夜道を歩いていけばお腹が空いてしまい、途中でコンビニに寄って肉まんを購入する。店の前で2人ぼんやり頬張り、段々と明るくなっていく東の空を眺める。 僕たちは今流れている雲のように今後どうなるかわからない状態だった。それでも、この駆け落ちは2人だけの時間で。普通に暮らしている人からしたら反対されるような行動だったとしても。 僕を連れ出してくれた山橋――悠輔は救世主だった。 2人野垂れ死ぬのだったらそれでいい。間違っても、九条の元には向かわない。 ……でも悠輔を巻き込んでしまった。 彼にだって人生はあるのに。 本当にこれでよかったのだろうか。「もうすぐ来る始発の電車で、どこか遠くに行こ」 そんな僕の気持ちを知ってか知らずか、悠輔はキラキラした目で僕を見る。 いいの? 頼っていいの? 僕は病弱だから。 きっとお荷物になることが多い。「ドラマみたいな物語を俺たちで作って行こうよ」 肉まんを食べ終わった悠輔は僕に手を差し出す。 家族は怒るだろうか。でも勘当してくれたらいい。九条も、さっさと僕を諦めてくれたらいい。 ドラマみたいな恋。駆け落ち。 憧れていたんだ。好きな人と一緒になること。 手を繋いで駅に向かっていく。 いつかは僕たちの人生が誰かに語り継がれるだろうか。「どっち方面に乗る?」「じゃあ……こっち!」 僕が指差した方面のホームに向かい、路線図を眺める。「何処かで乗り換える?」「そうだね……東雲という苗字が浸透していない場所がいい」「おっけー。なら……こっち方面行く?」 僕らは比較的都会の方にいたけれど、悠輔が指差したのはこの場所から遠く離れた山奥。「のどかそうで、いいね」「あ、電車来た。……空いてる」 僕らみたいな若者が、2人で
Last Updated : 2026-10-25 Read more