」 とかなり攻めた質問に対し中居は「なんつーか、アイツの事はそんな簡単に済ませられないっつーか……」「なら友也と一緒だな。友也も相手の事を思って手を出さなかったんだろうし」 とここでも俺をフォローしてくれる。 さすがグループの影の支配者! って俺が思ってるだけだけど。 水樹の言葉を受けて中居は「チッ! さっきは悪かったな」 と分が悪そうに謝って来た。 中居らしい謝罪に
last updateLast Updated : 2026-09-13
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74話 決着?

 俺は今、川の桟橋に向かって走っている。 急がないと楓が帰ってしまう。 自販機から桟橋まではそれほど離れていないが、時間ギリギリだ。  漸く桟橋が見えて、楓の姿も確認出来る。 楓も俺に気づき手を振ろうとして、その手は中空で止まった。 そして視線は俺から外れる。 視線は俺の横を走る水瀬南に向けられていた。 桟橋の中央に楓が佇んでいた。 その表情には悲しみと困惑が混じっている。 俺は敢えて楓の近くには行かず、数メートル手前で立ち止まる。 しかしミナミは楓の隣まで行き、楓と並んで俺を見つめている。 最初に声を挙げたのはミナミだった。「約束通り此処まで来たんだからちゃんと聞かせてね」 その言葉を聞いた楓が驚いている。「え? 南が選ばれたんじゃないの?」「最初は私もそう思ったんだけど、トモがどうしても二人同時に聞いて欲しいみたい」 そう。俺は最初に自販機に行ってミナミと会ったが、答えはまだ伝えていない。 俺の出した答えはどうしても二人同時に聞いて欲しかった。 なので、ミナミに無理を言って此処まで付き合って貰ったのだ。「友也君、どういう事?」 と楓が聞いてくる。 俺は姿勢を正し、二人を正面に捉えて言う。「俺が出した決断をどうしても二人同時に聞いて欲しかった」 戸惑う二人を余所に、俺は深く深呼吸をし、二人を見据えて言葉を続ける。「俺は春からリア充を目指して頑張って来た。そして学校一のアイドルの楓と付き合う事が出来た。それどころか南にまで好意を抱かれる様になった。夏休み前から始まったアピール対決も凄く楽しかった」 二人は俺の言葉を神妙な面持ちで聞いている。「俺は楓の事が大好きだ!」 楓は涙を流している。 南は俯いて震えているのがここからでも分かる。 だが、俺が伝えたい事はまだ終わっていない。「でも、南の事も楓と同じ位大好きになってた
last updateLast Updated : 2026-09-13
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75話 ケジメ

 昨日の夜、俺達三人はグループの皆には正直に話そうという事を決めた。 男女のコテージの中間地点で集合になっていたのでその時に話すつもりだ。「いや~楽しかったわ~」 と田口が感想を述べている。 そんな田口に俺達は「お前、イビキうるせぇよ」「あと寝相も悪いしな」「お蔭で寝不足だよ」 と、口々に文句を言う。 まぁ、俺の寝不足はイビキだけが原因ではないが。「荷物は持ったかー? 忘れんなよー」 と水樹が確認を取り「うし、んなら行くか」 という中居の言葉でコテージを後にする。 集合場所には既に女子達が集まっていた。 男組も合流し、受付に向かおうとした時に、俺は「待った」を掛けた。「どうしたんだ友也? 忘れ物か?」「まったくー、早く取って来ちゃいなよ」 と水樹と及川に言われるが「そうじゃないんだ。実は皆に話しておきたい事がある」 俺が畏まって言うので、中居は勘違いしたらしく「まさか荒井達が何かしてきたのか?」 と聞いてくる。 本当に仲間想いな奴だ。「いや、今回はそういったトラブルじゃないんだ」 そう言って、俺は楓と南をこちらに呼んだ。 「前に楓とは別れたっていうのは話したよな?」 と問いかけると「実は別れて無かったとかか? 別れた宣言した後の方がイチャイチャしてたしな」 と水樹が言う。「いや、本当に別れたんだ。俺の楓に対する気持ちが明確じゃ無かったから。だから楓は一旦別れて俺にアプローチを掛けてもっと好きになって貰えるようにって事でイチャイチャしてた様に見えたのかもしれない。」「友也は楓の事は好きじゃ無かったって事か?」「好きだったよ。でもその時の俺の気持ちじゃ納得出来ないって言われた」「簡単に纏めると、楓はもっと好きになって欲しいから別れたって事か?」「ああ、その解
last updateLast Updated : 2026-09-14
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76話 面接

 キャンプから帰ると、早速柚希から〈ちゃんと話を聞かせてね〉 というLINEが送られてきた。 夜11時、いつもの様に柚希の部屋を訪れる。 部屋に入り、適当に座った所で柚希が「新島先輩と水瀬先輩どっちを選んだの?」 と、いきなり本題に切り込んできた。「いきなりだな、キャンプは楽しかった? とか聞かないのか?」「そんなの全然興味ないもん! ほら! どっち選んだの?」 あくまで俺の恋愛にしか興味ないようだ。 俺は出来るだけ正確に話した。 その時の俺の心情や、楓と水瀬のスタンスについても分かりやすく伝える。  俺の話を聞いた柚希は「恋愛に関してはヘタレは直ってないんだね。やってること最低だよ? 普通ならドン引き」 と直球で言われてしまった。 でも、こればっかりは反論できない。 楓と南が寛容だから許された選択だしな。「でも、そのおかげか二人もキープが出来たのはよかったかな」 と、二人をキープ扱いしたので反論する。「俺はキープなんて思ってないし、どっちも本気で好きなんだよ!」 柚希は「はぁ」とため息を吐いた後「お兄ちゃん、世間一般で今の状態はキープしてるって思われて当然だからね?」「え? でも、本気で好きだし」「でもどちらとも付き合わないんでしょ? それで二人はお兄ちゃんの事が好き。立派なキープだよ」 なんてことだ。前に柚希がキープ作れと言って猛反対したのに自分からキープを作っていたとは。 俺はなんて最低なんだ! でも、今すぐ二人には決められないし、どうすればいいんだろう。 と悩んでいると、柚希からとんでもない言葉が飛び出した。「いっそのことハーレム作っちゃおうよ! お兄ちゃんの事好きな女の子でいっぱいにしよう!」「何を言ってんだ? 漫画やアニメじゃあるまいしそんな事出来る訳ないだろ」「でも現に今二人いるじゃん。この調子でもっと増やそう
last updateLast Updated : 2026-09-14
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77話 初めての合コン

 ターミナル駅に着いて、集合場所まで行くと水樹と田口が待っていた。 「来た来た、悪いな」 と謝って来る水樹に対して「俺は楓と南が好きだって言ったよな?」 と言うと「でも付き合ってる訳じゃないだろ? 居るだけでいいからさ、頼む!」「そりゃそうだけど……分かったよ、居るだけでいいんだな」「マジ助かる! 今度お礼するわ」 今まで水樹には助けられてきたし、こんなに必死に頼む水樹は見た事ないからな。 少しでも恩を返せたらいいんだけど。 「それよりも今日来る女の子って可愛いん?」 と田口が水樹に食い気味に質問する。「ああ、可愛いんじゃないか? 幹事の子しか知らないけどその子の周りはレベル高いからな」「よっしゃー! 誰かといい感じになって今年の夏はエンジョイするっしょー!」 相変わらずの田口だが、俺は水樹が気になった。「水樹も出会い求めてるのか?」「いや、特に。今日も幹事の子に無理やり男集めろって言われてさ」「幹事の子は狙ったりはしないのか? 可愛いんだろ?」「いやー、アイツは絶対に無いな」 水樹がここまでハッキリ無いなんて言うとは。 過去に何かあったのだろうか。 そんな事を考えていると、ウチの学校の制服ではない女子3人組が近づいてきて「やっほー孝弘、今日はありがとねー」 と声を掛けてきた。 どうやらこの子達が今日の相手らしい。「お前はいつも急過ぎんだよ。しかもイケメン用意しろとか無茶振りもいいとこだ」 水樹と女子のリーダーっぽい子が話している。 恐らくあの子がさっき言っていた幹事の子なのだろう。 髪は肩程で茶色、目はパッチリしていて大きい。 身長もそこそこ高く、スラッとした足がスカートから伸びる。 所謂モデル体型という奴だ。「でも~、ちゃんとイケメンいるじゃん」 と言いなが
last updateLast Updated : 2026-09-15
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78話 初出勤

 初めて合コンに行った事を柚希に伝えると、何故か凄い喜んだ。「これからもドンドン行こう! お兄ちゃんはもっと女に慣れないとダメだからね」 と言っていたが、正直合コンはもう行きたくない。 あのノリには着いていけない。 でも、沙月とアニメの話をしたのは楽しかったな。 テンション上がってLINE交換しちゃったけど、きっと向こうもノリで交換したに違いない。 合コンの最後に他の二人とも交換したけど、それが合コンのルール的な物なのかも。 社交辞令みたいな物だな。 今日はアルバイト初日だ。 30分前には来てくれと言われていたので、余裕を持って40分前に到着する。 昨日教えて貰った従業員専用出入り口から入り、事務所のドアをノックして中に入る。「友也君じゃないか、早いな」 と店長の間嶋真弓さんが言う。 店長の事は真弓と呼んでくれと言われてたっけ。「いつも10分前行動なんですよ」「そうか、若いのに偉いじゃないか。とりあえず座って待っててくれ」 と言って店長は事務所から出て行ってしまった。 言われた通り適当な席に座る。 事務所の中を見てみると、壁には色々な書類やホワイトボードがある。 キョロキョロと事務所を観察していると、店長が戻ってきた。「これが制服だ。更衣室はそこにあるから取りあえず着替えてくれ」 と言われ、更衣室で制服に着替えようとしたが、どのロッカーを使っていいか分からない。 事務所に戻り聞いてみる。「すみません店長、ロッカーはどれを使えばいいですか?」「名札を付けるのを忘れていた。空いてるロッカーを使ってくれ」「分かりました」 と言って更衣室に戻ろうとすると呼び止められ「私の事は名前で呼ぶように」 とだけ言われた。 店長と呼ばれるのがキライなのだろうか。 着替えを済ませ事務所に戻ると「似合ってるじゃないか」
last updateLast Updated : 2026-09-15
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79話 桐谷沙月の事情

 バイト初日の夜の会議。 偶然合コンで知り合った沙月と再開した事を伝える。「それはもう運命だね! ちゃんと仲良くしてその子を落としてね」「仲良くはするけど、落とすとかそんな事はしないから」「ホントかな~?」「大体、落とせる様なテクニックなんてないからな」 その後も沙月をハーレムに入れるだとか言われたが断固拒否した。 バイトを初めて一週間が過ぎた。 仕事の方は段々と慣れてきて、自分である程度動ける様になってきた。 そしてこの一週間で沙月の事も分かった。 職場の先輩から聞いた話によると沙月は結構な面食いで、男をとっかえひっかえしているらしい。 噂を鵜呑みにする事は出来ないし、そんな素振りも見られない。 俺が楓と付き合った時みたいに嫉妬や妬みで流れた噂かもしれないしな。 そしてバイト中は何かにつけて「ここでは私の方が先輩ですから!」 と言ってくる。<i660661|21416> 沙月は俺が入るまで一番の新人だったらしいので、俺が入って先輩面したいのだろう。 特にそれで困っている訳ではないので今では軽く流している。「おはようございます」 と言いながら事務所に入り、制服に着替える。 椅子に座り勤務開始まで目を瞑りリラックスするのが俺のお決まりになっていた。 目を瞑ったタイミングで女子更衣室のドアが開く。 どうやら俺が更衣室で着替えている間に出勤したようだ。 シフト表だと沙月が一緒に出勤になっている。「あ! おはようございます~」「おはよう、今日は早いね」「まあ、そんな気分だったので」 気分で出勤時間を変えちゃいかん。 俺みたいにいつでも早めに出勤しないと。 なんて事を考えていると「友也さんにとって私ってなんですか?」「バイトの先輩」「その通り! なので今日はお願いがあるんです」「
last updateLast Updated : 2026-09-16
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80話 ハプニング

 いつもの会議で今日の出来事を柚希に報告する。「へ~、その女の人にどんな印象を持った?」「細かい所は違うけど、去年までの俺を見ているようだった」 沙月の姉と言われた女の人の印象は昔の俺だった。 人と接点を持たず、一人の世界に没入する。 沙月の様なキャラからしたら苦手と思っても仕方ない。「そうだね。私も聞いた限りだとそんな印象かな~」 柚希は俺を利用して悲劇のヒロインを演じていた。 だけど普通の兄妹はそんな事はしない。  沙月達姉妹は普通の姉妹だ。 このまま沙月に嫌われ続けるお姉さんは見たくないな。「なぁ、どうすればいいと思う?」 柚希の計画とはいえ、俺は柚希のお蔭で今の俺が居る。 だから柚希なら何か良い案があるんじゃないかと思い質問したが「別にどうもしなくていいんじゃない?」 と言われた。「それはあの姉妹を見捨てろって事か?」「っていうか、他人だよ? お兄ちゃんはどうして助けたいの?」「柚希も言った通り、俺に似てるからだ!」「なら分かるんじゃない? 他人からあれこれ言われるのは嫌なはずだよ。昔のお兄ちゃんみたいにね」「それは……」 柚希の一言で言い返せなくなる。 図星だったからだ。 昔の俺は他人から色々言われるのが嫌だったから一人でいた。「分かったでしょ? 今は私達に出来る事はないよ」 その言葉で締めくくり、会議は終了となった。 沙月姉妹の事は気になるが、今日は楓とデートの約束をしてある。 なるべく考えない様にしてターミナル駅で楓を待っていると「だ~れだ?」 突然後ろから目を塞がれた。 背中に柔らかい感触を感じながら答える。「楓だ!」「せ~か~い♪」 と言って手を離し、正面に移動する。 キャンプ以来会っていなかったので久しぶりに楓の笑顔を見る
last updateLast Updated : 2026-09-16
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