灯影の魅力は、その儚さと強烈なコントラストにあると思う。特に和紙を通した柔らかな光と影の戯れは、被写体に奥行きと情緒を与えてくれる。
例えば、障子越しの
夕陽を背景に茶器を撮影すると、陰影が器のフォルムをくっきりと浮かび上がらせる。この時、露出を少しアンダー気味に設定すると、影の部分に深みが生まれる。LEDライトよりも蝋燭や行灯のような不定形な光源の方が、より自然で味わい深い陰影が作れるのが面白い。
被写体と光源の距離を微妙に変えるだけで、全く異なるムードが生まれる。近づけば劇的なコントラストに、遠ざければ穏やかなグラデーションになる。この調整こそが灯影写真の醍醐味だ。特に人物撮影では、斜め上方から光を当てると、睫毛の影が頬に落ちる繊細な表現が可能になる。