サウンドトラックのすごさは、ジャンルの多様性にもある。『I Really Want to Stay at Your House』のようなポップチューンから、『Delicate Weapon』の不気味な電子音まで、街のあらゆる層を表現している。特にクライマックス近くで流れる『Where Did Your Love Go?』は、プレイヤーの選択によって全く異なる感情を呼び起こす仕掛けが巧妙。音楽が単なる伴奏ではなく、ナラティブの一部として機能している好例だ。
レイバー・ジャックのボス戦でかかる『Kill the Messenger』の激しいビートも印象的だった。戦闘の緊張感を高めるだけでなく、敵キャラクターの背景までも暗示するような歌詞が秀逸。
リジェネシスのサウンドトラックは全体的に深みのある音作りが特徴で、特に『The Weight of the World』という曲が印象的だ。
この曲は重厚なオーケストラとエレクトロニックサウンドの融合が絶妙で、ゲームの重たいテーマをうまく表現している。主人公たちの葛藤や世界観の深さを感じさせる旋律は、何度聴いても胸に迫るものがある。特にクライマックスシーンで流れるバージョンは鳥肌ものだ。
もう一つ注目すべきは『City Ruins』で、廃墟となった都市の雰囲気を壊滅的な美しさで描写している。静かなピアノの旋律が次第に複雑なアレンジに発展していく様は、ゲームの世界観そのものを音で表現しているようだ。
『リザンテラ』のサウンドトラックは、ゲーム世界観を深める魔法のような音楽ばかりだ。特に『Song of the Ancients』シリーズは、謎めいた旋律と重層的なアレンジが特徴で、プレイヤーを異世界へ引き込む力がある。ピアノとエレクトロニックサウンドの融合が、廃墟と機械が共存する舞台にぴったりだ。
『Emil / Karma』も忘れられない。戦闘シーンで突然流れるこの曲は、疾走感と悲しみが混ざり合い、キャラクターの複雑な運命を象徴している。ボーカルトラック『Weight of the World』は言語バージョンごとに表情が変わり、英語版の切なさ、日本語版の儚さ、造語版の神秘性がそれぞれの楽しみ方を提供してくれる。
曲を聴くとき、いつもまず人物像から音を想像する癖があって、クロエ=反骨心と寂しさが同居するキャラクター像が浮かぶ。だからおすすめの一つ目は、'Life is Strange'のオフィシャル・サウンドトラックに収録されているインディー寄りの楽曲たち。特にSyd Mattersの「To All of You」はクロエの切なさと希望の揺らぎをよく表現していて、何度聴いても胸が締め付けられる。
次にスコア面では、ゲーム内でクロエの出番に多用されるアコースティック主体の短いフレーズ群を追ってみてほしい。ジャンルで言えばフォーク寄りのギターや控えめなストリングスがクロエの繊細さを際立たせるので、シーンごとに流れる短いスコア曲を断片的に聴き比べるだけでも新しい発見がある。僕にとっては、この組み合わせがクロエ像を最も生き生きと感じさせてくれる。最後に、ゲーム外でのカバーやアレンジも侮れないので、ピアノやギターソロのインストアレンジもチェックしてみてほしい。