ジャズのレトロな曲が流れてる。バーテンがロックアイスを包丁で切ってブリリアントカットをして、ウイスキーの入ったロックグラスにクルクルと回してオシャレに渡す。なんというか、ここのバーテンさん妙に技術にクオリティがあった。その後にアルコールに火をつけて、テーブル横一列に撒き散らしてカウンターテーブルに日の壁ができる。青く弱い火が柔らかく萌えていて、その中を切るようにロックグラスをシュッと出すと、その部分だけ火が消えて初めてそれが危険行為ではなくパフォーマンスだと理解する。「お待たせしました、こちら白州のロックです。」「いや!びっくりしたわ!ちょっと〜、吉良さんと何話してたか忘れたじゃない!!」途中までお互いの経緯を話してた気がしたけど、私が調子に乗って白州飲みたくなってお願いしたらとんでもないパフォーマンスが着いてきた。「……お気に召しませんでしたか?」「いや!最高のクオリティよ、ありがとう!!」この店ががらがらなのは……恐らくパフォーマンスのクオリティが高すぎるのと、欲しくもないのにパフォーマンスしちゃうからだとこの瞬間初めての私でも理解してしまった。「……お前、多分もうちょい抑える方が儲かるぞ〜。」「いやいや!ここ最近だとあんたがエースなんでな!そりゃあVIP待遇にもなるさ!」そして、このバーテンさんちょっと空気が読めなかった。色々勿体ないな〜このバー。私はロックグラスの白州を呑む。程よく氷水でアルコールが入り交じり、白州独特の柑橘のような香りがこの空間を楽しませてくれる。「で、2人はどんな話をしていたの?」「ああ、そうでしたわね!私が教師で吉良さんがエンジニアさんという話をしていたところでした!」「いや〜ほんと、吉良さん社長だからね〜、こう見えても凄いんだぞー!」吉良さんはパッと見は頼りない印象だ。肌が痩せこけてるし、目の下のクマもあり冴えない雰囲気が全身から出ている。なので、私はバーテンの言葉に半信半疑だった。「いや!みなみちゃん疑ってるでしょ!」「……バーテンさん、たまに適当なんだもん。」「あ、バレた?」「もう!ほんと困った人!」そんな様子を苦笑いしながら同じ白州を飲む吉良さん。ほんと、缶ビールだけの私と違って酒を嗜んでるようだった。「でもな!元々は上場企業で月収40万も貰ってたよな!すぐ吉良っちの作
Last Updated : 2026-09-01 Read more