共同確認の初日は、晩餐会よりも静かに始まった。 華やかな食卓はない。 銀の燭台も、香り高い料理もない。 王宮西棟の会議室にあるのは、長机と椅子、インク壺、砂入れ、そして山のような帳簿だけだった。 だが、クラリスには分かっていた。 時に、食卓で交わされる言葉より、帳簿の数字の方がずっと鋭く人を刺す。 「では、始めましょう」 レオンハルトの声で、会議室の空気が引き締まった。 出席者は多くない。 アルヴィア王国側からは、レオンハルト、クラリス、オスカー、王弟府の記録官、儀礼補佐官としてリーナ。 ノルヴァルト公国側からは、セルゲイ大使、エリナ夫人、大使館書記官のニ
Last Updated : 2026-09-03 Read more