表情と動きでキャラクターの体格を語らせるのが好きだ。顔つきや視線、瞬間の筋肉の緊張で
ガチムチが単なる“筋肉の塊”ではなく個性のある人物になるからだ。動作を分解して考え、どの筋肉がどのくらい収縮するかを頭の中で追いながら線を引くと、説得力ある動きが出る。
装飾や衣装も見せ方の一部として活用している。厚手のジャケットが張る箇所、タンクトップの裾が引っ張られる具合、古びたベルトの食い込み方などで体の厚みや力感を表現できる。あとは指や首、といった細かい部分をおろそかにしないこと。大きな体躯の中に繊細さを混ぜるとリアリティが増す。
参考にしている表現としては、'ベルセルク'のように荒々しい線と陰影で存在感を出す手法や、逆に写実的に筋肉の質感を描き込むやり方まで様々だ。自分は複数のアプローチを試し、物語やキャラ性に最も寄り添う方法を選ぶ。そうして出来上がった一枚が、読者の胸を打つ瞬間がたまらない。