仮面の下に隠された物語が好きだ。視覚的な不穏さと象徴が好きな自分には、'The Masque of the Red Death'が真っ先に思い浮かぶ。ロジャー・コーマン演出のこの映画は、仮面舞踏会そのものがテーマの核になっていて、色彩や仮面のデザインがまるで寓話を語るかのように機能している。僕は初めて観たとき、華やかさの裏にある破滅の予感にぞくっとしたのを覚えている。
舞台的な豪華さに心惹かれる向きには、'The Phantom of the Opera'を挙げておく。映画版(2004年)は舞台ミュージカルの巨大な美術と歌唱をスクリーンに移し、仮面舞踏会の場面はその華やかさと不気味さが同居するハイライトになっている。あたしが気に入っているのは、舞踏会の色彩と仮面のフォルムが一拍ごとに物語の緊張を増幅させるところだ。