フォークナーの代表作『響きと怒り』のあらすじを簡単に教えてください。

2026-02-02 22:30:36 181

5 Answers

Kate
Kate
2026-02-03 09:19:43
この小説、最初は『フォーテュネ・プレス』誌に掲載された時、酷評されたんだ。今では現代文学の傑作とされるけどね。

4人の語り手がそれぞれユニークで、ベンジャミンの感覚的な世界、クエンティンの哲学的な独白、ジェイソンの歪んだ現実主義、そしてディルシーの穏やかな観察眼。

特に印象的なのは、時間の扱い方。時計を壊すシーンや、過去と現在が入り混じる表現が、人間の記憶のあり方を問いかける。
Hannah
Hannah
2026-02-04 20:15:44
20世紀文学の金字塔と呼ばれるこの作品、実は最初は全然売れなかったんだよね。4部構成で、1928年の4日間と1910年の1日を描いている。

コンブソン家の没落を、長女キャディの失墜を軸に描く。面白いのは、同じ出来事を兄弟それぞれが違う形で記憶しているところ。特にクエンティンの章は句読点もほとんどなく、自殺直前の狂気が伝わってくる。

文体の実験性もさることながら、南部貴族の没落と人種問題を絡めた社会的な深みもある。読むたびに新たな発見がある複雑な作品だ。
Harper
Harper
2026-02-05 12:44:14
フォークナーの実験的な手法が光る作品と言えば、この小説を外せないね。3人の兄弟と使用人による多声的な語りで、1つの家族の悲劇が浮かび上がる。

特に興味深いのは、最初のベンジャミンの章で、知的障害のある少年の認識がそのまま文体に反映されているところ。時系列がぐちゃぐちゃで、読者は自分で状況を整理しなければならない。

クエンティンの章ではハーバードの学生の自殺直前の心理描写が延々続き、ジェイソンの章では歪んだ性格が露骨に表現される。最後に黒人使用人の視点で全てが収束する構成が秀逸。
Walker
Walker
2026-02-07 12:04:51
フォークナー作品の中でも特に難解と言われるけど、読み解く楽しさがあるんだ。南部の名家コンブソン家の物語で、中心にはキャディという娘がいる。

面白いのは、キャディ本人の視点は一度もなく、周囲の人物の記憶を通じてしか描かれないこと。兄弟たちの歪んだ愛情や、人種差別が色濃く残る時代の空気が伝わってくる。

特にジェイソンの章の怒りに満ちた語り口は圧巻で、読後も長く残る嫌悪感を覚える。最後の穏やかな章でほっとする構成もうまい。
Riley
Riley
2026-02-08 16:17:39
『響きと怒り』はアメリカ南部を舞台にした複雑な家族の物語だ。コンブソン家の没落を、4つの異なる視点から描いている。

最初は知的障害を持つベンジャミンの視点で、時間が非線形的に流れる独特の表現が印象的。次に自殺を考えているクエンティンの長い独白があり、時間への執着と家族の名誉へのこだわりが痛々しい。

ジェイソンの章では冷酷な性格が露わになり、最後は使用人ディルシーによる客観的な視点で物語が締めくくられる。各章の語り手の文体が全く異なり、読者はパズルのように真実を組み立てていく面白さがある。
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フォークナーの『アブサロム、アブサロム!』のテーマについて解説してください。

5 Answers2026-02-02 17:51:25
フォークナーの『アブサロム、アブサロム!』は、南部の没落した名家サトペン家を中心に、人間の欲望と破滅を描いた重厚な叙事詩だ。複数の語り手が異なる視点から物語を紡ぐことで、真実が相対化されていく手法が特徴的で、読者はまるでジグソーパズルを解くように物語に向き合うことになる。 特に興味深いのは、トーマス・サトペンが『設計』と呼ぶ野望の崩壊過程だ。彼が築こうとした『完璧な家系』は、人種差別や近親相姦といったタブーの連鎖によって瓦解していく。この作品は単なる家族の悲劇ではなく、アメリカ南部が抱える歴史的トラウマの暗喩として読むべきだろう。最後に残るのは、過去に囚われた人間たちの無力さと、語り継がれること自体が持つ暴力性だ。

フォークナー作品を初めて読む人におすすめの本はどれですか?

5 Answers2026-02-02 18:38:10
フォークナーの世界観に浸るなら『響きと怒り』が最適だと思う。複数の視点から語られる物語は最初は混乱するかもしれないけど、読み進めるにつれてその複雑さが魅力に変わっていく。 特にベンジーの章の独特な時間感覚は、フォークナーの文体の真髄を感じさせてくれる。登場人物の心理描写が細やかで、読むたびに新たな発見があるのもこの作品の特徴。最初はざっくりと流れを追い、二度目に細部を味わうのがおすすめ。

フォークナー作品の翻訳者でおすすめの人はいますか?

5 Answers2026-02-02 06:03:19
翻訳の質を考えると、野崎孝さんの仕事は特に際立っています。『響きと怒り』の訳は、フォークナーの複雑な文体を見事に日本語に落とし込んでいて、原作の持つリズムやニュアンスを損なわないように配慮されています。 野崎訳の特徴は、長い文章の処理が巧みな点。フォークナー特有の延々と続く文を、日本語として自然に読みやすくしながら、原作の息苦しいほどの緊迫感を保っているんです。特にベンジャミンの視点の章など、難解な部分の訳文は、他の翻訳と比べてみるとその違いがよくわかります。

フォークナーがノーベル文学賞を受賞した理由は何でしょうか?

5 Answers2026-02-02 06:44:48
フォークナーの作品には、人間の苦悩と救済を深く掘り下げた普遍的なテーマが詰まっています。『響きと怒り』や『アブサロム、アブサロム!』では、時間の非線形的な語り口や複雑な心理描写を通じて、南部の歴史と個人の運命を重層的に描き出しています。 彼の文体は決して読みやすいものではありませんが、その難解さこそが人間の意識の流れを忠実に再現していると言えるでしょう。ノーベル賞委員会は、こうした文学的な革新性と、戦後の混乱期における人間性への深い洞察を高く評価したのだと思います。特に1949年の受賞時には、世界が求めていた「人間の栄光」についてのメッセージが、彼の作品に強く表れていたのでしょう。
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