月光に照らされた湖畔での甘い接吻と誓いから、どれほどの時が流れただろうか。 夜風を切り、誰にも気づかれることなく本邸の最上階へと戻ってきた二人は、ルシエラの広大な自室へと静かに滑り込んだ。 室内のカンテラが優しく揺れ、二人をあたたかな光で包み込む。 ルシエラの頬は未だほんのりと赤く染まったままであり、ライネルもまた、どこか満足げで、けれど少し名残惜しそうな瞳でルシエラを見つめていた。 「無事に戻れたな。……公爵邸の警備も、もう少し鍛え直した方がいいかもしれない」 「ふふ、ライネル君と私を止められる警備なんて、この屋敷には最初から存在しないわ」 緊張から解き放たれたルシエラが、鈴を転がすような声でクスリと笑う。ふと訪れた穏やかな沈黙の中、二人は窓辺のソファへと並んで腰掛けた。 すると、ライネルがふっと思いついたようにぽんと手を打ち、深紅の瞳を輝かせた。 「そういえば……ルシエラ。素晴らしい案を思いついたんだ」 「えっ……? 素晴らしい案?」 首を傾げるルシエラに向き直り、ライネルはイケメンな笑みを深めながら、身を乗り出すようにして語りかけた。 「ああ。さっき、君は『18歳になったら待っている』と言ってくれただろう? ……だが、18歳になるまでのあと4年間、ただ指を咥えて君と離れて過ごすなんて、僕には到底耐えられそうにない」 「ライネル君……」 「だからね、ルシエラ。――16歳になったら、同じ学校に通わないか?」 「……! 同じ……学校に?」 思いがけない提案に、ルシエラは深紅の瞳を大きく見開いた。 ライネルはうなずき、胸の前で拳を力強く握りしめる。 「そうだ。我が国には、各国の王族や高位貴族の子弟が集う『王立中央学園』がある。16歳になれば誰もが入学を許可される場所だ。君は以前、16歳になったら学校に通うと両親に条件を突きつけただろう?」 「ええ……確かにそう言ったわ。外の世界を知りたくて、マルタと一緒に学園へ通うつもりだったの」 「ならば、行き先は決まりだ! 君がその学園を選んでくれるなら、僕も同じ時期に入学する。そうすれば、18歳の成人儀式を迎えるまでの2年間、僕たちは学園で共に学び、共に過ごすことができる!」 言葉に熱を込めるライネルの姿に、ルシエラの胸がトクンと温かく鳴った。
ปรับปรุงล่าสุด : 2026-08-13 อ่านเพิ่มเติม