今日も最近流行りの曲を口遊みながら出かける準備をする。昨日、山橋は「何かある前に」と僕に首輪をくれた。 毎日少しずつ会話をしていく中で、好きじゃないαと番になるかもしれないと溢してしまったからだろう。Ωの頸を守る首輪は安くても8,000円からだった。 19歳が支払うにはそれなりに高いのではないだろうか。それに、僕はお小遣いすら与えられていないのでお金を渡すことも出来ない。 慌てふためく僕に山橋は「東雲さんが好きじゃないαと番になる方が嫌だから」と呟いて僕の首にそっと嵌めていく。「これ、嵌めた人が鍵するようになっているんだ。俺が鍵を持っている限り、他の人は絶対外せないようになってるから安心して」「……嬉しい」 ……絶対、高い。値段が高い。 こんな僕の頸のために山橋は高額を払ってくれたの。「俺はβじゃない……東雲さんを絶対的に守れるわけじゃから」「僕は今、結構幸せかも……前に幸せになる権利は僕にもあるって言ってくれたけど、本当にそうだね」 山橋の指が僕の髪を撫でる。 心地よくてうっとりと目を閉じる。 彼がαだったら……なんて。 もしくは僕がβで健康な体だったら。一緒に生活したかったな。 鏡の前に立つ僕の首には高級な首輪。勝手に番にはされないもの。そっと撫でてれば自然と頬は緩み、家族が誰もいない隙を狙って玄関へ向かう。「結人、ようやく出てきたか」 目の前には九条がいた。慌てて玄関のドアを閉めようとするも力では敵わず腕を掴まれてしまう。「離してっ!」「……結人、何だこれは。ご家族からは結人に金は与えてないと聞いた。……誰からもらった首輪だ?」 ギロ、と睨まれ萎縮する。αの威圧。怖い。ぶるぶる
Last Updated : 2026-10-24 Read more