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群衆描写で陥りがちなのが、均質な人々の羅列だ。実際の雑踏には赤ん坊を抱えた母親、荷物に追われるサラリーマン、写真を撮る観光客といった多様な『ストーリー』が存在する。
各人物に小さなアクションや特徴的なアイテムを与えると、画面全体にディテールの波が生まれる。例えば『鬼滅の刃』の無限列車編で、乗客たちがそれぞれ個別の仕草をしている描写は参考になる。制服姿の学生集団の中に1人だけ私服の人物を混ぜるなど、意図的な不規則性がリアリズムを強化する。
雑踏を表現するなら、『音』を視覚化する発想が面白い。叫んでいる人の口元、携帯で話す耳元、ガヤガヤとした背景に浮かぶ擬音文字。これらを散りばめるだけで、絵から騒音が聞こえてくるような効果が得られる。
密度の濃淡も重要で、駅の改札付近のような密集ポイントと、その周辺の緩やかな人流を対比させると自然さが出る。『スパイファミリー』の混雑した街中シーンを参考に、キャラクター同士の微妙な距離感を観察してみると発見があるかもしれない。
密集した群衆を描くとき、まず視線の誘導を意識するのがポイントだ。近景から遠景へと段階的に密度を変化させると、奥行きが生まれる。
人物のシルエットを完全に描こうとするとごちゃつくので、一部を意図的に隠すことも効果的。肩越しに見える後頭部や、腕の隙間から覗く顔の一部など、部分的な描写で『存在』を感じさせる。『進撃の巨人』の戦闘シーンみたいに、キャラクター同士が重なり合う構図を参考にすると動きが出る。
最後に、全体の流れを作るために、人々の進行方向を統一したり、逆にぶつかり合うベクトルを散りばめたりすると臨場感が増すよ。
混雑感を出すコツは視点の選択にある。鳥瞰図で描くと人々がアリのように均一に見えるが、肩口あたりの低いアングルにすると、背の高低差や前後の圧迫感が強調される。
特に効果的なのは、画面の端に大きくカットされた人物の一部を配置すること。これにより、絵の外側にも続く人混みを想像させられる。『君の名は。』の渋谷駅シーンの構図を分析すると、この手法が多用されているのがわかる。