火と向き合う時間はいつも奥が深く、
飯盒炊爨の火加減を安定させるときには細かな工夫が効く。まず基本として薪の種類と燃やし方を決めることが肝心だ。湿り気の少ない硬い木(広葉樹)があれば火持ちが良く、火力も安定しやすい。着火直後はティーピー(小さなピラミッド状)に組んで勢いよく燃やし、ある程度炎が立ったら中火~弱火向けに薪を崩して炭化させ、飯盒を乗せるときは赤い炭の層を作るようにする。こうすると一気に強くならず、熱が安定する。
次に火床と風対策。平らな石や金属プレートで簡易的な台を作ると飯盒の底が均一に当たるのでムラが減る。周囲に石で囲ったり、風防を立てたりすれば炎の揺れを減らせる。特に風がある日は風防なしだと火力が上下しやすく、飯盒の底だけ焦げるか中心が煮え残る原因になるから、風を切る工夫は必須だと感じている。
燃料の供給もコツがある。大きな薪をそのまま投入するより、小さな薪や割り木を少量ずつ足していく“少しずつ給油”方式が非常に有効だ。私は火の状態を見ながら、火力が落ちそうになったら少量の細木を足すことで常に一定の熱量をキープするようにしている。さらに灰を適度に撒いて火を寝かせたり、逆に通気を作って火勢を上げたりして温度調節することも可能だ。
最後に飯盒自体の扱い。蓋をきっちり閉めて蒸気を利用する、底に耐熱の拡散板を敷く、鍋底を少し高めにして直火からの距離を確保するなどで加熱ムラを減らせる。自分はいつも炊飯の最初は強火で一気に沸騰させ、泡の出方を見てから弱火に落として蓋をして蒸らすやり方をしている。こうした段取りと小さな手入れの積み重ねで、ソロでも飯盒炊爨の火加減はぐっと安定すると思う。