謝罪文を確認する日は、朝から小卓の上が忙しかった。 ノエルはまだ謝罪文を読まない。 それは昨日決めた。 けれど、謝罪文が届いたことは知っている。 大人が先に確認することも知っている。 そのあと、何をどこまで聞くかは、またノエルが決める。 そのために、小卓には紙が三枚並んでいた。『謝罪文は、読まなくても謝罪文です』『わたしの心を開ける鍵ではありません』『中身で、今日のわたしを変えさせない』 ノエルは朝食前にその三枚を見て、しばらく黙っていた。 昨日より、目が少し眠そうだった。 たぶん、夜に何度か起きたのだろう。 セレスティアは、聞きたくなった。 眠れた? 怖い夢を見た? おばあさまの謝罪文が頭の中で泣いた? けれど、聞きすぎるのも違う。 だから、ただ温かいミルクを出した。 ノエルはそれを両手で持ち、少しずつ飲んだ。「今日は」 ノエルが言った。「小さい黄色じゃなくて、強い黄色がいいです」 セレスティアは頷いた。「庭へ行きますか」「行きます」「朝は少し冷えています」「上着を着ます」 リュシアンがすぐに立ち上がった。「私も行く」 ノエルは彼を見上げる。「伯父さまは、花を選べますか」「黄色なら分かる」「黄色の中にも、いろいろあります」「……教えてくれ」 ノエルは少しだけ満足そうに頷いた。「はい
Last Updated : 2026-10-05 Read more