ふと頭に浮かんだのは、
物ぐさキャラの“らしさ”を無理に動かそうとしない方向で考えることだった。そういうキャラは“やらないこと”に愛嬌があるから、商品も“いかに楽をできるか”を前面に出すのが肝心だと感じた。
まず体験価値に寄せたグッズ案をいくつか出す。抱きしめると安らぐサイズ感のぬいぐるみ(中に薄く柔らかいウェイトを入れて抱き心地を重視)や、肩にかけられるポンチョ型のブランケット。どちらもただのファン向けではなく、実用性を兼ね備えていて「出したらそのまま使える」状態にしておくのがポイントだ。次に“一歩も動かず楽しめる”をテーマに、スマホでキャラを応援すると限定スタンプや音声が降ってくるデジタル連動グッズ。通知を受け取るとキャラがゆっくり反応するUIにしておけば、ファンの“見てるだけ欲”を満たせる。さらに、自分で組み立てる必要がないワンアクション型の収納ボックスや、片手で使えるミニトレイなど、物ぐさの手間を減らす日用品も相性が良い。
販売戦術としては、開封が苦にならない簡素パッケージを採用し、紹介動画は短くてリズムの良い“だらだら推し”形式にしたい。私はSNSでの短尺クリップ(15〜30秒)を中心に、ユーザーが「今日は何もしたくない」投稿をすると景品が当たるキャンペーンをやると面白いと思う。価格帯はライトなファン向けに低めの小物(500〜1500円)を用意しつつ、限定版やセットで高め(5000〜10000円)も設けて幅を取るのが賢い。最後に、商品説明の文言もキャラのトーンを活かして“やる気ゼロでOK”みたいな安心感を出すと、手に取る心理的ハードルが下がるはずだ。こうして“怠けることを肯定する”グッズ群を作れば、物ぐさキャラの魅力を自然に売れる形にできると考えている。