近代の物語に目を移すと、イメージの変異が面白い。ギリシャ神話のトリトンやヨーロッパ各地の人魚伝説が民話として広まっていき、それが文学や絵画に取り込まれていく。20世紀になると、海の異形を恐怖として描く幻想文学が現れ、特に『The Shadow over Innsmouth』のような作品では人間と魚のあいだにあるグロテスクな境界が主題になる。一方で、コミックやヒーロー文化では海洋の文明や亜種としてもっとポップに描かれてきた。例えば『Aquaman』は海底に住む人々や王国の設定を通じて魚と人間の関係を語るタイプの表現だ。