光の反射を扱うとき、僕はまず“どの光を主役にするか”を決めるところから始める。
水溜まりの面は鏡みたいに周囲を写すから、街灯やネオン、車のテールランプなど、どの色味や強さを反映させたいかで機材と設定を変える。三脚は必須で、できれば低い位置にセットしてレンズ先端を水面ギリギリまで下げると反射が強調される。広角レンズだと広い映り込みが得られ、長焦点だと被写体と反射を圧縮してドラマチックに仕上がる。
露出はハイライトを気にして少しアンダー目に振る。長秒露光で車の光跡を入れたり、動く被写体をブレさせて静と動の対比を作るのも好きだ。ポラライザーは反射を抑えるための道具だが、意図的に反射を強く見せたいときは外す。フォーカスは水面の反射に合わせるより、実景と反射の境界に合わせたほうがシャープに見えることが多い。
撮って出しよりはRAWで撮影してハイライト回復や色補正を行う。仕上げでは反射部分のコントラストや彩度を微調整して、映り込みが主張しすぎないようにバランスを取る。個人的には、‘ブレードランナー’的な色合いを意識すると一枚の絵として成立しやすいと思う。実践してみると細かい違いで雰囲気が大きく変わるから、何枚も撮って試すのが楽しい。