批評の観点から見ると、'
ブラックリスト'のシーズン構成に対する不満はかなり具体的で説得力があると思う。初期シーズンの密度あるミステリーやキャラクター同士の緊張感が評価される一方で、批評家たちは長期にわたるメインプロットの引き伸ばしを繰り返し指摘している。エピソードごとの“犯罪の一件”を解決するプロシージャルな形式と、レディントンとリズの過去に絡む大きな謎を同時進行させる作りは、最初は効果的だが、シーズンを重ねるごとにバランスを崩すことが多かったからだ。
個人的には、良いエピソードとそうでないエピソードの落差が目立つようになったのが問題だと感じる。ある回では緊張感あふれる連続ドラマのように盛り上がり、別の回ではやや使い古された“敵キャラ一掃”のワンオフに戻る。批評家はそのアップダウンを「物語の勢いが断続する」と表現し、結果として長いシーズン全体でのテンポ管理が甘くなっていると評している。加えて、主要な謎を解くよりも新たな細部を付け足すことを優先し、結末が期待に応えられないことが増えた点も批判の的だ。
最後に、登場人物の扱いについても声が大きい。主要キャラクターのモチベーションや行動原理がシーズン間で矛盾する場面があり、これは脚本の一貫性を損なう。華やかな演技や見せ場で観客を引きつける力は確かだが、批評家はそれを“魅力で穴を覆っている”と見なしている。演出や個別エピソードのハイライトは多いものの、長期的な構成と結末の満足度という観点では改善の余地がある、というのが一般的な指摘だと私は受け取っている。