All Chapters of 僕のお母さんは△▽女優: Chapter 211 - Chapter 220

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スケベな友人が泥酔お姉さんのせいでまともになる件 4話

長野県に突入すると、高速道路は一方的な登り道に変わる。山梨は甲府盆地であるがゆえ、平地が多かったが長野県は特に標高差が高いように感じた。東京ではまだ常夏のような気温に襲われるのに対して、ここはもう冬に差し掛かっている。バイクその中で山と反響し合うようにエンジン音を鳴らしていてそれがとても心地よかった。無意識に感じる……俺も最近生徒会やら、直輝の手助けやら、部活やらで無意識に疲れてイライラしていたことに気がつく。それを自然が無意識に教えてくれて、運転に没頭しつつ自然をたまに眺めるのが体を癒していく。山が見えたと思えば……次は巨大な湖が見えたりもする。この間直輝と佐倉が花火大会に行ったという諏訪湖がこれなのかもしれない。「れんれん!でっけ〜湖!」「……ですね!多分あれ諏訪湖ですよ。」「諏訪?神社?」「ああ、なんか聞いたことあります。その神社の総本山がここにあるみたいですね。」「降りる?」「いや……また今度にしますか。日が暮れちゃいますよ。」「むぅ〜、しゃーないな。」太陽に照らしひかりを乱反射する諏訪湖は一段と綺麗だった。それを見収めるかのようにトンネルと橋が湖をシャットアウトして、景色は谷のような景色に切り替わる。そして、岡谷JCTが目の前にあるのだが……。「えーっと……松本長野……名古屋……ん?どっちかだっけ?」イマイチ地名が分からない。名古屋は南にいくのか?というか、伊那市って長野のどこに位置するんだろうか……。「れんれん!名古屋方面でいいと思う。長野市は長野県の北端当たりだから新潟とかに行っちゃうかも!」「なるほど!りょーかいっ!」俺は右のレーンに舵を切って走ると、見事笛吹さんの提案は的中して伊那インターの看板が見えた。景色を見渡すと、東と西には山並みがあり、北と南は山陰がなく空と地平線が続いている。これがいわゆる伊那谷と言うやつなのかもしれない。どうやら、諏訪からV時で南に南下したのでさっきまでいたところは山の先にあるようだった。伊那インターを降りて、近くのスーパーで駐車をしてルートを確認する。どうやら、ここから北に進むと山を貫く権兵衛トンネルというものがあるようだった。そこから木曽という所をしばらく走って俺たちは下呂温泉に着くことになる。ここまで走ること3時間弱……結構な長旅になっていて、俺も笛吹
last updateLast Updated : 2026-08-28
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スケベな友人が泥酔お姉さんのせいでまともになる件 5話

俺たちは木曽の道を抜け、長野県の西南の道の駅にたどり着く。そこにはたくさんの人で賑わっていて、高速道路のサービスエリアに比べて少しお祭りのようだった。「おお!なんかレトロでいいっすね!」道の駅はこういったローカル感、旅の途中の雰囲気が好ましい。そして、案の定ソフトクリームもあり俺たちは直行した。ちなみに俺はミルク、笛吹さんはチョコというシンプルなチョイスだった。「うー!うめぇ……!」「お、いい顔っすね。」パシャリとスマホのカメラを撮る。笛吹さん、めっちゃ美味しそうな顔するんだよな。「むふふ、いい画撮れてるかい?待受画面にしてもいいんだよ?」「あ、それは丁重にお断りします。」「なんでじゃあ!」い……いや、直輝たちに待受画面笛吹さんにしたらドン引きされそうだしな。「じゃあお返し!」パシャリと笛吹さんが俺の写真を撮る。「……待ち受け用ですか?」「いや、抱き枕用。」「何それ怖!?」こんな感じに道の駅に来て早々、俺たちは漫才をしていた。ソフトクリームは口の中に濃厚さとほんのりした甘みがあって久しぶりに食べるのに感動的に美味しく感じる。すると、いつの間にか食べ終わってる笛吹さんがソフトクリームを1点に見つめていた。「……。」「……。」「あげます。」「いいの!?」いや、犬かこの人。「じゃあ、お手。」「はい!」いや、速攻で手を出してるよ。笛吹さん……犬扱いされてる事にすら気がついてないようだ。俺はため息を着くとソフトクリームを渡して、美味しそうに頬張っていた。「うめぇ……すげぇクリーミー。」「いや、ほんとっすね。この前どっかの店で食ったソフトクリームはなんか氷を砕いたかき氷のようでがっかりしたけど、こういう滑らかなソフトクリームがいちばん美味いですよね。」ソフトクリームは美味い。だからこそ観光地でも度々あるのだとおもう。それにしても……笛吹さんってこういう子どもな一面を見るのがなんとなく好きな自分がいた。☆☆しばしの休憩を終えて、俺たちはいよいよ下呂温泉へ向かう。バイクを走らせ、木曽の一本道を右折して南下してたが次は西北の方向にV時に曲がる。こうして見ると……日本って真っ直ぐ奨めるみちないんだなと強く感じる。ターコイズブルーの木曽川を見納めして、その後はひたすら林か農耕地域が見えてきた。いよいよ岐
last updateLast Updated : 2026-08-28
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スケベな友人が泥酔お姉さんのせいでまともになる件 6話

ここは飛騨川を超える大きな橋。俺たちはそこをゆっくりと進んでいく。川は温泉の排水も行ってるのか少し湯気が目立ち、橋の下にも人溜まりができている。もはや何があっても不思議では無い観光地雰囲気がこれでもかと出ていた。「いえーい!げろげろー!」「ちょ……走らないでくださいよ!」笛吹さんは子供のようにはしゃいでいる。まるでアラサーだということを感じないような明るさだった。まあ、この人骨格からして若いとはいつも思っていたけど。すると、笛吹さんは急に立ちどまり、ビルのような建物に入っていった。い……意外と足速い。ジョギングしてる俺でさえ追いかけるので精一杯だった。ビルに入ると……そこはたくさんの焼き物や皿、徳利などが並んでいた。「こ……これは。」「美濃焼だね!」「あー!土岐市とかにある……あれ、あそこって岐阜県でしたっけ?」「……え、何言ってんの?れんれん……。」ちょ、なんかムカつく。逆になんで笛吹さん土岐市と美濃焼だけピンポイントで知ってるんだよ。「すみません、結構無知なもので……そういえば美濃焼って、どんな特徴があるんですか?名前はよく聞くけど……。」「え……?う……うーん、わかりません!」良かった、いつもの笛吹さんだった。でも……よく見ると陶器とか磁器もあれば……デザインもまるで違う……というか、違いすぎるので美濃焼の特徴が掴めなかった。「美濃焼はね……特徴がないのが特徴なんだよ。」すると、店員らしき女性が話しかけてくる。少し派手めな髪にピアスが幾つも空いて……それでいて、やさぐれたような雰囲気が出ていた。「て……店員さんですか……?」「ええ……まあ。」いや素っ気ない……。きっと美人に入る部類なのだけど……サブカル気質が強すぎてまるでV系のバンドマンを見るような感覚に近かった。「見てくれ……このように、派手なデザインもあればシンプルなのもある。美濃焼はね、なんで特徴がないのに残っているのかと言うと……時代に合わせて変化できる柔軟性があるんだよ。」このお姉さん、見た目に反してかなり美濃焼にこだわりがあるようだった。お皿のことを語るお姉さんは、真剣に話していて人は見た目ではないなと感じた。「もしかして……お姉さんも美濃焼作ってるんですか?」「ああ……。ちなみにお二人さんはどんなのが好きだい?」「あ……うー
last updateLast Updated : 2026-08-28
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スケベな友人が泥酔お姉さんのせいでまともになる件 7話

俺たちは千鶴さんと別れたあとは少し夕日の指す下呂温泉街の観光をしていた。昼間は温泉にいたのか、より一層人集りが集まりちょっとした原宿のような賑わいになっていた。年齢層は年配の方も入れば、比較的若い人も沢山居たり……カップルも居たりして、伝統ある温泉街と言うように長年愛されてきたのが伺える。ほんのりと湯けむりが立ち、林立している旅館からの温泉の香りがする。比較的内陸部のため肌寒さが目立ち、より一層この後の温泉が楽しみになっていた。「いや〜千鶴さん、素敵な人でしたね!俺話ししてて好きなことに全力か人って尊敬するなって思いましたよ!」「ね〜!たまに可愛いところもあるし!」「確かに!ああいうダウナー系も中々……。」俺はハッとすると笛吹さんがジト目でこっちを見ていた。「れんれん……そういえば女好きだったな。」「すみません……。」俺ははっきり言ってすけべである。いつも遥香さんとか素敵な女性を見ると少し鼻の下を伸ばしてしまい、親友の直輝からもスケベと言われている。「ここにも!素敵な女性がいるんですけど!」すると、ちょっとヤキモチを妬いたのか笛吹さんが俺の両頬を掴み顔を近づける。普段だらしない面しかみてないから、最近女として見てなかったけど、ルービックキューブの別の面を見てしまったように、もしくは同じ面のはずだけど少し変えられたかのように、少しだけ笛吹さんが可愛く見えた。突然積極的になる彼女に心拍数があがり、思考が鈍る。次の言葉が思い浮かばない……完全に彼女の土俵だったけど、これだけははっきり言おう。「じゃあ、せめて毎日お風呂入ってから言ってください!笛吹さん風呂入ってれば美少女なんですから。」「ぬっ!こやつめ……。」とはいえ……同居してる身としてはせめて毎日お風呂に入って欲しかった。今日の目的のひとつではあるのだけどね。二人で温泉街をまた並んで歩く。川の向こう岸の温泉街はそこまで大きくないものの……妙に標高差があって息が上がってしまう。笛吹さんは、最初は大股でズシズシ歩いていたけど……徐々に歩くのがゆっくりになって、最後はひょろひょろと歩いていた。「ふ…普段運動しないせいで……しんどい……。」「一旦休みますか。」「そだね……お!なんか可愛い店がある!」笛吹さんが街の先を指さすと、バター専門店というのがあった。メニューを見
last updateLast Updated : 2026-08-28
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スケベな友人が泥酔お姉さんのせいでまともになる件 8話

ここは最初の旅館の露天風呂である。透き通った温泉でなんと俺の部屋の倍以上の広さかつ、体の半分が立っていてもお湯に浸かるほどの深い温泉だった。普段の見なれた浴槽ではなく、岩肌がいくつも乱立しており、それらも相まって非日常感をさらに強く演出している。俺はゆっくりと体勢を落とし、肩まで浸かる。ちなみに言うと……俺は普段15分程度のシャワーで済ますので数ヶ月ぶりの湯船だった。なんというか……リラックスする感じが桁違いだった。肩まで浸かるので重力が若干軽くなるのを感じ、体が楽になる。汗が出るので普段シャワーでは取れない疲れまで染み渡ってくる。さらに……温泉は弱アルカリ性、老廃物のある肌の表面を溶かしてくれるので疲れと共に体が綺麗になるのを感じた。もう慣れた温泉の匂いと、5時間にも及ぶツーリングの疲れが、この温泉に浸かることで快楽の脳内麻薬とマリアージュして意識が若干グラつくのを感じて、俺は岩肌に上り、空を見る。空は秋晴れ、満天の星空になっていて……それを湯けむりがグラデーションを作っている幻想的な光景だった。それを見て、ふと思う。笛吹さんが家に押しかけてから色々あった。旅行に行ったり、あの自分勝手な母親と決着を付けたり、他にも学校生活だって楽しくなっていた。しかし今、俺と笛吹さんはとの関係性は一体なんと形容すれば良いだろう。今は俺が保護者のような感じだけど、いつかはお別れが来るんじゃないか。笛吹さんは、間違いなく天才だ。こんな貧乏学生と暮らして窮屈ではないのかなんて……多分彼女に話したら笑われそうな不安が押しかけてくる。俺にとって笛吹さんは間違いなく必要だった。……………。まあ、いいや。考えてても仕方がない。今はこの旅行を楽しむことに集中しよう。その先で答えが見つかるかもしれない。俺は、温泉を出て浴衣を着てから自室に向かった。この旅館……男女で階層が違うため、彼女を見つけられることは出来ない。さて、どこにいるのかと探していると彼女はすぐそこにいた。「あ〜〜〜〜気持ちいい〜〜〜。」彼女はマッサージチェアに腰かけ、体は温泉でのぼせたのか若干火照っており……髪が若干濡れていた。「なんというか……笛吹さん、遠くからでも分かりますね。」「お!れんれんじゃないか!いや〜、いいねーこれ。」彼女は肩に振動がきて声が若干揺れていた
last updateLast Updated : 2026-08-28
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スケベな友人が泥酔お姉さんのせいでまともになる件 9話

レストランに行くと、エレガントな雰囲気のレストランに着く。ドレスアップが必要なのではと少し焦るが、案外カジュアルな服装の人がおおく、直ぐに焦りは安堵へと変わる。「すみません、予約していた飯田です。」「飯田様。お待ちしておりました、席へとご案内します。」スーツスタイルのサービスの人が席へと案内してくれる。そして、俺たちは窓から夜景が見える席に案内され、先に笛吹さんを上座に座らせてから俺は後に座る。想定より……しっかりしたところだった。笛吹さんはこのレディーファーストの概念は知ってるのかヒヤヒヤした。「本日はご来店頂きありがとうございます。当店はコース制となっております。そして、こちらは本日のアミューズである山菜とナスのプレッセでございます。」すると、俺たちは四角い何かを渡された。周りは紫キャベツで覆われていて、真ん中は透明で野菜が点在している。大丈夫かな……笛吹さんいつも箸の持ち方とか汚いんだけど、テーブルマナーとか大丈夫だろうか?そんなことを思いつつ、彼女を見ると彼女は左手にフォーク……右手にナイフを持ちプレッセを細かく切りながら上品に食べていた。「うん!おいしい!」「あれ、笛吹さんテーブルマナーはご存知なんですね。」「おい、それはどういうこと?れんれん。」「いやだって……いつも箸の持ち方やばいじゃないですか、ちょっと上品すぎて恥かかすのではとヒヤヒヤしてましたよ。」すると、笛吹さんは深いため息をつく。いやいや!普段がそれでテーブルマナー完璧は聞いてないよ。「あのね、れんれん?私は……一応小説家なわけだよ。」「そっすね。」「しかも、映画化とかするから……実は結構偉い人と食事したりする打ち合わせが多いんだよ。というか……編集者に釘刺されながらやってるから。」あ、割と切実な理由だった。そりゃあそうか……確かに目の前にいる人は本来六畳間で新聞紙で寝てたりしないよな。そして、料理はどんどん運ばれてくる。炙りサーモンの前菜が運ばれてきた。口に運ぶと少し塩味のあるジューシーなサーモンの旨みが口の中に広がり、それをリンゴとセロリのソースが締めてくれる。サーモンのフレッシュさとサラダが引き立てあってシンプルながらも満足感のある前菜だった。それに合わせて、あるものが来た。「こちら……樽をきかせたシャルドネでございます。」ち
last updateLast Updated : 2026-08-28
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スケベな友人が泥酔お姉さんのせいでまともになる件 10話

料理はまだまだ続く、他の客の様子を見ても……ほとんどがメインに入っているのもあってワインを飲み談笑のボルテージが全体的に上がっている気がする。ボルテージとは言っても……クラブのように盛り上がるのではなく、互いが互いの時間をより集中して静かに盛り上がる……と表現した方が良いべきか、例に漏れず俺達も話に花が咲いて、お互いコミュニケーションに集中しているようであった。「お待たせしました、メインに合う赤のペアワインです。」サービスから新しいグラスが置かれる。さっきのワイングラスとは違って面積が大きい。というか、めちゃくちゃグラスの形そのものが違った。「あの、すみません……なんで赤のグラスは大きいんですか?」すると、サービスの男性はにこやかにはなす。「赤ワインは空気に酸化すると風味が増して、味がまろやかになります。」「そうなんですね!だから回したりするのか……。」「ええ、ちなみにグラスにもちゃんとブルゴーニュグラスと名称があるんですよ。」なるほど……ワイン、奥が深すぎる。深すぎてまだまだ俺には理解ができなかった。そんなことを思ってたらテーブルにメインが置かれる。表面はカリッと照りつけるように炙られた鴨肉があった。本日はブドウのソースを添えられており、所々にぶどうのマスタードや、焼いたぶどうが添えられていてら仕上げにハーブも乗っていた。どうやら、鴨肉のローストのようだ。肉厚ジューシーな食感にしていて、鴨肉の塩気と燻製の香りが味をまとめあげてくれる。それを引き立てるように、ブドウの甘さが鴨肉の淡白な味を良くしていた。何よりも、鼻から抜ける風味が鴨とブドウさわやかに仕立てられており、メインの名に恥じない逸品だった。笛吹さんはそれに加えワインを飲むと、その組み合わせの良さにご満悦のようだった。「これ……めちゃくちゃ美味いですね!鴨肉ってあんまり食う機会なかったけど、こんなに柔らかいんですね!」「……。」笛吹さんはワインを見つめ、クルクルとグラスを回している。その様子は凛としているが、どこかミステリアスな不気味さを醸し出す彼岸花のようで、俺はその様子に見とれてしまった。「どうしたんすか?」「なんというか……コース料理って小説にも似てるなって思ってて……。」「はは、面白い話ですね。」たしかに分かる。小説もコース料理もきちんと流れが
last updateLast Updated : 2026-08-28
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スケベな友人が泥酔お姉さんのせいでまともになる件 11話

私は笛吹さやか。普段とは全く違う旅館の一室にて小説を書いている。タブレットを持ち、ただ思うがままに書いている。目の前で起こったことの感動。今日会った千鶴ちゃんの生き方や感動……美濃焼への思いをプロファイルして……彼女の世界観を私の中で作り出す。幼少の頃の親への反骨心、そして孤独など……私の全く知りえない世界だけど、本質は同じだと思う。彼女は没頭するのが好きだった。私の世界に彼女とこの下呂温泉街が誕生する。タイトルはそうだな……「ろくろとラブレットピアス」彼女らしいタイトルである。小説を書くのは最初が肝心だ。まるで俳句の季語のように、最初の言葉で物語そのものが変わってしまうからだ。でも、そこもすんなり書けた。彼女が美濃焼を焼き続け、時代とともに代わり続ける美濃焼のように変化を続ける彼女……それに対して周りが変わっていく様子や、焼き物が、良くなっていく感覚……どうにも他人事に思えないような内容で、私の中の千鶴ちゃんは息をして、鼓動を刻んで生きている。文字数はどんどん溜まっていく。既に1000文字はかけていて……その後のプロットはまるで生成AIのように書きながら思い浮かぶ。ネタは小出しにするものだ。彼女は素敵な巻物だ。最初から要約のようにいい所を網羅するのではなく、シチュエーションごとに彼女の過去や良いところを書いていく。そうすることで文字数は4000文字まで行っていた。普段なら、ここで私は小休止を取るか筆を執るのを辞めてしまうのだが、どうにも収まりがつかない。れんれんとの触れ合いとか、今日の経験に私は良い意味で興奮を覚えており、それが活力になり、私の背中を押す。でも、やっぱり分からないところはある。例えば、千鶴ちゃんは逮捕された時はどんな気分なのだろう。親に見放された時は?ろくろを回し、失敗をして何度も投げ出した時は?恋人はいたのかな?なんておもったり……。私には理解できない感情だからだ。そういう時は……少しだけ筆が止まる。普段なら……ここで安酒を飲んでいるのだが、私は飛騨の地酒を1杯、千鶴ちゃんの徳利とぐい呑みに入れて、目が覚めるほどのサファイヤのような煌びやかな青色を見て思う。これは、間違いなく彼女の心の鏡のようなものなのだろう。形は、敢えて綺麗な平面ではなく歪みを見せて流れを作っている。そして、そ
last updateLast Updated : 2026-08-28
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スケベな友人が泥酔お姉さんのせいでまともになる件 12話

笛吹さんはあれからずっと書いていた。俺は別室でダラダラと時間を過ごして、彼女の集中を削がないようにしていた。彼女は良くも悪くも注意散漫……、彼女の注意を逸らしてしまうのは大きな損失になると考えているのだ。なので、俺はひと足早くベッドに向かうことになった。床でねることに慣れてる俺としてはふかふか過ぎてちょっと違和感がある。シーツはまるで絹の上にいるようなスベスベとした感触をしていて、身体を温めてくれている。俺のいる部屋は少し暗くなっているのと……バイクの疲れが一気に俺の肩にのしかかってくるようだった。いけね……ちょっと無理しすぎた。体が悲鳴をあげている。ここは少し早めに寝るとしよう。そんなことを思っていたら気がついたら俺は深い眠りに入っていった。夢を見たかも怪しい……そんな深い眠りについたのだった。☆☆……秋口に入ると、朝の音は静かになるものだ。子鳥のさえずりとかで起きたりするのだけど……それもなく時刻は朝の五時だった。少し明るいけどまだ朝の日差しは入っていない。冬になると日照時間が減ると聞くのだけど……まさにこの境目の時間がその事実を静かに伝える。そして、俺は起きようとするのだけど、昨日の疲れがまだ残っており、重力が疲れた肩や足などを強く引っ張ってる気がした。でも、何とか考える前に立ち上がる。俺は基本的に早起きなので習慣は大事にしていきたい。それはそうと……笛吹さんは……。俺は、彼女の部屋を見てため息をついた。彼女は……案の定寝落ちしていた。電気はつけっぱなし、テーブルに突っ伏してタブレットの電源も入っている。おいおい、大丈夫かよと思って彼女のテキストアプリを見ると、1文字毎に保存されるクラウドタイプのものだった。ああ……確かにガサツな彼女にはうってつけだ。俺は、せっかくのベッドの感覚も味わうべきだと思い彼女をベッドに運ぶ。彼女……確かに体に贅肉があるとは言ってたけど……それにしては身体が軽すぎた。体重は体感50kgもない気がする。もう少し栄養のいいもの作るべきか?と悩むほどだった。「だから……れんれん……目玉焼きはウスターソースがいいんだよ……あはは。」持ち上げると、彼女は寝言を言う。いや……どんな夢見てんすか。彼女をゆっくりと布団から降ろして布団を被せる。そして、彼女の小説の……「ろくろとラブ
last updateLast Updated : 2026-08-28
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スケベな友人が泥酔お姉さんのせいでまともになる件 13話

プルルル……聞き慣れない音が響き渡り、俺は目が覚める。眠気が身体を重くし、まるで10倍の重力がかかっているような気がした。辺りはもう明るくなっており、朝というより昼のような明るさになっている。…………音は鳴り止まない。目を覚ますと笛吹さんの足が俺の顔面を突くようになっていたなっており笛吹さんは南を、俺は北の方向でひとつのベッドに寝ていた。布団は床に落ちクシャクシャになっている。いや、相変わらずだけど寝相悪すぎる。どうやら、音の主はルームサービス用の電話のようだったので俺は静かに出ることにした。「……はい、もしもし……。」「あ!こちらフロントです!飯田様、おはようございます!」爽やかかつ滑舌が良い明朗快活な女性の声が聞こえてきた。どうやら、フロントからの電話だった。「……おはようございます。」「ああ!よかった、とっくにチェックアウトの時間が過ぎてましたので……延長かの確認のお電話だったんですけど。」「………………。」「飯田様?聞こえていらっしゃいますか?」時間を見ると、10時半を過ぎており俺は少しずつ青ざめてくる。やべえ、寝すぎた!だからあんなに鳴ってたのか!!「すみません、寝過ごしました!今すぐチェックアウトさせていただきます!」「ああ……かしこまりました!焦らず身支度されてからで大丈夫ですよ!」フロントのお姉さんが優しく話してくれる。いかん、良心が痛む……早く笛吹さんを起こさなければ。「笛吹さん!笛吹さん、起きてください!」何故か180°寝る時とは反対で寝てる笛吹さんを叩き起す。すると、笛吹さんはにへらと笑っていた。「なんだよ〜夜這い?まったく……これだから思春期は、まあいいよ……好きにして。」「チェックアウトの時間が過ぎとんじゃぼけえええ!!」「え〜今何時?」「10時半です!出ますよ!」「あ、ほんとだ〜寝すぎちった。じゃあまずはメイクでも……。」「いや、笛吹さん常にすっぴんじゃないですか!もう出ますよ!」「いや〜!せめて髪くらいは〜。」結局、出るのに1時間ほどかかってしまい、俺は必死にお姉さんに頭を下げることになった。ちなみに延長料金はきっちり払いました。☆☆俺たちは旅館を出たあとは足湯カフェで足湯に浸かりながら「温玉ソフト」というものを食べていた。文字通り、ソフトクリームに温泉卵が乗っ
last updateLast Updated : 2026-08-28
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