『どうしてこれほど愛しても、この人は少しも愛してくれないのだろう。この人は……どうして私を選んだのだろう』 エマは身体の中を行き交いするカイルを感じながらそんな事を考えていた。「んっ、私、もう……」 下腹部に疼くような熱を感じてエマは身体をしならせる。 けれどいくら甘い声を出してもカイルの口からは決して甘い言葉は聞こえてこないし、そんなエマに対してカイルが何を思っているのかも分からない。 エマを抱く腕はいつもこれほど熱いのに、カイルの愛だけはいつも冷たく、その綺麗な顔立ちと相まってまるで氷のようだ。 その事が余計にエマの心を押しつぶしていった。「はぁ、っ」 何かを我慢するようなカイルの声にエマの鼓動も自然と早まる。この人を愛している。もう何度そう思っただろう。 この人に愛されたい。もう何度そう思っただろう。「おい、力を、抜け」 息を詰めるようなカイルの声にエマは全身から力を抜こうとするが、エマの中はまるでエマの心の中を映す鏡のようにカイルを締め付けた。「エマ——っ!」「あぁっ」 何を言おうとしたのか、カイルはエマの名を呼び、腰をさらに強くエマに押し付けてくる。その衝撃にエマの下腹部はまるで喜ぶかのように彼をさらに奥へと促そうとした。それと同時にカイルの身体がビクリと震え、熱い飛沫と脈動を体内で感じる。 カイルは肩で息をしながらエマを恨みがましげに見下ろすと、ゆっくりとエマの中から自身を取り出していく。「はぁ、なぁ、もう一度いいか」「……はい」 エマはそれだけ言うのがやっとだった。カイルとの行為は決して一度では終わらない。 結婚してからほとんど毎夜のように身体を重ねてもなお、カイルは夜の間中エマを放さない。 それこそカイルがエマを愛している証拠なのではないかと言う人もいるだろう。 エマもこの三年間の間にたったの一度も愛を囁かれなくても、穏やかな夫婦生活が送れるのであれば、それでも構わないのではないかと思っている。 翌朝、エマが目を覚ますと、隣で寝ていたはずのカイルの姿はもうない。「……ああ、今日だっけ……」エマはノロノロとベッドから出ると、支度をしてメイドを呼んだ。 今日はカイルの幼馴染であるクロエ・ハワードと、カイルの異母弟ザックの婚約発表会だ。 普段よりずっと豪華なドレスに身を包んだエマは、ロングギャ
Zuletzt aktualisiert : 2026-10-23 Mehr lesen