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洋画なら『イット・フォローズ』がユニークな'つきもの'映画だ。性的接触を通じて移る謎の存在に追われる設定は、思春期の不安やトラウマを寓意化している。従来のホラーと異なり、昼間の明るい光の中でも逃れられない恐怖を描くのが新鮮だった。
カメラワークやサウンドデザインにも工夫が凝らされ、どこからともなく近づいてくる存在感が観客の緊張を持続させる。この作品が示したのは、'つきもの'の概念を現代風にアレンジする可能性の広さだろう。
『呪怨』シリーズの佐伯家の怨念は、場所に縛られる'つきもの'の典型例といえるだろう。家という日常空間が恐怖の舞台になる構図は、観客の帰宅後の心理にまで影響を及ぼす。伽椰子と俊雄の母子が生み出す不気味さは、単純なジャンプスケアを超えた持続的な不安感がある。
興味深いのは、時間軸を無視した非線形的な物語構成で、被害者がどの時点で祟りに遭うかわからない不安を巧みに演出している点だ。この作品以降、日本ホラーにおける'家憑き'の表現方法が大きく広がった。
アニメーションでは『うしおととら』が妖怪憑きをテーマにした冒険活劇として出色の出来栄えだ。人間に憑依する妖怪・白面の者と対峙する過程で、主人公の成長と絆が描かれる。伝統的な憑き物概念を、少年漫画の熱い展開と融合させた点が評価できる。
特に面白いのは、憑依が必ずしも悪意だけではない多様性で、時にはパートナーシップに発展する関係性だ。妖怪文化の新しい解釈を提示した作品といえる。
『リング』は日本ホラー映画の金字塔として、'つきもの'という概念を現代的な都市伝説に昇華させた傑作だ。貞という怨霊がテープを通じて憑依する設定は、当時の観客に強烈な衝撃を与えた。
特に印象深いのは、映像メディアを媒介とする祟りのシステムで、テクノロジーと超自然が融合した点が革新的だった。山村貞子の背景描写も丁寧で、単なる怪物ではなく深い悲劇性を帯びたキャラクターとして記憶に残る。こうした複層的な恐怖表現が、後のホラー作品に与えた影響は計り知れない。