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All Chapters of 帰巣本能でαはΩへ還る: Chapter 81 - Chapter 90

91 Chapters

【番外編】6ドラマのような恋

 夜道を歩いていけばお腹が空いてしまい、途中でコンビニに寄って肉まんを購入する。店の前で2人ぼんやり頬張り、段々と明るくなっていく東の空を眺める。 僕たちは今流れている雲のように今後どうなるかわからない状態だった。それでも、この駆け落ちは2人だけの時間で。普通に暮らしている人からしたら反対されるような行動だったとしても。 僕を連れ出してくれた山橋――悠輔は救世主だった。 2人野垂れ死ぬのだったらそれでいい。間違っても、九条の元には向かわない。 ……でも悠輔を巻き込んでしまった。 彼にだって人生はあるのに。 本当にこれでよかったのだろうか。「もうすぐ来る始発の電車で、どこか遠くに行こ」 そんな僕の気持ちを知ってか知らずか、悠輔はキラキラした目で僕を見る。 いいの? 頼っていいの? 僕は病弱だから。 きっとお荷物になることが多い。「ドラマみたいな物語を俺たちで作って行こうよ」 肉まんを食べ終わった悠輔は僕に手を差し出す。 家族は怒るだろうか。でも勘当してくれたらいい。九条も、さっさと僕を諦めてくれたらいい。 ドラマみたいな恋。駆け落ち。 憧れていたんだ。好きな人と一緒になること。 手を繋いで駅に向かっていく。 いつかは僕たちの人生が誰かに語り継がれるだろうか。「どっち方面に乗る?」「じゃあ……こっち!」 僕が指差した方面のホームに向かい、路線図を眺める。「何処かで乗り換える?」「そうだね……東雲という苗字が浸透していない場所がいい」「おっけー。なら……こっち方面行く?」 僕らは比較的都会の方にいたけれど、悠輔が指差したのはこの場所から遠く離れた山奥。「のどかそうで、いいね」「あ、電車来た。……空いてる」 僕らみたいな若者が、2人で
last updateLast Updated : 2026-10-25
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【番外編】7見知らぬ土地

 電車を何本か乗り継いで。都会から段々と緑になっていく車窓を眺める。 最後に乗り換えた時は僕はもうヘロヘロで、悠輔の肩に凭れて長い間熟睡してしまっていた。朝日の差し込む車窓と肩から伝わる体温に温められながらの久々の深い眠りだった。最近はずっと、九条からの威圧に怯えていた毎日だったから。『次は――駅、――駅……』 流れるアナウンスで意識が覚醒する。体を起こせば「終点だよ」と悠輔が優しく言う。「すっごい寝ちゃってた……」「うん。ぐっすりだったよ」「久々に気持ちよく寝れた気がするんだぁ」「それは何より」 ホームに降りて、辺りを見渡す。 今まで見たことがない景色だった。 山と川と、連なるようにある町。 暫くは歩かないと何もなさそうだ。「……けほっ、ごほっ」「おっと。……大丈夫?」 悠輔が背中を摩ってくれる。それだけでありがたかった。家族も九条も僕を厄介者扱いするばかりで体調を気にしてくれたことはなかったから。「うん。大自然に空気を思い切り吸い込んじゃっただけ」「そう。ゆっくり歩いていこっか」 手を繋いで。町がある方角へ歩いていく。   *   のんびり歩いた先には小さな町。時刻は朝9時を回っていたのでカフェが一件開いている。少し休憩しよう、と中に入ると店員に悠輔は「ホットコーヒー」と頼み僕は「ホットココア」と頼んだ。「甘いの好きなんだ?」「うん。性別変わってから、全然外出しなかったから。……こうやってカフェに寄るのも久々だなあ」 目の前に置かれたホットココアの入ったカップを両手で包み込む。一口飲み「これからどうするの?」と尋ねる。「んー……住む場所とか、働き先とかを決めていかない
last updateLast Updated : 2026-10-26
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【番外編】8乱れる呼吸

 暫く発情期は来ていなかった。 恐らく、九条からの威圧でストレスがかかっていたからだろう。 よりによってどうして今? 悠輔といることで安心してしまったから? Ωにとって安心と危険は紙一重だ。 店内にいるαの視線が突き刺さる。(そりゃ、遠く離れた先でもαはいるよね……) 体がどんどん熱くなって何も考えられなくなる。苦しい。「結人、大丈夫⁉︎ 一旦外に出る……のはもっと危険か……どうすれば……抑制剤とか持ってる?」 そんなもの。持たされたことなんてなかった。ずっと家の中に閉じ込められていたから。荒い呼吸をしながら首を振る。「すいません、個室借りること出来ませんか?」 悠輔が店員に尋ねている。でも、中々承諾することは出来ないようだった。「面倒ごとにはしたくないので」 そう冷たく言われ、店を追い出されてしまう。「なんだよ、こっちは体調悪いのに放り出すなんて」「けほっ……悠輔はβだから知らなかっただけかもしれない……Ωはいつも、こんな態度をされるから……気にすることはないよ」 体が熱い。でも手足は寒い。ぶるぶる震えて蹲ることしか出来ずにいれば「せめてどこか落ち着ける場所があったらいいんだけど……」と悠輔が周りを見渡している。 悠人がもしαだったら。 頸を噛んで貰えるチャンスだったのかな。 βとΩでは番えないのはわかっているけれど。 Ωのフェロモンに当てられて外を歩いていたαが群がってくる。「美味しそうな匂いだ……おいお前、そこを退け」 僕の前に立ち塞がる悠輔にαの男が言う。
last updateLast Updated : 2026-10-26
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【番外編】9宝物

 温かい布団。 寝心地が良くて寝返りをし……ハッと目を覚ます。 そうだ。僕たちを助けてくれた人――芦屋 海都の家で休んでいた。上半身を起こし窓を見つめれば「あら、目が覚めたのね」と女性の声がした。 赤子を抱えて僕に微笑む女性は楓。芦屋さんの嫁だ。「僕、どれくらい眠っていましたか……」「丸3日よ」「丸3日⁉︎」 思わず大きな声を出してしまえば楓の腕の中にいた赤子がぐずり出す。「ああ、ごめんなさい……」「いいのよ。奏も良く眠る子だからね。結人さんが目覚めたから起きたのかしら」 僕を責めずに赤子――奏をあやしながら楓は言う。「生まれたばかり……ですよね」「ふふ、そうよ」「ずっとベッドを占領してしまって……すみません」「もう、謝らないで。わたしたちはβだから発情期のことはわからないけれど……明らかに体調悪い結人さんを放っておけるわけないじゃない」「……それ、海都さんも言っていました」 似ている夫婦だ。 楓の腕の中で「あー」「うー」と声を出す奏を見つめる。首が据わっていない。そのつぶらな瞳が僕を捉える。「よかったら抱いてみる?」「え? いやいやこんな小さい子を扱ったことなんて……」「結人さんが眠っている間に既に悠輔さんには抱かせたわ。ほら……そっとね」「え……えぇええ……」 僕が何か言う前に差し出されてしまい咄嗟に手を伸ばしてしまった。 両手に触れるのはとても温かな体温。胸元まで引き寄せて楓の見様見真似で体を横に揺らしてみる。「……奏くん」 
last updateLast Updated : 2026-10-27
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【番外編】10安心できる居場所

 海都はすぐ近くの工房で手漉き和紙を作っているらしい。僕が眠っている間に悠輔は見学に行っていた。そしたらみるみる魅了されてしまい「弟子にしてください!」なんて言ったのだそうな。「そんな簡単に出来ることじゃないよ?」「はい!」「どうしよう、楓。良い返事すぎる。まるで犬のように尻尾が見える」「手漉き職人は減っていく一方だから、体験させてみてもいいんじゃないかしら」「俺、なんでもやります! 雑用でもなんでも!」 こうして弟子として悠輔は工房で働くことになった。住む場所は見つかっても家賃を払えるお金が無かったのでしばらくは芦屋家に住まわせてもらうことになった。ある程度お金が貯まったら2人だけで暮らそう。 そう悠輔と決めて。 しかし僕の体調は発情期を過ぎてからも良くなかった。基本家にいるばかりで、楓が家にいない間に奏を見ることしか役割がなかった。(本当に、このままでいいのかな) 悠輔は頑張っている。職人になる夢を見つけている。僕も一度見せてもらってとても魅力を感じたけれど。……体力的に厳しかった。 楓が不在の中、奏を抱っこして今後のことを考える。奏はじ、とこちらを見つめている。「可愛いなあ」 頬を軽く突けばきゃっきゃと笑い声を上げる。暗くなりかけた気持ちも吹き飛び、今はただ奏を可愛がった。   *   芦屋家を離れるのが寂しくないかと問われたら嘘になる。本当に長い間、僕たちは5人家族のように過ごしてお世話になっていた。 僕は何も出来ないでいたけれど、工房で働きながら、海都と悠輔で新しく住む家を探してくれていたらしい。 芦屋家からそれほど遠くない、歩いてすぐの古民家。リフォームも2人がやってくれていた。 九条や僕の家族がこの地に来ることはなかった。上手く逃げ切ることは出来ていたのだろうか。 芦屋家には丸1年。楽しい時間だった。「何かあったならすぐに言って。
last updateLast Updated : 2026-10-27
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【番外編】11訪問者

「結人、俺工房行ってくるけど……体調はどう?」「けほっ……大丈夫、横になっていれば平気だよ」「……そう?」「うん。行ってらっしゃい」 僕の体調は悪くなる一方だった。 一度病院に向かい原因を調べたけれど医者には「原因不明」と言われてしまった。入院する選択もあったけれど……お金が当然かかってしまうし、悠輔と会う時間が減ってしまうなら……と断った。通院して、気休め程度にお薬を貰う日々。 悠輔には全てを任せてしまっている。僕はやっぱり何も出来なくて謝ってしまえば「謝るのは禁止!」と言われてしまう。「俺は家で結人が待っているだけで働く原動力になるのに」「本当に?」「そりゃそう! 前に工場で働いていた時はしんどかったけど、今は工房で海都さんも優しく指導してくれるし、楽しい毎日なんだ。だから、結人は安心してこの家にいて」  そう言われてしまったら何も言えなくなる……というのを2ヶ月に1回は繰り返している。悠輔は何も心配することはないと言ってくれるけど。僕はやっぱり気掛かりだった。何も出来ていないって。「結人は……今の生活が不満?」「不満じゃないよ。ただ……僕は悠輔に何も返せていないって思う……」 体が弱いから。出来ないのは仕方がない。わかってはいるけれど。割り切るしかないというのも頭ではわかっているけれど。 いつか捨てられてしまうんじゃないかって。 優しい悠輔がそんなことするはずないと知っているはずなのに。そんな不安がチラついてしまう時がある。「うーん」 悠輔は何と言えば僕が安心出来るかを考えてくれている。……そろそろ出勤する時間だよ。「遅刻するよ」「ヤバい! 行かないと! 行ってきます! 何かあったら連絡してね!」
last updateLast Updated : 2026-10-28
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【番外編】12母と僕

 心臓がドクドクと脈立っている。呼吸も荒くなる。どうしてここに母親が。 サッと周りを見渡すも他の人がいる気配はない。母親だけ。「……少しだけ、話してもいいかしら」 静かに。目を伏せて。申し訳なさそうに母親は言う。「……。……どうぞ」 玄関を通す。鍵を閉めて、居間に通す。 テーブルを挟んで向かい合って座る。「九条は?」「いないわ。わたし1人だけで来たの」「……何の目的で」「息子の様子を見に来ただけよ」 何を今更。母親面しているんだ。「αとはもう関わらないって決めてるから。帰ってよ」「結人。母さんは――」「今更ッ! 心配されたところで遅いんだよ! 気にかけてくれるならどうして家にいる時Ωになった僕を庇ってくれなかったのッ!」 思わず怒りに任せて叫んでしまう。突然に肺が驚いたように痙攣して咳き込む。「ひゅっ、かはっ」と過呼吸のように苦しむ僕に対して母親は「東雲家の質を落とすわけにはいかなかったのよ」と言う。「じゃあ、やっぱり僕は出来損ないだったんだ。僕が家出して清々した?」「逆よ。東雲家はもうめちゃくちゃよ」「……どうして? 出来損ないはもういないのに?」「……東雲家や九条家とか関係なく、Ωの奪い合いになったのよ」「……え? は? ……どういうこと?」「……まだ結人が家出したと気づいてなかった父や兄は土壇場でΩの結人を手放すのは惜しいとごねて、でも婚約していた九条は結人が欲しいと争いになって……酷いものだったわ」「……父さんや兄さんまで、僕を自分のものにしようとしてたって言うの……?」
last updateLast Updated : 2026-10-28
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【番外編】13僕がいなくなっても

「――ぃと……結人!」 日は暮れて部屋の中はすっかり暗くなっていた。体を揺すられる感覚にそっと目を開くと、悠輔がいた。悠輔の服で作った巣。「……遅くなってごめん。発情期治らない感じ?」「うん……抑制剤も飲んだけど……効果ないみたい」「そう……」 服の山を掻き分け上半身を起こす。悠輔は、僕と服の山をまじまじと見ながら「これが、巣作り……」と呟いてポッと顔を赤く染める。「え、どうしたの」「いや……結人が。俺を待ってくれていたんだって思うと。嬉しくなっちゃって」「……ふふ」 両手を広げたら悠輔の大きな体の中にすっぽり埋められる。温かくて力強くて良い匂い。 この町に住んでからも、しばらくは芦屋家にいたから。2人だけの時間というのはお預けだった。やっと、出来る。愛し合う時間。「結人」と呟く悠輔の優しい低音ボイスが耳元で囁かれるだけで、僕の体温は一気に急上昇した。 このまま欲に流されてもいい。 でも。同時に悠輔に頼みたいことがあった。「悠輔……お願いがあるんだ」「なに?」「……僕。子供が欲しいんだ」 目を見て伝えれば、熱を帯びていた彼の瞳は一気に覚醒したように見開く。「何を言って――」と反対されそうになった口を人差し指で塞ぐ。僕の話、聞いてくれる?「……今日、昼間に僕の母さんがこの家を尋ねて来たんだ」「え……住んでる場所がバレたってこと⁉︎」「それはいいんだ。母さん1人で様子を見に来ただけだったし、誰にも言わないって約束してくれたし。ただ……父さんや九条は、まだ僕を探しているみたいで」「……」「捕まっ
last updateLast Updated : 2026-10-29
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【番外編】14見つかる前に

 母親は九条たちに何も告げ口しなかったのは本当のようで、しばらく経っても誰かが家に訪ねてくることはなかった。 母親はただ本当に僕の様子を見に来ただけだった。……そういうものなのだろうか、母というものは。 しかし万が一のためにも「妊娠した」という報告は芦屋家以外には誰にも言わなかった。この期に及んで押しかけられたりでもしたら、尚更逃げるなんて困難だ。 僕たちは幸運に恵まれたのかあの日の一度の出来事で子供を体内に宿した。日が経つにつれて大きくなるお腹。様子を見に来てくれた楓に連れられた奏が不思議そうに膨らんだお腹を見ている。「お腹の中に赤ちゃんがいるんだよ」 伝わるかわからないけど。奏の手を僕のお腹に触れさせると、目をキラキラさせて僕のお腹を撫でていく。奏は2歳半。この中に命が宿っていること。何となくわかるかな。「あ、動いた。……奏くんに反応してるのかも」 絶対元気に、健康に産んでみせるから。今はまだ僕のお腹の中で待っていて。   *   臨月になり、家から病院へ移動し入院することになった。陣痛にかなり苦しみ気が遠くなるも、絶対にこの子を無事に産むという気持ちだけで痛みに耐える。 ……この時、とうとう九条が家を突き止めたらしい。しかし家には悠輔しかおらず、僕は入院中だったためシラを切ることが出来たようだった。悠輔が九条を知っていても、九条は悠輔が僕を連れ出してくれた人だと知らないから出来たことだった。それでも「結人はどこだ」と詰め寄る九条の姿は海都も見つけて追い払ってくれたらしい。 本当に、僕たちは芦屋家に助けられている。いつか恩返し出来たらいいな。「ぐ……、そろそろ、産まれる、のかな?」 痛みと、体の弱さと。けほけほ咳き込んでしまえば骨が折れそうだった。子供だけは守らないと。 両手をお腹に添え、撫でていく。 元気に産ま
last updateLast Updated : 2026-10-29
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【番外編】15悠輔と結人

 温かな日差し。 手を握られている感覚。 赤子の泣き声。 そっと目を開けると、悠輔が顔を覗き込んでいる。僕は……?「お疲れ様、結人。赤ちゃん無事に産まれたよ。元気な男の子だ」 隣の泣き声は僕の赤ちゃん――息子だったか。体は動かず、何とか首だけを動かす。おぎゃあおぎゃあと大きな声で泣いては小さな手を彷徨わせている。「悠輔……赤ちゃん、僕の腕に抱かせてくれる……?」「ああ」 悠輔が一度抱えたことでこれまた大きく泣き出し「わ、わー。嫌なのかな⁉︎ ほ、ほら! ママだよ〜」とおどおどしながら手渡される。そうか。僕がママか。 腕の中に感じるずっしりした重み。とても温かい。あんなに泣いていたのに僕が抱くとうとうとと目を閉じて眠っていく。「ママの方が落ち着くのかな」「これからパパが抱いていくんだから」「……そんなこと言わずにさ? もっと俺たちと過ごしていこうよ」 これからも家族3人で。 とても魅力的だった。 答えようとしたけれど、なんだか僕も猛烈に眠くなってしまい瞼を閉じる。「……結人?」「……うん」「結人。……ゆいと、まだ寝るなって」「んー……」 どうしても瞼を開けることが出来ない。腕の中にいる赤ちゃんの温もりを感じながら。意識が遠くなっていく。でも、これは伝えなきゃ。「この子の、名前は……〝悠人〟でお願いね……」 悠輔と結人から。悠人。 素敵な名前でしょ? 妊娠している時に、2人で考えていたんだ。男の子が生まれたら悠人にしようって。「うん、うん、わかった……ちゃんと申請しておく、から…&hel
last updateLast Updated : 2026-10-30
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