生々しい泥や瓦礫の中をひた走る描写に惹かれることがある。荒廃した舞台でも“まっしぐら”を体現するのがうまい作家の作品は、感情の爆発が伝わってきて胸が熱くなる。
私がよく目に留めるのは、'進撃の巨人'の偵察兵が突進する瞬間を切り取ったファンアートだ。カメラアングルを低めにして足元の土煙を大きく描くと、被写体の重心が前に傾いて見える。同時に遠近による縮尺差を強調して、後ろから迫る脅威と前へ進む意思が対比されると、作品全体のドラマ性が増す。
感情表現では、表情の決意や歯を食いしばるラインを細かく描くとよい。色調は寒色で統一しておくと、はっきりした一点の暖色(血や
夕陽)がより際立ち、まっしぐら感が強く伝わる。こういう作品を探すと、衝動と覚悟が混ざった美しさに何度も引き込まれるよ。