All Chapters of 僕のお母さんは△▽女優: Chapter 301 - Chapter 310

310 Chapters

直輝と決意とクリスマスイブ 13話

12月24日、俺は決断をした。今日この日、愛さんは日本を出ることになる。もし、15時に行けば彼女を引き止めることができる。でも、俺は1日何もない中ずっと勉強をしながら考えていた。俺は彼女に対する思いが好意なのか、それともただの劣情か分からなかったけど、もし彼女を止めたら全ての歯車が回らなくなってしまう。それは、俺の人生そのものであり、彼女の人生を指すことになる。彼女は本当は覚悟はできている。短期的には孤独になるかもしれないけど、彼女なら乗り越えられて別の幸せを掴めるのだ。だから、俺の処置としてはこうだ。「お久ー!なおっち、クリスマスなのに精が出るな!今日はとことん勉強すっから……覚悟しろよ!」「ああ、頼む。」俺は切って一人きりだと彼女を迎えに行ってしまう。今大好きなこの時間を、裏切ることにもなってしまう。だから、友人である龍の力を借りることにした。彼ならきっと約束の時間を過ぎるまでシゴいてくれるだろう。俺たちは早速勉強を始める。とりあえず、1番偏差値の低い医学部の模試を解くことにした。この間まで龍に指摘されてたところは復習を繰り返したため大幅に改善されていた。「違う違う!直輝くん、この関数はこうして……。」時折、愛さんの幻影が俺の問題を指導する。図書館での彼女との勉強時間もどうやら確実に活きていた。俺は妙に……ザワついていた。心拍数は上がり、足の裏が汗ばんでくる。呼吸だって浅くなってるんだ。やっぱりまだ彼女を捨てきれていない自分がいた。「……なおっち、お前なんかここ数日で変わったな。」「そうか?」「なんというか、目が据わってる。この間はまだまだ受け身だったのに……勉強したんだな。」「ああ……。」一通りの模試が解き終わり、採点をする。なんとか苦手科目はクリアした。まだまだ、合格ラインには及ばないけど、確実に点数は上がっている。いいんだ、どれだけしんどくてもやるって決めたんだ。「でも、なんか今日のお前変だぞ?無理やり勉強に集中しようと必死だ。」「何がだよ。」「……なんかあるなら話した方がいいぞ?お前ほんとこういうの下手なんだからさ。」「いや、いい!とにかく俺を勉強で拘束してくれ!そうしないと……どうにかなりそうなんだ。」しかし、龍は不敵な笑みを浮かべて参考書を閉じた。そして、俺の胸にグイッと人差
last updateLast Updated : 2026-09-13
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天野家とみんなとハッピーニューイヤー 1話

キーンコーンカーンコーン…終鈴が鳴り響いて学校が終わり、開放感溢れるのか今日のクラスは活気に溢れていた。愛さんからの一件……あれから3日経っていた。時折彼女を思い出すこともあるのだけど、それ以降も必死に勉強していた。そして、今日をもって今年の授業は終わり明日から冬休みということになる。「お疲れー!直輝!」「……飯田。」こいつは飯田蓮、見た目は少しチャラいけどクラス委員長をやっていたりととても真面目な親友だ。唯一の欠点としては、俺の母親がAV女優として発覚したくらいには大のスケベであるところだろうか。「お前さん、なんか最近めっちゃ頑張ってるな!」「まあな、色々あってやりたいこと見つかったしな。」「いいなー、俺はどうしようか悩んでるよ。死んだ親父の意志を継いで美容師になるか、それとも安定を志して公務員になるのか!ってな!」どうやら彼なりにも真剣に考えてるみたいだ。まあでも、2年生の冬になるから…いよいよ進路は本気で考える時期かもしれない。「まあさ!深いことは置いといて……みんなでパーッと忘年会でもやろーぜ!」「え、俺たち酒は飲めないぞ?」「ちっちっち……俺たちは高校生だ。高校生らしい楽しみ方あるだろ!」「例えば?」「んー、ボーリングとか?」「ベターだなおい。」「いや……実はもう色んなやつ誘ってるんだよな〜これが。」そう言うと、何人か集まってくる。彼女の舞衣と友達の彩奈、そして同じAV女優の母親を持つ瑞希、あとは……?「よっ!なおっち!」「龍!?今日の夜間高は?」もう1人の親友の虎ノ門龍も参加するみたいだった。「あ?あんなの楽ちんだよ。うちの学校単位認定を資格でもカウントしてくれるから楽だわ〜。」「相変わらず君はオーバースペックだと思うよ。」「ああ、俺もそう思う。」彼は偏差値70は簡単に超えている。医学部をほぼ独学で行けるほどの実力があるのになんで不良やってるんだろうと俺の中では七不思議のひとつに入っていた。「んじゃあ、とりあえず……横浜でも行くとしますか!」「横浜!?あんなとこにボーリング場あんの?」「ああ!それがとびっきりいいとこあるんだよ。」「まあ、行こうぜなおっち!お前昨日も一昨日も勉強詰め込んでるからよ!今日はお休みだ!」「…まあ、龍がそう言うなら。」俺があえて選んだ日常は相変わらず俺を振
last updateLast Updated : 2026-09-17
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天野家とみんなとハッピーニューイヤー 2話

緊張が走るボーリング場、デスソースはまた一際不気味に赤く光を乱反射している。まるで、これから俺たちの舌を破壊するぞと脅迫しかねない佇まいである。現在、舞衣がストライク……そして、俺たちはほぼガーターのようなものだった。次に俺に球が渡される。……しまった、実はボーリング未経験なんだよな。一先ず龍の投げ方を研究しよう、あいつはどう投げるのだろうか?すると、龍は得意げに右端に投げる。玉は左に回転して、弧を描くと真ん中に向かって行きピンを全て吹き飛ばしたのだった。「よくやった!褒めて遣わすぞ!」「うっせえよ!ちんちくりん、てめぇガーターだった癖によ!」「う……うるさいな。」龍は、結論からいうと上手かった。そして投げ方はあまり参考にならなかった。相手チームはストライクとスペア、いきなり高得点で罰ゲームのデスソースがチラついてしまう。「……逃げちゃダメだ。」俺は小さくそうつぶやくと、手汗の書いた球を持つ。指先が震えて、とてつもないプレッシャーに押しつぶされそうだった。「な……直輝くん?大丈夫だよ!私……デスソース飲んでも大丈夫だから!」「いや!ここはしっかりとやらせてくれ!」彩奈は2cm以上のネイルできたので少し申し訳なさそうだった。なんて彼女は優しいのだろうか?これがオタクに優しいギャルという生き物なのかもしれない。俺は、勇気を振り絞り球を投げる。とにかく、テクニックとかは無くした。まっすぐ……真ん中に当てるのを意識して、及第点程度に投げると、ピンは真ん中に飛ぶ。「「「おお!」」」何とか6本ほどのピンが弾けて俺たちは9点をとった。なんだ、意外といけるじゃねえか。「直輝くーん!やるじゃん!」彩奈がハイタッチを仕掛けた。俺もそれに合わせてハイタッチをする。結構……楽しいかもしれない。「………………。(ビキビキ)」その様子をみて舞衣は嫉妬をしてるのか笑顔なのに目が笑ってない。それどころかスチール缶の飲み物が握力で歪んでる気がする。ゲームは、続行される。舞衣は相変わらず球速が激しくてストライクを連発していた。「すげー!佐倉、ターキーじゃんけ!」「……ふう。ストレス発散にはちょうどいいわ。(チラッ)」ストライク取る度にドヤ顔でこっち見ないで欲しい。どうすればいいか分からないから。俺も少しずつ上達してきた。
last updateLast Updated : 2026-09-17
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天野家とみんなとハッピーニューイヤー 3話

大晦日になると、一際人通りが多くなる気がする。特にスーパーなんかは、賑わいが凄く普段はまだ余白を感じるスーパーでさえも密すぎて、某都知事がソーシャルディスタンスの警鐘を鳴らしてしまいそうでもあった。「あ、予約した天野です。」「はい!刺身盛り合わせですね!」レジに行くにも一苦労、スーパーは文字通り棚には何も並んでいなくて、使い道の無さそうな野菜しか並んでいなかった。☆☆「ただいま〜。」刺身盛り合わせを2パックをテーブルの上に並べて俺はソファーに腰掛ける。「おかえりなさい!あなた!何にする?ご飯にする?混浴にする?それともわ・た・し?」「……まだ紅白はやってないか。」「ちょっと!!直輝くん!!せっかく私がエプロンしてるんだよ!」声をかけたのは彼女である舞衣だった。エプロンを着て、新婚の花嫁気分なのかテンションが高かったのだが、スーパーの人の群れに流されていた俺にはリアクションを取る気力は無かった。「……休ませて。」「裸エプロンが良かった?」どうしよう、俺の彼女可愛いのにどこか頭のネジが外れている。「舞衣ー、あなたまだ煮豆に松の枝刺す仕事あるでしょ!」「ちょっと!彩奈離してよ!」「ダメよ、猫の手も借りたいんだから。」「やだー!直輝くんに甘えたいー!」「はいはい、後でね。」そう言って暴走する舞衣を彩奈が制止させる。普段バカ力で手が追えないのに彩奈だけは一手上を行っていた。ソファーには龍と飯田が座っている。2人は一仕事を終えたのかゆっくり休んでいた。「よ!なおっち!乾杯しようぜ!」「いいよな〜お前らは家でエビフライのパン粉つけるだけだったし。」「おい直輝!エビフライ部隊をバカにするなよ!ちゃんと殻を向いてから背わたまでとったんだぞ!」「はいはい。」「本当に聞いてるのか?直輝。」「まあいいじゃねえか、飯田〜。なおっちだって刺身の調達頑張ったみたいだしよ!ほれ、ジンジャーエールで乾杯だ。」「「「乾杯!」」」そう言って俺たちは少し大人になった気分で乾杯をする。テレビの音と、みんながおせちを作ってる音が平和に流れていた。それを聞きながら、少しだけ一年を振り返って行った。「今年はほんと色々あったよな〜。」そう言って飯田も今年を振り返っていたようだった。最初に……確か飯田が俺の母ちゃんをAV女優だと言ったところか
last updateLast Updated : 2026-09-17
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天野家とみんなとハッピーニューイヤー 4話

いつものテーブルには見たことない量の料理が並んでいる。刺身の盛り合わせやおせち、さらに茶碗蒸しなど年末としてはまさにご馳走そのものだった。俺は夢中になって料理を食べた。なんて幸せで賑やかな夜なのだろう。「そういえば……いつもはみんなどんな年末を過ごしてるの?」母ちゃんがみんなに問いかける。確かに気になる。いつもは母ちゃんと2人きりで過ごすけど去年はなんかゲームしてたら新年になってたっけ。「んー、大体親戚と集まるか旅行かなー。」龍は顎に手を添えてぼんやりと答える。「なんだよ、意外ときっちりしてるな。」「おい、飯田……意外とはなんだ意外とは。」そういえば龍のお父さんは某空港会社の役員だったから、そういう所はキッチリとしてるのかもしれない。「でもよ……親戚の集まりって居心地わりいんだよな。みんなきっちりしてて俺だけ異端みたいでよ〜ここの方が居心地いいんだわ。」「わかるわ〜、龍くん…私も昔はそんな感じだったわよ。」母ちゃんがそういって頷く。そういえば、母ちゃんも元々しっかりとした家柄から出てたんだっけ?「え、そうなんすか。遥香さん?」「うん、元々家族からは医者になれーなんて言われてさ、ずっと勉強させられっぱなし。100点を取れないとめちゃくちゃ詰められてさ、君くらいの歳には家出しまくりだった。」「うわー!意外な共通点!そうなんすよ、みんなそんな感じだから不良やってるとこあります。あ、お酒注ぎます?」そう言って龍は慣れた手つきで母ちゃんのおちょこに日本酒を注ぐ。おい、どこでその手法身につけた。「でもすごいわね、医者に自分からなりたいって……私は生きるために必死でAV女優してたけど、それがあってたって感じだったし。」「いいんすよ!自分の選んだ選択なんですから、人それぞれにそういう世界があって後悔がないなら胸張っていいんすよ!こうして直輝もちゃんと育ってるのはあんたの血のにじむ努力の結晶じゃないっすか!」母ちゃんと友達の不良がなんかめっちゃ語ってる。でもまあ本来はストイックな2人だからこそ通じるものがあるのかもしれない。「龍くんいい子すぎる!うちの子にしたいくらい!」「だってよ、なおっち。俺兄ちゃんな。」「やめろ!マジでそれはきつい。」知らないお兄ちゃんが出来てるとかホラーすぎるだろ。「じゃあ!俺がお父さんになるよ、
last updateLast Updated : 2026-09-17
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天野家とみんなとハッピーニューイヤー 5話

「…おき!……ろ!」ん…。「直輝ー!……るよ!」うっさいな……。歪んだ声がどこまでも続いていて、頭の中に妙に響いてくる。そうだ、俺は家でみんなで集まって……紅白を見て、それからどうしたっけ?俺は目を空けるとソファーに座ったまま寝ていて、瑞希が俺を起こしに来たみたいだった。「瑞希……?」「ったく!やっと起きたな〜もう紅白も終わったぞ!」「……まじ?すまん、めっちゃ寝てたみたい。赤組と白組どっちが勝った?」テレビを見ると皆が一同にホタルノヒカリを歌っていた。この歌ってどうして聞くと「終わり」って言葉が脳によぎるのかいつも不思議だ。「今年勝ったのは!白組の皆さんでしたー!」「うおーー!」テレビの中の拍手喝采がどこか上の空である。どうやら、今年は白組の圧勝のようだった。「……ほら、もうみんな着替えてるし行くぞ!」「うーん…。」「重い……でかい赤ちゃんじゃねえか!!」こうして、いつの間に睡魔に襲われた後の俺はワクワクも意気消沈として新年を迎えそうになった。☆☆「ごめーん!直輝やっと起きた!」「おせーよ!なおっち!」みんなは既に寒さ対策バッチリの格好で待っていた。本当に俺だけ残されそうだったけど瑞希が最後まで気にかけてくれてたみたいだった。「じゃあ!まずは神社にレッツラゴー!」そう言って瑞希はいちばん楽しみにしてたのか先導していた。いかん、少しだけ手が冷たいかもしれない。冬の深夜は驚く程に冷たくて、冷蔵庫の方が暖かいのではと錯覚してしまうほどだった。ソファーで寝てたいで体温も放熱されている。すると、誰かがこっちに近づいて俺の手を握る。触りなれた長細い指と少し長めのネイルでその手の主が舞衣だと気がつくのにそう時間はかからなかった。「えへへ……直輝くんの手冷たい。」「舞衣は……暖かいな。」ただ手を繋ぐのではない、手のひらを合わせ指を絡ませた恋人繋ぎに途中変わってこの時間は離さないと言わんばかりの握り方だった。「こうしないと……直輝くんまたどっかに行きそうだから、もう離さないよーだ!」「その……諸々申し訳ない。」そう、俺たちは付き合っている。なのに俺は彼女を見てやれない時が多々あった。きっと、思うことが沢山あるのかもしれない。だからこそ、この手の握りがより重く感じてしまう。「直輝くんは……私の事好き?
last updateLast Updated : 2026-09-17
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天野家とみんなとハッピーニューイヤー 6話

新年早々……今の若者は何をすると思う?俺はソーシャルゲームを開いてボーナスを貰うことである。案の定、ボーナスを引いたのでガチャを引いたのだが……俺は全く大吉を引けなかった。「むぅ……全然ダメだ。」そんなことはさておき、俺たちは最寄りの神社に行くと、何人かは暗闇の中神社でお参りをしていた。少数とはいえ、夜にこういったお参りをしたい人は他にもいるようで安心した。俺たちは勉学の神様を中心に二礼二拍手一礼をして願いをする。まあ、お願いは健康と医学部受かりますように……ってとこだな。願いはシンプルでいつでもいえるように、忘れないようにした方がいい。みんなもお参りを済ませると神社を出るのだった。「次は……寺行くぞ寺!」そういって、散歩中のチワワのように瑞希は先導していく。どこかそこがあどけなくて、相変わらず愛嬌に溢れてるなと思った。「そういえば、年始って神社と寺だけど……アレなんでだろうな?」そういって飯田が当たり前のことに疑問を呟く。確かに……仏教と神道でルーツは違うのに何故だろう?俺はすぐに調べた。「へー、どうやら明治時代以降は神仏習合ということで明確な区別をしなくなったらしい。そうでなくても、日本は年末年始に年神様を迎えて1年無事であったことを感謝すると……。」それを聞いて……俺は少しヒヤッとする。去年は結構臨死体験とかしたからな〜本気で感謝しなければ行けない気がした。そして、俺たちは寺へ着くと列が並んでいて、除夜の鐘を鳴らし続けていた。「あれ!あれ鳴らしたい!」そういって、瑞希は好奇心旺盛なチワワのように駆け足で鐘へと向かっていく。「あいよ、行ってこい。」「おい!お前も行くんだよ、直輝。」「はいはい……。」みんなで一列で並んで鐘を鳴らす。「見てろよ〜私のパワーで鳴り響かせてやる!」「ぶっ壊すなよー。」「へっへんー、せーの!……あれ。」コォーン。最後の最後で力の入れ方を間違えたのか粗末な音が鳴り響いた。そして、瑞希はこちらを睨むけど……俺はそっぽを向いた。「おい、今笑ったろ。」「絡むな、列がつかえる。」「ぐぬぬ……やっぱお前ムカつく!」そういって……瑞希はプンスカと彩奈の方に逃げていった。そしてすぐに順番が俺に来る。お坊さんが俺に一礼をして話しかけてきた。「明けましておめでとうございます。浄めの
last updateLast Updated : 2026-09-17
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天野家とみんなとハッピーニューイヤー 7話

太陽が強く俺の顔に差し込む。夜更かししたあとの朝は、頭が重くこめかみの当たりがツンとしていて、体が起きるのを拒否反応を起こしていた。あ、そうか……今年から新年になったんだと歳を取ればとるほど新年の新鮮さはもうどこにもいなくなっていた。「おはよーって……こりゃあ酷い。」いつものリビングは、少し散らかっている。そして暖房がついており、直輝と龍が眠っていた。「おはよー!直輝。」「母ちゃん。」母ちゃんが金髪の髪を靡かせていつも通りの朝が今あることを伝えてくれている。妙に好みなれた光景に安心感を覚えるのだった。「餅何個たべる?」「餅?」キッチンをみると、出汁と醤油の香りが聞いたお雑煮があった。どうやら、昨夜こっそり仕込んであったみたいだった。「じゃあ……2個かな。」「はいはい!」そう言って、母ちゃんが餅をトースターに入れてお雑煮を温める。そして、ゆっくりとテレビをつけるのだが、好きなアニメなど見れそうなものは特になかった。「いつもなら、ガキ使とか見てるんだけどな。」「ね!最近新年明けた気がしないかも!」実は俺たち親子はガキ使が好きだった。笑ってはいけないシリーズを録画して、新年にダラダラ見るのが恒例だったのに、突然変わってしまったため元旦の朝が妙に空っぽに感じる。しばらくすると、お雑煮がテーブルに置かれた。「はい、お雑煮!」「サンキュー!」俺はまずは餅を食べる。しっかりと噛んで……うん、甘みがあって美味しい。汁も鶏肉が、入っていたり、野菜もゴロゴロ入ってるので食べごたえがあり昨日の二年参りの寒さと疲れが吹き飛ぶようだった。母ちゃんも俺の前でお雑煮を食べる。「んー!美味しい!やっぱ私って天才かも!」「天才って自分で言うか?」「なによー!食べなくていいのよ?」「はいはい、母ちゃんの料理はいつも美味しいですよーだ。」そういって、天野家はいつも通りのやり取りをしながらいつも通りの朝を迎える。これも……実は静かに色んな人の力や努力の上に成り立ってると分かってるから、すごく幸せだった。「あれ、そういや女性陣は?」「ああ、一旦帰って振袖着に行ったよ。」「え?振袖?」「うん、今日は初詣本気でやるっぽい!」ちょっと楽しみである。舞衣も可愛いのはわかるけど、彩奈や瑞希だって普段は一緒にいるから分からないけど振り返る
last updateLast Updated : 2026-09-17
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天野家とみんなとハッピーニューイヤー 8話

一通り勉強を済ませて俺はリビングに戻ると、悪友2人がグロッキーな顔してこちらを見ていた。「「新年……明けましておめでとう……ございます。」」「まてまてまて!!」あまりに爽やかさのかけた新年の挨拶に思わずズッコケてしまった。「いや、こちらも明けましておめでとうございます……じゃなくて!どうしたの、2人とも!」「そっか、なおっちすぐ寝たからわからんよな……なあ飯田。」俺はと言うと、普段寝るのが規則正しいせいでもうあの時間は限界だったけど、飯田と龍はまだまだ現役高校生……どうやら夜更かしをしていたみたいだった。「昨日……てか今日か、二人で桃鉄やってたんだよ。」「うんうん。」「それで……血迷って100年でやっちまったわけなのよな。」「うわー、え……辞めれなかったの?」「飯田が2兆円くらいの借金を背負ったあたりで身の上話をしだしてさ、俺も俺で家族のこととか話してたら……朝に……。」そう言って、2人はまたソファーにダウンする。いや!小学生なのかおっさんなのか分からない過ごし方してるな!「……お前らなぁ。」「すまん、初詣……明日にする。」そう言って、悪友2人はまた寝てしまった。俺が呆れていると扉が開いた。その先には見るも花の女子高生たちが振り袖を着ていた。「おおー!!」「「「新年、明けましておめでとうございます!」」」「お……おめでとうございます。」舞衣は黒髪に合う赤い薔薇のような振袖に、彩奈はピンク髪に合わせてか青色の振袖、そして瑞希は緑の振袖を着ていてどれも似合っていて見とれてしまうようだった。「じゃーん!直輝!どう?私女子高生に混ざれてる?」「うん、浮いてる。」そして、間には母ちゃんが金髪に黒い振袖という装いで一際際どい感じがするのだが、やはり血縁というものがブロックをかけるのか女性としてみるには少し難しいものがあった。「うん……悪くないと思う。」「ちょっと!ちゃんと見てる?」「ああ……うん。」そう言って視線を彩奈に向ける。彩奈は普段ピンク髪のギャルという雰囲気でモデルのようにスラッとしてるのだけれどいちばんこういった和服と相性が良くて色っぽく感じてしまう。「へへ〜どうやら、私が一番似合ってるみたいだね。」「な!?」「もう〜直輝くんは節操無いな。」「ち……ちがちが……ちがうし!視線に困ったら彩奈が居ただけ
last updateLast Updated : 2026-09-17
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天野家とみんなとハッピーニューイヤー 9話

今年の年末年始はとても良い時間を過ごせたと思う。確かに大凶は痛手だったけどみんなと過ごした時間、思いを交わしあったこと…全てが初めての経験だった。でも、それももう少しで終わる。家に帰ると、みんなは振袖を着替えて帰っていく。男性陣もやっと起きたと思えば、みんなは親族に顔を見せに行く。「んじゃあ、なおっちそろそろ帰るわ〜今年もよろしくな。」「うん!また勉強ビシバシ頼む!」「おうよ!」そう言って、友達がいなくなり少し夕陽が差し掛かる我が家を母ちゃんと片付けた。非日常が見慣れた日常に戻る感覚は、寂しいようで……でも新年が開けて気が引き締まるようだった。「なんか、賑やかになったね!私たちの日常は。」「うん、たまに疲れることもあるけど、飽き飽きしないよ。」すると、母ちゃんはふと何かを思い出したかのように納戸に言ったと思うと見慣れた小道具セットを持ち出してきた。「ねえ直輝……書き初めしない?」「書き初め〜?」「ちょっとさ、気が引き締まる感じしない?」「ったく……わかったよ。」そう言って、和室で俺と母ちゃんは新聞紙を引いて正座をする。そして、墨汁を墨で濃くしてまずは試し書きする。「見て!書けたよ!」母ちゃんはそういうと粗末な時で「AV女優」と書いた紙を見せてきた。「………母ちゃん?やっていい事と悪い事があってだね?」「ご……ごめん、冗談だってば。」さて、小芝居は置いておいて胸の内の言葉を簡単に文字にするって結構難しい。なんだろう……俺は何を求めてるんだろうか。母ちゃんは、どんどん文字を書いては別の文字を書いている。「友情……んー、努力……これも違う……勝利?」「なんでジャンプなの母ちゃん。」「だって〜なんかしっくり来ないんだもん!」1文字を考えるのにも時間がかかる俺とたくさんも字を書くけどしっくり来ない母ちゃん。妙に対照的だなと感じてお互いの生き方そのものが現れるようだった。まあでも、答えはシンプルだ。俺は今年……どうなりたい?何を目指し、どういう文字が合うか考えて、ボキャブラリーの少ない脳みそから……有り触れた文字が出てきた。「おおー!直輝……意外と字綺麗じゃん!」「母ちゃんは……もう少し丁寧に書いた方がいいかも。」俺の書いた字は、「成長」。めっちゃベターだけど、今の俺じゃ医学部なんて到底いけっこないし、
last updateLast Updated : 2026-09-17
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