メランコリーを帯びた世界観を再現するには、小物選びが鍵になると信じている。
衣装そのものよりも、細部で空気感が決まる場面が多いから、小さなアイテム一つで印象ががらりと変わる。まずは色調を統一すること。くすんだグレー、セピア、くすんだ藍色や薄いベージュを基調にしたリボンやスカーフを選ぶと、背景と馴染みやすい。素材はマット寄りが鉄則で、光るプラスチックは避ける。古びた金具のブローチやヴィンテージ風のロケット(中に写真や小さな紙切れを入れる)を胸元やブレザーのラペルに付けると、語られざる物語が匂う。
さらに、手元に持つ小物で物語を補強する。黄ばんだ手紙の束、折り目のある古書、傷のついた懐中時計、欠けた陶器の破片風のペンダントなどは視線を引き寄せる効果が高い。小さな乾燥花や
押し花を封入した樹脂チャームも、儚さを添える。靴や手袋にはわざと軽く擦れや汚しを入れて、生活感と時間の経過を感じさせるのがコツだ。
メイク周りではツヤを抑えたマットなベース、少し落としたアイメイク、口元は血色を抑え気味にすることで、全体のトーンを壊さずに表情が出せる。小物と表情が一致したとき、あの独特のメランコリーな空気が完成する。個人的には、'少女革命ウテナ'の審美性に影響を受けつつ、自分なりの解釈で古物と布の組み合わせを楽しんでいる。