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第41話 六つ目は、資料じゃない

翌朝。 美咲は、高瀬とともに旧黒崎グループ本社へ向かっていた。 五年前に使われていた本社は、現在では別の企業が所有している。 事件が起きた地下駐車場も、今では関係者以外立ち入り禁止になっていた。 「本当に入れるんですか?」 「正式な許可は取った。地下搬入口の記録を確認したい、とだけ伝えてある」 高瀬がそう答えた。 美咲は手元のコピーを見つめる。 そこには、前日に見つけた記録があった。 ──搬入口18番。 事件翌日の早朝。 午前五時十七分。 使用記録だけが残され、利用者の名前は削除されている。 「この時間に、誰が何のために……」 「それを確かめる」 地下へ続く階段を下りる。 かつて大型トラックなどが出入りしていた搬入口は、今ではほとんど使われていない。 18番のシャッターの前で、高瀬が立ち止まった。 「ここだ」 美咲は周囲を見回した。 何もない。 古い壁。 錆びた配管。 使われなくなった監視カメラ。 「記録では、この場所を誰かが使ったんですよね?」 「ああ」 「でも、カメラの映像は?」 「残っていない」 美咲の胸がざわついた。 まただ。 五年前の事件と同じ。 必要な場所の記録だけが、まるで意図的に消されて
last updateآخر تحديث : 2026-10-23
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