19世紀の英国政治で火花を散らせた
ディズレーリとグラッドストンの確執は、単なる政策の違いを超えた性格や世界観の衝突だった。保守党のダンディな戦略家ディズレーリが帝国の栄光を演出する一方、自由党の道徳家グラッドストンは財政改革と倫理政治を掲げた。
両者の対立が鮮明になったのは1867年の選挙法改正で、ディズレーリが労働者階級に選挙権を拡大した戦術的勝利に対し、グラッドストンは『政治道徳の堕落』と激しく非難。ヴィクトリア女王がディズレーリを寵愛したことも、グラッドストンの反発に拍車をかけた。
面白いのは、ディズレーリが『彼は自分の棺桶に釘を打ち込むような男だ』と揶揄したように、グラッドストンの自己犠牲的な姿勢がかえって庶民の支持を集めた点。政治スタイルの違いが、現代まで続く英国二大政党の原型を形作ったのだ。