言葉の余韻を噛みしめることが多いので、『
メランコリー』という日本語の英語対応を整理してみたくなった。
僕がまず押さえるのは、直接の対応語はやはり "melancholy" だという点だ。英語での "melancholy" は名詞として「もの哀しさ」や「憂鬱」を指し、形容詞 "melancholic" は「憂いを帯びた」「物憂げな」というニュアンスになる。文学的・詩的な場面でよく使われ、静かで内省的な悲しみを表すのに向いている。たとえば "He felt a deep melancholy after the concert." のように、ひどく重くはないが心に残る哀愁があると伝えられる。
対照的に "melancholia" は歴史的・医学的な語で、古い文献では深い抑うつ状態や病的な症状を指すことがある。日常会話では滅多に使わないし、使うときはより重い意味合いを伴う。もっと一般的な言葉だと "sadness" があるが、これはどんな悲しみでも広く当てはまる単語で、トーンがややフラットだ。軽い心の沈みをカジュアルに言いたいときは "feeling blue" が便利で、くだけた表現になる。
他の近い語も区別すると役に立つ。"gloom" や "sorrow" は重苦しさや喪失の感覚が強く、"wistful" や "nostalgic" は過ぎ去ったものへの切ない思いを含む。だから場面によって選ぶ語が変わる。詩的に静かな哀愁を伝えたいなら "melancholy"、一般的な悲しみなら "sadness"、長期的で臨床的な抑うつを言うなら "depression" や歴史語の "melancholia" を用いるのが自然だと僕は感じている。こうした微妙な差を知っておくと、英語で気分や感情を表現する際に伝わり方がぐっと変わるよ。