「あ、あの……はじめまして、聖女様。ルシエラ・フォン・ヴァルハイトと申します」差し出された華奢な手に応えながら、ルシエラは少し戸惑い気味に挨拶を返した。間近で見つめるエルミナは、息をのむほど美しかった。光を透かす白銀の髪に、宝石のように澄んだ赤い瞳。人々に「聖女」と崇められるのも納得の神聖な容姿である。……だが、その口から飛び出す言葉とテンションは、ルシエラが思い描いていた「静廉で神秘的な聖女像」とは大きくかけ離れていた。「エルミナでいいわよ、ルシエラちゃん! 聖女様なんて柄じゃないんだから。それにしてもすごかったわねー、あのドカンって音! 私のときはパリンって感じだったのに、ルシエラちゃんのはズガーンって蒸発しちゃってたもの! 負けちゃったわ〜」カラカラと鈴を転がすように笑いながら、エルミナはルシエラの手をぶんぶんと楽しそうに振る。その陽気でフランクすぎる態度に、ルシエラは深紅の瞳を丸くするばかりだ。(な、なんだか……すごく賑やかな人……?)神々しく圧倒的な「虹色のマナ」を纏っていた人物と同一人物とは思えないほどの軽やかさ。それでいて、その笑顔の奥にある思考の読めなさに、どこか不思議な感覚を覚える。そこへ、すささっと素早い動きで割り込んできたのはライネルだった。自然な動作でルシエラを背中に庇うように立つと、凛々しい顔立ちに警戒の色彩を少しだけ滲ませてエルミナを見下ろす。「失礼、聖女エルミナ殿。急に距離を詰められると、彼女が困惑してしまう。……第一王子のライネル・フォン・グラン・ヴァリアだ」「あらぁ、噂の王子様! かっこいい〜! ルシエラちゃんを宝物みたいに庇うのね。噂通りのラブラブっぷりで目の保養になっちゃうわ」ライネルの威圧的な雰囲気を、エルミナはパチンと手を叩いて一瞬で受け流してしまった。何を言われても全く動じず、それどころか面白そうに目を輝かせている。「ライネル様も魔力テスト、余裕の満点突破でしたものね。噂の規格外カップルに囲まれて、私、学園生活がとっても楽しみになってきちゃった!」「き、規格外カップル……!?」ルシエラは顔を真っ赤にして照れ惑い、ライネルも一瞬だけ眉をひそめたものの、エルミナのあまりのペースに毒気を抜かれたように息を吐いた。「……君は、その容姿で随分と賑やかな性格なんだな
ปรับปรุงล่าสุด : 2026-08-16 อ่านเพิ่มเติม