「な……なんの事かな〜?ほら、普通の母ちゃんだよ〜。」「橘遥香……うん、確か名前はそうだった。天野遥香……そうか、下の名前は本名だったんだな。」なんてことだろう、1番バレたくない人にバレてしまった。このままだと……クラス全員にAV女優の子どもとして広まってしまうことに……。「気にするな……お前も色々あるんだな。」「え?」「いや、人の家庭をネタにするほど俺も腐ってねえからよ、素敵な母ちゃんがいて羨ましいよ。」意外と……龍君は大人の対応だった。てっきり、やーい!お前AV女優の息子〜!とかいじられるかとビクビクしていたのに。今日1日彼と一緒にいてわかったが、彼は立ち振る舞いが狂気的なだけで意外と話がわかる人間なのだ。頭が良い分機転も利くし俺よりも理性的と言ってもいい。とはいえ……これでAV女優の母親という事実を知る人間が3人になってしまった。これ以上はまずい……。その後も俺たちは淡々と勉強を続け……9時になって言った。それにしても龍君の教え方は本当にわかりやすい。化学の分子構造もなぜこうなっているのか?など具体的に教えてくれるので今日彼の指導で苦手な理数系の科目が少し得意になってしまったほどだった。「いや〜、龍君がこんなにも教え方が上手とは思えなかったよ。分かりやすいし、適度に休憩を与えるけど時間配分も絶妙だよ。」「そうだな!いや、虎ノ門すげえよ!また教えてくれ!」「むう〜、悔しいけど教え方上手だから悔しいわ……もっと直輝君とそばにいれて私だけの時間で居られるはずだったのに。」あれ、なんか一人だけ不穏な感想述べてるけどまあいいや。「まあいいや、帰り道はどうするか……。」「じゃあ佐倉は俺と飯田で送ってけばいいや……。」「あれ?そしたら川崎さんは?」「んー、なおっち送ってくれるか?比較的近いみたいだし。」「え?川崎さんを俺が?」普通は彼女をおくって川崎さんを2人が送って行く方が自然だと思うけど……、帰り道は舞衣と龍君と飯田は全く同じ道だったので合理的と言えば合理的だった。「まあいいや、もし不安なら家の近くまで送るよ!」「うん……お願いします。」前の罵倒をする川崎さんとは違ってどこか大人しい雰囲気だった。あの時は舞衣に嫉妬してあんな雰囲気だったけど……普段の彼女はこんな感じなのかもしれない。「じゃあ、決まりだな!」☆
Last Updated : 2026-08-07 Read more