あなたは面白い 駄洒落をプレゼンでどう活用しますか？

駄洒落の活用は、場面や目的に合わせた“演出”だと考えている。堅い会議で軽く場を和ませたいのか、新しいアイディアを印象づけたいのかで使い方が変わる。私は以前、技術レポートの要点をまとめる場で一度だけ駄洒落を入れてみたことがある。狙いは緊張緩和と聴衆の再集中で、結果として議論の活性化につながった。

具体的には、駄洒落は導入・橋渡し・クロージングのいずれか一箇所に限定するのが安全だ。導入で使う場合は冒頭の真剣さを損なわない短いフレーズにして、その後すぐに核心に入る。橋渡しのときはデータの切り替え点で一呼吸置く役割を担わせる。締めくくりに用いるときは、聞き手の記憶に残る比喩として機能させるが、ここでも本題の言い換えになっていることが重要だ。

場の空気や聴衆のバックグラウンドを事前に把握することも欠かせない。ある作品のネタが通じないと滑るだけになるからだ。例えば、『進撃の巨人』に関する一言ネタを用いるなら、その場に作品を知る人が多いか確認しておく。最終的には、駄洒落はツールの一つに過ぎない。濫用せず、目的を明確にして使えば効果的に働くと感じている。

短いパンチラインで勝負するのが好きで、駄洒落はスライド一枚に一つの役割を与える感覚で使っている。最近は情報過多のプレゼンが多いから、記憶に残すためのスパイスとして駄洒落を差し込むことが多い。個人的には終盤の要点整理で軽く一発入れると、会場が和らぎつつ主張が頭に残ることが多い。

実務的なテクニックをいくつか挙げると、まず視覚と連動させること。ワンフレーズの駄洒落を大きく表示しておき、話すときは短く。次に“振り”を出すこと、前のスライドで問いを提示しておいて、それに対する答えとして駄洒落を置くと落ちが生きる。あとは言語のダブルミーニングを避けるために、聞き手がすぐ意味を取れる表現を選ぶこと。

参考にする文化ネタは場に合わせて選ぶのが鉄則だ。僕はスライドの最後に『ワンピース』を思わせる一言をそっと置いて締めたことがあって、その場では笑いと共に主題がよく伝わった。やり過ぎなければ、駄洒落は強力な記憶のフックになる。

面白い駄洒落はプレゼンに“小さな違和感”を仕込む感覚で使うのが好きだ。聴衆の注意を引くために冒頭に軽く投げることもあるし、重たいデータの直後に一つはさんで空気をリフレッシュすることもある。僕がやるときは、駄洒落を目的化しないように注意している。狙いは笑いそのものではなく、注目の再集中とメッセージのアクセント付けだからだ。

実践的には二つだけ守る。まず、駄洒落は必ず要点に結びつけること。たとえば『ドラえもん』の四次元ポケットを例に「問題解決のポケット」と言ってから具体策を示すと、ジョークが理屈とつながって理解が深まる。二つ目はタイミングと長さ。駄洒落は短く、すぐ次のスライドで本題に戻す。笑いが続く余地を残さず、話の流れを崩さないようにするのがコツだ。

仕上げとしてはリハーサルで同僚に試す。文化や世代で受け取り方が違うので、微調整が必要になることが多い。視覚的な補助（アイコンや一枚絵）を添えると意味が伝わりやすく、聴衆が戸惑わずに笑える。大事なのは、駄洒落を使って自分の主張を弱めないこと。うまくハマれば、記憶に残るプレゼンにしてくれるはずだ。