禁欲系の彼を諦めた後、彼は後悔した禁欲系御曹司である陸奥俊彦(むつとしひこ)を追い求めて三年、私は結局、彼と結婚することはできなかった。
仏教を信仰している陸奥家には代々のしきたりがある。陸奥家の人間と結婚するためには、自ら「大吉」の御籤を引かなければならない。
だが、私が引いた九十九回の御籤は、すべて「大凶」だった。
そして百回目を引く直前、私はこの目で、俊彦が籤筒の中身をすべて入れ替えるところを見てしまった。
「何度引こうと、彼女は必ず大凶しか引けないさ」
その瞬間、私はようやく悟った。彼は確かに私を愛していないのだ。
もういい。私だってもう彼と結婚したくない。
私は籤筒を投げ捨て、振り返って両親に電話をかけた。
「葉山(はやま)家との縁談、私、承諾するよ」