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舞台照明で暗転を表現する際、暗幕を使わない方法はいくつかあります。例えば、照明を徐々に絞っていく『フェードアウト』は古典的ですが効果的です。『ハイドラント』という特殊な照明器具を使えば、一瞬で真っ暗にすることも可能。
音楽や効果音と組み合わせると、観客の注意力を照明以外に分散させつつ、自然な暗転が実現できます。『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』の舞台版では、俳優の動きと照明のタイミングを完璧にシンクロさせ、暗転を感じさせない演出が話題になりました。技術的な裏技より、観客の心理を操作する方が重要な場合もあるんです。
舞台の暗転で忘れがちなのが、俳優の動きそのものが照明代わりになる場合です。『アラジン』の舞台では、魔法のランプが消えるシーンで、俳優がランプを背中に隠しながら退場。その動きと照明のタイミングを合わせることで、自然な暗転を表現していました。
照明だけでなく、舞台装置の動きを利用する方法もあります。『ハリー・ポッターと呪いの子』では、回転舞台が動く瞬間に照明を調整し、観客に暗転を意識させない巧妙な演出が光っていました。
照明デザインの面白いところは、暗転を『見せない技術』で表現できる点ですね。スポットライトを一点に集中させ、周囲を暗く保つ方法はよく使われます。『レ・ミゼラブル』のある公演では、キャンドルの明かりだけ残して他の照明を消すことで、自然な暗転を演出していました。
LED照明の普及で、従来よりも繊細な光のコントロールが可能になりました。例えば、色温度を急速に変化させると、人間の目が暗さに慣れる前に暗転を完了させられます。これなら暗幕がなくても、シーンの切り替わりをスムーズに表現できますよ。
劇場の裏方仕事で学んだのですが、暗転の代わりに『黒い光』を使う手があります。紫外線ライトと特殊な塗料を組み合わせ、特定の部分だけを浮かび上がらせる技法です。『スパイダーマン:ターンオフ・ザ・ダーク』のブロードウェイ公演でこの技術が使われ、暗転なしでシーン転換を実現していました。
観客の視点をコントロールするのも有効です。明るい部分と暗い部分を意図的に作り、視線を誘導すれば、暗幕がなくても重要な部分に集中させられます。これは日本能楽の『暗闇能』でも用いられている伝統的な手法ですね。