北方監視砦。 崩れた古代遺跡の中央。 巨大な石門の前で、黒い異形が咆哮していた。 グォォォォォォォォォォォッ!!! 空気が震える。 兵士達が思わず後退した。「来るぞ!!」『ミーコ!!』『うん!!』 魔力が集まる。 タマが双剣を構える。 フィルニアも竜槍を握り直した。 異形はさらに膨れ上がる。 黒い霧が周囲へ溢れ出し、地面を這う。 草が枯れた。 石が黒く変色する。『まずい……』 ユキが顔を強張らせた。 その時だった。 トシオが前へ出る。「下がっとれ」 静かな声。 だが。 その一言だけでミーコ達は足を止めた。 トシオが右手を見下ろす。 手の甲。 蒼い紋章が淡く光っていた。 ブゥゥゥゥン…… 低い振動。 海鳴りにも似た音が響く。 光が集まる。 蒼い粒子が渦を巻き。 やがて一本の巨大な槍を形作った。 天裂海牙。 始まりの海槍。 蒼い紋様が脈打つように流れている。『じーちゃん……』 ミーコが息を呑む。 タマも目を細めた。 フィルニアはニヤリと笑う。「でたなっ!」 異形が咆哮する。 グォォォォォォォォォッ!! 次の瞬間。 突進。 黒い塊が一直線に襲い掛かった。 速い。 兵士達には追えない速度だった。 だが。 トシオは動かない。 ただ。 槍を軽く持ち上げる。 そして。 ブォンッ―――― 蒼い軌跡が走る。 ズバァァァァァァァッ!!! 異形の身体が真っ二つになった。 衝撃波が吹き抜ける。 兵士達が目を見開いた。「なっ……」「見えなかった……」 だが。 黒い霧が再び集まり始める。 ズズズズズ…… 裂けた身体が元へ戻る。『再生!?』 ミーコが叫ぶ。「面倒だな」 フィルニアが顔をしかめた。 異形は再び形を整える。 そして。 今度は無数の黒い腕を生み出した。 ゴギャァァァァァァッ!! 何十本もの腕が兵士達へ向かって伸びる。「ひっ……!」「逃げろ!!」 兵士達が青ざめる。 その時。 タマが飛び出した。『させるか!!』 ザシュゥゥゥッ!! 双剣が閃く。 数本を斬り飛ばす。 だが。 数が多い。 フィルニアも続いた。「どけぇぇぇぇっ!!」 ドゴォォォォォンッ!! 竜槍が炸裂する。 何本もの腕が吹き飛んだ。 それでも止まら
Last Updated : 2026-09-22 Read more