午前7時50分。月曜の朝。郵便局の前で、私は封筒を持っていた。久しぶりの手紙。正確には、友人への短いお礼状。メッセージで済ませてもいい。でも、もらった贈り物が嬉しかったので、なぜか紙に書きたくなった。窓口には40代くらいの女性局員。「普通郵便ですか?」「はい」重さを量る。「切手、通常のでいいですか? 季節の柄もありますよ」見る。小さなシートに、秋の花。コスモス。金木犀。どんぐり。「かわいい」「選べますよ」たった1枚。でも迷う。「どれが人気ですか?」「金木犀かな」「じゃあそれ以外にしようかな」局員さんが笑う。「人と違うのがいい?」「そういうわけじゃないけど、人気って言われると迷う」「分かります」「局員さんなら?」「私はどんぐり」即答。「なんで?」「丸くてかわいいから」理由が単純。私はどんぐりを見る。確かにかわいい。「じゃあ私もどんぐり」「影響されましたね」「かなり」切手を1枚出してもらう。「貼ります?」「自分で貼ります」小さな水のスポンジもあるけれど、シール式だった。便利。封筒の右上に貼る。少し曲がった。「あ」局員さんが見る。「曲がった」「大丈夫ですよ」「貼り直せない?」「無理しないほうがいいです」「じゃあこのまま?」「郵便は届きます」力強い。「これくらい曲がってても?」「ちゃんと料金分貼っ
Last Updated : 2026-10-05 Read more