いつだって、花嫁は私じゃない夫の帰りを待っていた時、スマホに通知が一件届いた。
結婚式のWEB招待状だった。
タップした瞬間、流れ出したBGMに私は息を呑んだ。
それは、愛し合っていた頃に彼が何度も歌ってくれた、あの曲だった。
ただ、結婚して三年。私たちにはまともな結婚写真一枚さえないのだ。
「いつか、こんな式を挙げてくれるはず」……そんな淡い期待を抱き続けてきた。
だが、招待状の新郎の欄を見た途端、思考が真っ白になった。
私と婚姻届を出した彼と同姓同名だった。
呆然と見つめた先にいたのは、白いタキシードを身にまとい、愛おしそうに微笑む私の夫だった。「大事な取引先の結婚式に行く」と言って家を出たあの男が……
そして隣に並ぶ新婦も、よく知る顔だ。
夫が事あるごとに口にしていた可愛い幼馴染。
写真の下には、小さい文字でこう添えられていた。
【待っていたよ。諦めなくてよかった】