All Chapters of 僕のお母さんは△▽女優: Chapter 101 - Chapter 110

310 Chapters

うちのメイド長はヘビースモーカー 11話

チュンチュン…小鳥のさえずりで私は目覚ましがなる前に覚醒する。今日はいつもより早い目覚めだ。私は5時辺りに起きるのだが、今は4時とのことだった。何をしようか。二度寝するには、むしろ睡眠が足りないような気もする。さて、どうしたものか。いつもより早い目覚めで私は今後のことを散歩しながら考えてみた。朝の都会は不気味なまでに静かだった。まるで、都会なのにもう1つ平行世界があってそこに人がいないかのような……そんな不気味さがある。朝のタバコはうまい。朝から路上喫煙をしても、誰も注意しないし、すっぴんで歩けると言う気軽さも感じた。自分の心に気分はどうかと問いかける。どうやら、私は適度に孤独がないと死んでしまうそうで、少しさやかと一緒にいて疲れてるみたいだ。ある意味孤独が私を成しているのかもしれない。でも、一人でいることに苦痛さえ感じている。私の心は最近そういった矛盾を反復横跳びしている。すると、私の目の前におじいさんと犬がいた。犬は、柴犬の女の子ではっはと私に純粋な目で近寄ってきた。「すまないね、ハナは人が好きなんだ。」おじいさんが私に会釈をする。なんて紳士的なのだろう。そして、10数年ぶりに外で人にすっぴんを見せてしまったことによる恥じらいを感じてしまう。「いえ、大丈夫です。とても人懐っこい子ですね。」表情を見る。目が大きくて、それでいて体型を維持していて…幸せそうで美人なワンちゃんだ。「すこし、撫でてもいいですか?」「構わんよ。」私は、タバコの火を消して犬を撫でる。すると、嬉しそうに舌を出して微笑んでいるようだった。「幸せそうな子ですね。」ふと、そう感じてしまった。犬なんて吠えるだけの生き物かと思ったがこの子はきっと愛されたのだろう。立ち姿も上品で人馴れしている。しかし、私は褒めているのにおじいさんは悲しそうな顔をしていた。「ハナはな…もうすぐ死ぬんだ。」「え?」突然、おじいさんがそんな事を言い出した。でも、それを悲しんだ末なのか、見守るように笑っていた。「この子…右下の頬が少し腫れているだろう?皮膚ガンだ。余命は1ヶ月ないらしい。」「そう…なんです…ね。」この犬は…笑っている。幸せそうに笑っている。でも、もうすぐ死ぬらしい。嘘みたいな話である。「この子は…幸せだったのだろうか。私は無
last updateLast Updated : 2026-08-13
Read more

うちのメイド長はヘビースモーカー 12話

チリリーン!「ご主人様のおかえりです!」「「お帰りなさいませ!ご主人様!」」今日もたくさんのご主人様(お客様)が来店される。精一杯の仕事をしよう。そして、ご主人様たちに喜んでもらおう。そんな、わたしの「メイド人間」としての一日が始まる。既に長蛇の列が並んでいた。「ことねさん!今日もお願いします!」「舞衣ちゃん、今日も期待してるわよ。頑張って。」仕事中は友人の私たちも上司と部下だ。会話は驚くほどドライになる。しかし、それもまた仕事に集中していることを指していて心地が良かった。とにかく、毎日小さく努力してみよう。それだけだった。そんな時、私はある声に耳を傾けてしまった。「ええー!ゆきちゃん、埼玉の子なんだ!」「そーなんですー!」「え、今度飲みとかどう?俺奢るよー。てか、その後カラオケでも行こーぜ!」「えー、最高!」「じゃあ、これLINEのIDね!」「ありがとうございます!今度の水曜とか空いてるんでぜひ。」……明らかにメイド喫茶というより、合コンのような会話である。そして、ホスト風の客からメモを貰った新人メイドのゆきちゃんはポケットに差し込んでいた。これは、明らかな規則違反である。そこそこ名前のあるメイド喫茶なのでイメージダウンにも繋がる行為だ。そういった指導は……ウケているのだろうか?「ゆきちゃん、ちょっといい?」「はい?」私は人目のつかない所で静かに指導をする様にしている。それは、基本的に仕事スタイルには寛容だが、メイドさんのプライドを傷つけないなどの工夫があった。「あの…さっきの会話を聞いてしまったんだけど、お客さんと個人的に会ってたりしてないよね?他のお客さんも少しひいてたわ。」「えー、ダメなんですか?カッコよかったじゃないですか。」「ダメよ、規則でも決まってる。最初のオリエンテーションで話す内容だったんだけど…分かりずらかったかな?」時折、理解が浅い子がいたりする。きっと指導不足なのだから我々の責任だ、分かっていないのなら教えるべきなのかもしれない。「あ、ダルいです。聞いてたけど半分寝てました。」「え?」「てか、ゆきさん今日は全然チェキ(写真撮影オプション)獲得できてないですよね。もしかして、若くてあなたより人気のある私に嫉妬してるんですか?」「いえ、そういうことじゃないの。そういう
last updateLast Updated : 2026-08-13
Read more

うちのメイド長はヘビースモーカー 13話

ある日のメイド喫茶の一日。私はお遊戯会(ダンス発表)が私中心に流れた。何度うたった曲、何百回踊ったか分からないダンス。完全に体の中の一部として動き出していて、無意識にテーブルを確認する。ことねのイメージカラーは、落ち着きのあるブルー。私のファンは私が踊る時に必ず青いペンライトを持っていく。この時は、ここにいる全員が青を掲げていた。踊りに激しさが増し、血脈が更に強さを増す。フィニッシュの時に、私を中心にポーズが象られ歓喜の声が響き渡った。「ことねちゃーん!君だけが推しだー!」「お前が1番!お前が1番!」ああ……こうして見ると私の普段の頑張りは無駄では無いと安堵してしまう。しかし、私には大切な発表がもうひとつあった。「みんなー!今日はお遊戯会に参加してくれてありがとうー!」すると、ぱちぱちと拍手が拡がる。今日も私は完璧だった。完璧にメイド喫茶のメイドを演じていた。私は……言わねばならない。ポーカーフェイスの中に大きく心臓が握られるような感覚があり、胃酸が逆流しそうだった。「突然ですが、大切なお知らせがあります。」ザワザワ……私は、盛り上がりがすごいのでちゃんと通るように少し無言になる……周りの焦燥から傾聴に変わるタイミングがある。1...2...3...4...5...ここだ!すこし、ざわつきが収まるタイミングで声を振り絞った。「私、メイド長ことねは……今月いっぱいで、メイドを卒業します!!」「「「えええええええーーーーー!?」」」辺りが驚愕の一色だった。さっきまで私のダンスに喜んでいた人達が絶望に近い表情だった。「なんでだよーーー!」「やめないでー!!ことねー!」私の辞めるのをショックで騒ぐ人、ポカンとする人、恐らくXを打ってる人がいる。私は、本当は辞めるべきではないのかもしれない。ここは本当に居心地がいい。しかし、その居心地に依存して私は変わるのを怠っていた。決断とは、決めるのも大事だけど断るという気持ちも大事だ。「10年……お勤めさせて頂きました。このような場に来てくれるご主人様、お嬢様が大好きでした。可愛い料理も好きだったし、何よりこの空間がすきでした。私の力だけではありません、皆さんが居たからこその結果です。」まだ、その発言の時もざわつきがある。一度、スピーチを止める。こういった発
last updateLast Updated : 2026-08-13
Read more

うちのメイド長はヘビースモーカー 14話

私がメイドを辞めるまでは、そう長く感じることはなかった。辞めるまでの記憶はほとんどない、とにかく忙しかったことだけが体が覚えてくれた。嬉しいこともあった。有給を取って会いに来てくれた人もいた。だけど——それでも、私はその場所を終わらせた。わたしは、結局のところ愛されていた。そんな……夢のような日々が終わった、終わらせてしまった。チュンチュン……朝は、不思議と小鳥のさえずりと朝日の陽光が目に入りパッと目を覚ましてしまう。今の私は……何者でもない人間だ。フォロワー1万人の人気メイド、ことねはものの数週間でこんなに人生が変わってしまうのかと驚いてしまう。まるで、さっきまでディズニーランドで夢のような体験をしてきたのに、数分歩くと見慣れた都会の喧騒に戻る絶望感に近いものを感じる。ちなみに私はメイド喫茶を辞めたあとは酷く体調を崩した。きっと、身体のエネルギーが行先を見失ったのと……大丈夫に見えて無理をしていたのかもしれない。クーラーなんて大層なものは無いので扇風機で誤魔化すのだが……どうにも苦しい。わたしはスマホを見る気力さえも失われていた。舞衣ちゃん、そしてさやかからはLINEの通知は来ているのだが、2日以上返していない。それだけ、私の心は疲弊して誰にも頼れないと言う状況になっていた。このまま誰にも気づかれず、消えていくんだろうか。すると、ピンポーンというインターホンの音が聞こえた。わたしはここ数日で気がついた。働いてる間はセールスとかの勧誘が家に来ていたことに。ちょっと出るのが怖くさえ感じる。わたしは、恐る恐る耳を立てた。「ことねさーん!舞衣です!」どうやら、違ったみたいだ。メイド喫茶のメイドで今でも連絡をとったり会ったりするのは舞衣ちゃんだけだった。「……こんにちは。」「ちょ!?ことねさん!まだパジャマじゃないですか!それに……顔色悪い?」「メイド喫茶を辞めてから、体調が優れないの。」「無理してたのかもしれないですね。スーパーで何か買ってきますよ。」「あ……あの……!」「はい?」「タバコ……セブンスター。」「それは未成年なので無理です。風邪薬買ってきますね!」体調悪いせいでタバコを買う元気はなかったのだが、頼る人がいると吸いたくなるもの。そして、体調を崩した私は未成年にタバコの購入をお願いしようとして
last updateLast Updated : 2026-08-13
Read more

うちのメイド長はヘビースモーカー15話

私がメイドをやめて2週間が経ちそうだった。今日は、レンタルキッチンを使って私のお店が出されることになる。私は、メイド喫茶としてメニューをある程度簡易的なまでにオペレーション化した。SNSも「神宮寺ことね」というアカウントを作り、オープンを告知まではした。フォロワーは徐々に伸びて、3日で100人になったが……やはり広告としては弱いものになって言った。そんな準備が弱い中、当日を迎えることになった。朝、夏の暑さがこの時間だけ引いていて、小鳥のさえずりとともに程よい涼しさを感じる。ピンポーン……インターホンが鳴り響いた。誰が鳴らしたかは事前にわかっていた。「ことねさーん!おはようございます!」「(ガチャ)……おはよう。」私はうねる様な低い声で挨拶をする。「こ……ことねさん……!?体調不良ですか?」「なんか……ずっとドキドキしてて……寝れなかった。」「いや、遠足前の小学生ですか。」そうか、これがその楽しみという概念なのか。親に虐待され続けたから希望を抱くって概念がなかったので楽しみによる緊張も初めての経験だった。「でも……やる気は……ある……。」「説得力無いですよ~!ほら、顔洗ってください!」わたしは身体の気だるさを振り絞り、水シャワーを浴びて全身に気合を入れる。以前、舞衣ちゃんと水風呂に入ってからは実は習慣化していたりした。20分後に本来の私に戻る。メイクも準備してある、見慣れた「メイド人間」の私だった。「ごめん、かなり待たせたわ」「大丈夫です!調子も戻ってきたみたいですし……今日は頑張りましょ!」私たちは都内の某キッチンを借りることになったので、身支度を済ませてその場所へ向かうことにした。☆☆夏の炎天下がピークを迎える前に電車に揺られながら私たちはそのキッチンにたどり着くことになった。厨房とバーカウンターがある、綺麗なお店だった。「ここ……?」「はい!どうやら……今日は定休日みたいで定期的にこうやってレンタルサービスやってるみたいですよ。」「面白いわね、農業の二毛作みたいだわ。米が育たない冬に麦を植える感じ……。」「あはは!ことねさん……相変わらず面白いこと言いますね!」そんな雑談をしていると、一人白衣の男が中からでてきた。「こんにちは……予約していた佐倉さん?」「は、はい!佐倉です!」「オーナー
last updateLast Updated : 2026-08-13
Read more

うちのメイド長はヘビースモーカー16話

……オープンまであと5分を切っていた。私は舞衣ちゃんに背中を押され、緊張よりも絶対成功させたいという気持ちが強くなってきた。大丈夫、きっと上手くいく。上手くいかなくても、私は1歩を踏んだんだ。それだけでも100点、お客さんが来たら200点、喜んで貰えたら300点だ。そのスタンスにしよう。3....2.....1....。ピピッ!私の不定期のお店はスタートをした。店の前には誰もいない。「……お客さんいないわね。」「仕方ないですよ!告知も以前に比べたら少ないですし。」「そうね、始まったばかりだもの。気長に行きましょう。」「はい!」世の中は広告料というものに多大なお金をかけている。それをするだけでお客さんに知ってもらえるかが大きく左右されてしまう。あの大きなメイド喫茶も莫大な広告でお客さんを回収し、リピーターを作っていった。私の力の小ささを思い知るのだが、まあ予測の範囲だった。「ひとまず、掃除からはじめま______」「すみません!2人……行けますか?」突然、男性の声が聞こえた。「あ……。」振り向くと、小説家の笛吹さやかと同居人の高校生……飯田蓮くんが店の前に立っていた。「蓮くん!久しぶりじゃない!どうしたの?」「昨日、舞衣からお店スタートするからってきいて来ちゃいましたよ!」とても嬉しい。最初の客が知り合いというのもどこか温かみを感じる。「じゃあ、案内するわね。」「ええ!」「酒~!とりあえずウォッカとウイスキーを持ってこーい!」「笛吹さんはちょ~っと黙っててください!!」チリリン。「ご主人様の……ご帰宅です!」「おかえりなさいませ!ご主人様!」そう……この感覚だ。ここ数日失われてた感覚が蘇り、私に勇気と気力を与えてくれている。「蓮くん。今日は来てくれてありがとうね。これ……メニューよ。」「え、なんか……メイド喫茶なのに料理が本格的にパスタとかピザもあって……クオリティ高いっすね!?」「ワインなんかもある!トスカーナ?ってやつの白ワイン欲しい!」結局、私たちのメニューもあるのだけれど尾崎さんが店のメニューも使っていいと言ってくれたのだ。「じゃあ……オムライスとボンゴレ・ビアンコ、ピザはクアトロフォルマッジあたりでお願いします。」「あと、白ワインも!」「承知しました!お作りしますのでお待ちく
last updateLast Updated : 2026-08-13
Read more

うちのメイド長はヘビースモーカー 17話

時刻は既に20時を超えていて、夜が更ける。蝉だけじゃなくて、鈴虫のような虫の声が聞こえてきて、ほんのりと涼しい夜風が仕事で温まった私たちの体をゆっくりと冷ましていった。まるで、少しづつ夏の終わりを示唆するかのように。「いや〜本当に楽しかったですね!」「そうね、最高の日だった。」正直、挑戦するのは怖かったし、朝なんかは眠気が強すぎて最高のスタートダッシュを切れたかと言うと嘘になる。それなのに、頑張って自分がやると決めたことを小さくやり切ったことに対する満足感は他のものに変え難い喜びがあった。まるで他の人に従うのではなく、自分で歩んだ先に道ができたかのように。「ことねさんの夢が少しずつ叶って良かったです!これからも沢山頼ってくださいね!」その言葉に少し固まってしまう。私は、与えられてばかりである。相談に乗って貰ったり、ご飯誘ってくれたり、サウナに一緒に行ったり、お店の計画を立ててくれたりと、事実を並べるだけでも沢山のことをしてくれた。彼女と接し始めたのは夏のはじまりだった。そんな夏も、もう少しで終わろうとしている。それなのに、私は彼女に与えられたものがあったのかと自問自答するが、何も思い浮かばない。「ねえ、舞衣ちゃんは……夢はあるの?」ふと、そう聞いてしまった。彼女はまだ17歳、これからたくさんのものに触れてくるかけがえのない大切な年頃とである。もし、夢があるのならこちらも助けてあげたい。舞衣ちゃんは少し考えると楽しそうに夢を語ってくれた。「私の夢は、辛い人を支えて行けるような看護師になる事です!」「看護師!想定外だったからびっくりしたわ。でもどうして?」「私が、沢山の嫌なことに打ちのめされてる時にある看護師さんに支えられてくれたんです。死にたくなっても背中を押してくれて、だからこそ私も看護師になってそんな人になりたいなって思ったんです!」……なんたる与える精神。まるで患者を愛するナイチンゲールが現世にいるようだった。彼女は生まれとってのGiver、人に尽くすことに喜びを感じる子だったのだ。全く、歳下とは思えないほどの成熟した精神に脱帽せざるを得なかった。「私に負けない、最高の夢ね。」「はい!あ、でもことねさんも私にたくさんのものをくれましたよ。」その言葉に私は混乱してしまう。そんなこと、ひとつも無いとおもっ
last updateLast Updated : 2026-08-13
Read more

俺と母ちゃんの富士五湖修行 1話

ミーンミンミンミンミン……朝、俺は鳥の声で目が覚めるのだが最近は蝉の声のほうが脳に響く。蝉というのはどういう構造であんなにうるさいのだろうと疑問さえ抱いてしまうほどだ。俺は天野直輝、AV女優の母親を持つごく一般的な高校生だ。夢はまだない。でも、母ちゃんと向き合ってからは大学に行くために勉強をしていた。それからは少しずつ友達が増えてきて、沢山繋がりが増えてきた。人生って、ある瞬間から突然景色が変わるものだと思う。暗いトンネルをたまたま走ってただけで、抜けると山から海に変わるように進んでいたんだと実感される。俺は、まだ夏休みの真っ最中。宿題もみんなとの協力もあって夏休み半ばなのにほとんど終わってしまった。さて、今日は何しようかとぼんやりと朝の7時にリビングに進む。「おはよう〜母ちゃん。」「あ!直輝、おはよ!」この人は天野遥香。例の元AV女優の母ちゃんだ。その甲斐あってか今は一生働かなくてもそこそこの金があるので主婦業に専念している。努力家で、優しい最高の母ちゃんだ。「はい!朝ごはんね!」母ちゃんは、朝からコーヒーを沸かしてハムとチーズの乗ったトーストとココアをかけたトーストを作って、ベーコンエッグとサラダのプレートも作ってくれた。質素だけど、ちゃんと美味しく栄養のある食事だ。我が家には贅沢という概念がない。でも、幸せだった。「うん!美味しい!」「えへへ……ありがとう直輝。」朝のこうして何気ない時間さえも、最近は幸せに感じる。しかし、俺はひとつの事に違和感を感じる。テーブルに一枚の紙がある。そこには「ファイナンシャル・プランナー、合格」と書いてあった。そういえば、母ちゃんは資格勉強も趣味にしていた。もう働く必要があるのか疑問だけど、頑張るのが好きみたい。「母ちゃん、資格取れたの?」「うん、何とか取れた!直輝も頑張ってるし、私もなにか頑張ろうと思って始めたけど、やってみて良かった!」俺も大学の進学のために勉強の成果がでて、母ちゃんは資格を取れてきている。まさに、俺たちは二人三脚だった。「そっか!次はなにかやりたい事とかあるの?」「んー、そこ……今悩んでるんだよね。」「悩んでる?」「そうなのよ。資格も吟味してるけど、もっとなんか出来ることないかな〜とか考えるの。」どうやら、母ちゃんは次の目標を考えてる
last updateLast Updated : 2026-08-16
Read more

俺と母ちゃんの富士五湖修行 2話

俺と母ちゃんは、高速に乗って山梨に向かう。大まかに東京から行くルートだとふたつある、神奈川に行ってから静岡に行って御殿場から北上して一気に富士五湖に行くルートか、八王子から一気に行くルートだった。そして、車の中では冒険というプレイリストのせいか、「魔女の宅急便」で流れるルージュの伝言が流れていた。子気味良いリズムが、これから何か楽しいことを示唆するようにウキウキとしたメロディだった。特に、イントロのジャズ風のピアノがとてもたのしくて俺も歌い出したくなる「あーのーひとーのママに会うためにー!あのーひとのー列車に乗ったのー♪」「まて、母ちゃん早速歌詞を間違えてるぞ。あの人は列車保有してるんか!?超富豪じゃねえか。」「…………なるほど、列車の保有か〜アリね。」「え、嘘だよな?母ちゃん。」「なーんてね!流石に母ちゃんもそこまでは金ないわよ!車だって日本車が精一杯!」母ちゃんが言うとマジで現実になりそうで怖い。資産いくら保有してるのか分からないけど。「そういえば、母ちゃん富士五湖って何があるか知ってるの?」「…………。」「おい、母ちゃん。なんで黙るんだ?」「あ、談合坂サービスエリアって結構人気みたい!休んでく?」「ちょっと待て、なんで話逸らすんだ?……もしかして、富士五湖って単語しか知らないってことは無いよな?」「…………てへ。」「てへ、じゃねえよ!おいおい聞いたことねえよ!目的地すらきめてないも同然じゃねえか!」母ちゃんはこうやってたまにめちゃくちゃ抜けている時がある。エネルギーはあるのだけれど、どこか無鉄砲なところが危なっかしい。たまたまAV女優という道で成功してたけど、一歩間違えたら相当大変だったと思う。俺はたまたま彩奈に貸してもらった漫画や、四尾連湖でキャンプした時に知ったので何とか頭に入っていた。「あのな、母ちゃんよ。富士五湖っていうのはな?本栖湖、精進湖、西湖、河口湖、山中湖の5つの湖から成るものが富士五湖っていうんだ。」「さすが私の息子、物知り!背中は任せたわ。」「いや、生殺与奪を他人に握らせるなよ!」本当に30数年間どうやって生きてきたのだろう。母ちゃんは最強と危なっかしさが共存している歪な存在だ。きっと、その歪さこそが唯一無二の存在になるキーだったのかもしれないけど。「ちなみに今八王子だけど、どこ
last updateLast Updated : 2026-08-16
Read more

俺と母ちゃんの富士五湖修行 3話

フードコートにて、俺たちはゆっくりと腰をかける。ちなみにお互い車に乗っていると、食欲は湧くのだが妙にヘルシーというか素朴な料理を食べたくなる。車酔いのせいだろうか、フードコートの食券のボタンを選ぶと俺たちは同じ食券機の前に立っていた。しかも2人とも冷たいそばという渋いチョイスだった。料理を出されると、見慣れたざる蕎麦と見慣れた色の麺つゆが出される。俺たちは結構薬味が好きなのでしょうがとネギを聞かせて、麺つゆには七味唐辛子をほんのりと入れる。そして、無言でツユに付けた麺を口に運んだ。「うん!うまい、やっぱこれくらいがちょうどいいな。」「ね!ラーメンとかスタミナ丼とか考えたんだけどね〜結構リバースしちゃいそうだったからやめた。」実はちょっと母ちゃんの運転は荒い。でも、母ちゃんも精一杯やってこれなので俺も咎めるつもりもなかった。だって母ちゃん自信が少し車酔いしてるくらいなのだ。軽く麺をすすると、あっさりとそばを平らげてしまった。やっぱお腹自体は空いてる。母ちゃんはスマホを取りだし、ブログを淡々と書きはじめていた。「さて!ちょっと何か書くわ!」「分かった、30分後に合流しよう。」「了解〜!じゃあまた後で!」俺はトイレに行ってから少し当たりを散策する。やはり談合坂は人気のサービスエリアと言われるだけあって施設の大きさがわかる。ガソリンスタンドや、ドッグラン…はたまたベーカリーやカフェまで充実していて、ここで暮らせるんじゃないかと思うくらい快適だった。その後もインフォメーションなども見てみると、周辺のスポットなどが書いてあったり、高速道路の情報も満載だった。いつか、一人でここを運転する時に利用するかもしれないな。それはそうと、この後はどうするか。検索してみるとまずは旧1000円札に使われていた本栖湖が最初の目的地である。青く澄んだ湖と、そこから映し出される富士山との景色が絶景とのこと。あったかな、1000円札…。財布を見てみると、北里柴三郎の中に野口英世が混ざっていた。つい最近紙幣が変わったのだけれど、まだ野口英世が見慣れているので違和感を強く感じる。裏面を見ると、富士山が湖にも綺麗に映し出されていて、いわゆる逆さ富士というものが見事に映し出されていた。今日の天気は晴れ、期待値は高いかもしれないな。そんなこんなで時間
last updateLast Updated : 2026-08-16
Read more
PREV
1
...
910111213
...
31
SCAN CODE TO READ ON APP
DMCA.com Protection Status