ちょっと意外に思えるかもしれないけれど、‘
ウィッチ’のサウンドトラックについて話すとき、ファン同士で真っ先に名前が上がる曲はジャンルや感情の幅が広いことが多いです。自分も何度も繰り返し聴いていて、そのたびに別の部分が胸に響く。単に耳に残るメロディというだけでなく、物語の核やキャラクターの心情を一音で表現している曲が「名曲」と呼ばれる傾向が強いと感じます。
多くのファンが口にする代表的なタイプを挙げると、まずオープニング/序曲的な力強いテーマがあります。高揚感と不穏さを同居させるようなアレンジで、その一曲を聴いただけで劇中世界に引き込まれる。次にメインモチーフ──物語全体を象徴する短い旋律が繰り返される曲。これが効果的に使われると、同じ旋律だけで場面の重みが増すため、ファンの間で「名曲扱い」されやすいです。
それから、儀式やオカルト的な場面を彩るアンビエント曲も人気です。低音のドローンや不協和音、民族楽器や声を加工したサウンドを用いて不安感や神秘性を演出するタイプで、映画やドラマの中で視覚的な恐怖や緊張を強める働きをするため、印象に残る人が多い。キャラクターごとのテーマ曲も評価が高く、特にあるキャラの内面が変化する場面に寄り添うピアノや弦楽器中心の小品は「涙が出る」「心に刺さる」といった反応をよく見かけます。
個人的に特に好きなのは、静かなピアノや弦楽のミニマルな曲がクライマックス直前に置かれていて、観客の心の余白を作るタイプ。こういう曲は派手さがないぶん、後からじわじわ効いてくるので、ファンの間では「名曲」の筆頭に挙げられがちです。エンディングやクレジットで流れる曲も忘れられません。物語の余韻を受け止めるラストトラックは、作品全体の評価を左右することすらあると感じます。
結局のところ、ファンが‘ウィッチ’のサウンドトラックで名曲と評するのは、単独で美しいかどうかだけでなく、その曲がどれだけ物語やキャラクターと結びついているかに依るところが大きいです。だからこそ同じ曲に何度も向き合ってしまうし、語り合いたくなる。聴くたびに発見がある、そういう曲がファンの間で永く愛されるのだと思います。