編集の都合で話が前後するが、当日のトークで私は監督がサクをどう捉えているかを端的に聞き取れた。監督はサクを「行為で語る人物」と定義しており、セリフよりも行動、選択の積み重ねで性格を示すよう意図したと話していた。たとえば決断の瞬間に見せる細かな指先の動きや、ためらい方のリズムが性格を語るという考え方だ。
この説明は作品『刻まれた夏』の演出哲学とも通底していて、監督は視聴者に解釈の余地を残すために行動描写を丁寧に作り込むことを重視していた。私はそれを聞いてから作品を観直すと、サクの
一見些細な習慣や癖が物語の重要な手がかりになっていることに気づいた。監督はまた、サクの矛盾する感情を避けずに提示することでリアルさを出していると強調しており、単純な善悪や勝ち負けで割り切らない人物像を目指したという点が強く心に残った。
全体として監督の説明は、サクを“読む”楽しさを視聴者に意図的に提供する設計思想に基づいている。私にとって、あの説明はキャラクターの深みを理解するための鍵になった。