制作陣のアプローチは意図的に二面性を強調しているように見える。原作では
ミネルヴァの冷徹さや計算高さが細かな内面描写でじっくり描かれていたのに対して、アニメ版は表情や台詞回しでわかりやすく「即効で伝わる」印象に寄せている。細部のニュアンスが削られるぶん、視聴者が感情を読み取る余地は狭まるが、そのぶん目の動きや間(ま)が強調されて瞬間的な印象は強くなる。
戦闘描写や能力の扱いにも手が入っている。原作で段階的に見せていた技の昇華を、アニメでは派手な演出に統合して見せ場を作るため、能力の起源や条件説明が省略されることがある。私は最初その簡略化に違和感を覚えたけれど、映像としての魅力が増している場面も多く、結果としてキャラの「強さの見せ方」が変わったと理解している。
声の演出やカメラワークが加わることで、ミネルヴァは原作よりも一層「現在の場面でどう振る舞うか」が前面に出たキャラクターになった。ドラマ性を優先した改変が好みかどうかで評価は分かれるが、少なくとも映像作品としての説得力を持たせるための取捨選択だったと思う。